抗癌剤の毒性と適応外使用 ― FDAのサリドマイド方策への勧告 | 海外がん医療情報リファレンス

抗癌剤の毒性と適応外使用 ― FDAのサリドマイド方策への勧告

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抗癌剤の毒性と適応外使用 ― FDAのサリドマイド方策への勧告

抗癌剤の毒性と適応外使用 -FDAのサリドマイド方策への勧告
Northwestern University News Center 2005/1

ノースイースタン大学ニュースセンター
Toxicities and Off-Label Use of Cancer Drugs
Northwestern University News Center
著者 Elizabeth Crown

(シカゴ発)ノースイースタン大学の研究者によると、米国食品医薬品局(FDA)の方策は、製薬企業が、死に至る可能性のある抗癌剤の毒性について患者に伝えることを妨げており、こういった方策は早急に是正されるべきである。

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ノースイースタン大学Feinberg校医学部の内科講師Andrew M. Evens医師(DO)および同医学部教授Charles L. Benett医師は、FDAがこういった方策を早急に改めることを求めた。特にサリドマイドは1998年にFDAによって適応外使用が認められたが、190例以上の癌患者において足や肺に死に至る可能性のある血栓を引き起こしたことが報告されているからである。

 

実際過去6年間にサリドマイドを投与された患者全員が癌治療のためにその薬剤の投与を受けており、米国で唯一適応外のみに使用された薬剤であった。

 

FDAは、意見交換や情報の流布を、「適応内」使用の医師や患者だけに厳しく限定しており、このことが、サリドマイドが癌治療に使用される際の副作用について製薬企業が癌患者に勧告することを阻んでいる。

 

さらに、FDAはサリドマイド治療に関わる全ての医師および患者に対し、予防措置としてのサリドマイドの教育および安全な処方のためのシステム(S.T.E.P.S= System for Thalidomide Education and Prescribing Safety)への参加を義務付けているにもかかわらず、このプログラムでは患者、薬剤師あるいは医療関係者に血栓塞栓症に関する情報は提供されていないのである。

 

Evens医師は、12月初頭に開かれた米国血液学協会第46回年次総会でサリドマイド関連の血栓における「医薬品副作用に関する研究と報告書(RADAR)」を発表した。

 

ノースイースタン大学の研究によりサリドマイド投与を受けた癌患者の20%以上に足や肺に死に至る可能性のある血栓ができたことが明らかになった。

 

最も高い確立で血栓塞栓症を発症したのはサリドマイドと化学療法の併用治療を受けた患者(18%)、続いてサリドマイドとコルチコステロイドの併用患者(13%)、サリドマイドのみの治療(5%)であった。

 

サリドマイドは当初1962年に発売禁止になったが、1998年以来癌治療薬として再び注目されるようになった。しかし、FDAの正式承認は稀な疾患であるらい病の皮膚合併症の治療に対してであった。

 

「現在のFDAおよび医薬品の安全性に関する議論をふまえ、我々の研究結果は、FDAが患者の安全性に取り組む姿勢を劇的に変える必要があるということに対し新たな確証を突きつけるものである」とEvens医師は述べた。

 

Evens医師とBennett医師は、Feinberg校の医学部血液学・腫瘍学部教授でノースイースタン大学The Robert H. Lurie総合がんセンターで研究を行っている。

 

RADARプロジェクトはBennett医師の主導で行われており、米国国立癌研究所から500万ドルの助成金を受けている。

 

(エリザベス 訳・野中 希 訳)

 

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