[ 記事 ]

CAR-T療法を受けたリンパ腫(DLBCL)患者の半数以上が2年後も生存

ZUMA-1試験とは別に行われたリアルワールドデータに基づく研究において同様の結果が報告される

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に関する第1/2相多施設共同試験に参加した患者における試験終了後の状態について解析したところ、「axi-cel」と呼ばれる抗CD19キメラ抗原受容体(CAR T)製剤の投与を受けた患者の51%が治療後2年経過時点で生存していることが報告された。Axi-celは、DLBCLに対する治療薬として2017年10月には米国食品医薬品局(FDA)による、2018年8月には欧州委員会による承認を受けた。

テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターリンパ腫・骨髄腫部門教授であるSattva Neelapu医師が本試験の共同統括者を務めた。本試験の知見は、12月2日付のThe Lancet Oncology誌電子版およびサンディエゴで開催された第60回米国血液学会(ASH)年次総会で発表 された。

「今回、試験後2年間にわたる状態を評価しましたが、かなりの割合の患者でaxi-celにより寛解が持続し、長期安全性についても許容範囲のものでした」とNeelapu医師は述べた。「難治性DLBCL患者の治療選択肢は限られています。そういった患者の大半でB細胞が徐々に回復したということもわかりました」。

第2相試験に登録した患者101名に対し、中央値で27.1カ月の追跡調査を行った。その結果、患者の83%で「客観的奏効」として知られる「治療に関連付けられるリンパ腫病変の縮小」が認められ、58%では完全奏効、および39%では奏効が持続していることが報告された。全生存期間の中央値にはまだ到達していない。また、12カ月後の時点でaxi-celに関連した有害事象は報告されていない。

以前に行われた中央値で15.4カ月の追跡調査では「客観的奏効率が82%、完全奏効率が58%、奏効が持続していると報告した割合は患者の42%」と報告されたが、今回の結果はこの報告と類似している。

さらに、探索的解析において寛解が持続している患者および24カ月の時点においてCAR-T細胞の生残性とB細胞の回復率を評価したところ、CARに遺伝子標識された細胞が評価可能なバイオマーカー検体を保有する患者の66%で認められた。末梢血中のB細胞は患者の75%で測定可能であった。

「医療現場における」転帰によりZUMA-1試験の知見が裏付けられる

その後、実際の医療現場における「リアルワールドデータ」の評価が行われた。この研究では、axi-celのFDA承認後にaxi-cel投与を受けた患者274名を対象とした。その結果、ZUMA-1試験の全体的な結果と同様の結果が認められた。このリアルワールドデータを用いた後ろ向き研究には17の医療施設が参加した。研究ではこの17施設が、製造製薬会社が資金提供をした試験から独立してデータを提供した。

この研究は、リンパ腫・骨髄腫部門助教であるLoretta Nastoupil医師が主導した。この研究で得られた結果は、12月1日開催のASH年次総会・博覧会にて発表された。90日の時点までに医療現場評価から患者の81%で客観的奏効、57%で完全奏効が報告された。

「追跡期間が90日と比較的短期間であった点は本研究の限界と言えるでしょうが、90日の時点で医療現場ではこのような奏効状態が認められました。この点は、非常に重要な試験であったZUMA-1臨床試験で認められた最良効果と同等であると考えられます」とNastoupil医師は述べた。「患者のほぼ半数がZUMA-1試験の適格基準を満たさなかったものの、安全性がZUMA-1試験の安全性と同等であったと考えられる点も重要です」。

ZUMA-1第1/2相試験に関する2年間の追跡調査に参加した医療施設は次のとおりである:

Washington University School of Medicine, St. Louis; Dana-Farber Cancer Institute, Boston; Stanford University School of Medicine, Stanford, Calif.; University of Miami Health System; Vanderbilt University Medical Center, Nashville, Tenn.; Mayo Clinic, Rochester, Minn.; Montefiore Medical Center, Bronx, N.Y.; Cleveland Clinic; Wayne State University, Detroit; University of Rochester Medical Center, N.Y.; Loyola University, Chicago;Sara Cannon Research Institute, Nashville, Tenn.; University of Iowa, Iowa City; John Theurer Cancer Center, Hackensack, N.J.; Colorado Blood Cancer Institute, Denver; Banner MD Anderson Cancer Center, Gilbert, Ariz.; City of Hope National Medical Center, Duarte, Calif.; Moffitt Cancer Center, Tampa, Fla.; and Kite Pharma, a Gilead company, Santa Monica, Calif.

翻訳三浦恵子

監修佐々木裕哉(血液内科/横須賀米国海軍病院)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。