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アレクチニブは、ALK陽性肺がんアジア系患者にクリゾチニブより有効

ALESIA試験の結果はALEX国際共同試験の結果と一致

ALK陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)を有するアジア系患者において、中枢神経系(CNS)高浸透性選択的ALK阻害剤アレクチニブは、一次治療で投与した場合、クリゾチニブと比較して優れた有効性を示した。この第3相ALESIA試験の知見は、2018年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)(ドイツ、ミュンヘン)で発表された。

上海市肺科医院(中国上海)腫瘍内科のCaicun Zhou医師チームは、アジア系患者を対象としてアレクチニブをクリゾチニブと比較した第3相非盲検ALESIA試験(NCT02838420)を実施した。登録した患者は(免疫組織化学法による中央判定で)ALK陽性IIIB / IV期NSCLCであり、ECOG全身状態評価は0〜2であった。無症候性CNS転移を有する患者の登録は認められた。患者を、アレクチニブを1日600mg投与する群(n = 125)、またはクリゾチニブを1日250mgの投与する群(n = 62)に2:1の比率で無作為に割り付けた。腫瘍およびCNSのイメージングを定期的に行った。

主要評価項目は、RECIST v1.1に従い、試験責任医師が決定した無増悪生存期間(PFS)であり、副次評価項目は独立審査委員会(IRC)によるPFS、CNS進行までの期間、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、CNS客観的奏効率(CNS ORR)、生活の質(QOL)および安全性であった。

試験の主要目的は、アジア系患者のPFSがALEX国際共同試験で報告された結果と一致することの実証であった。同試験期間中のPFS中央値は、アレクチニブ群で34.8カ月であったのに対して、クリゾチニブ群では10.9カ月であった(ハザード比[HR] 0.43、95%信頼区間[CI ]、 0.32~0.58)。

アレクチニブは、クリゾチニブよりも疾患の進行リスクを有意に低下

追跡期間中央値はアレクチニブ群が16.2カ月、クリゾチニブ群が15.0カ月であったが、その後、治験責任医師が評価したPFS中央値は、アレクチニブ群では推定不可能(NE)であったのに対してクリゾチニブ群では11.1カ月(HR 0.22、95%CI、0.13~0.38(p <0.0001))であったことから、進行または死亡リスクはアレクチニブ群で有意に低下した。

副次評価項目も達成され、主要評価項目を裏付ける結果であった。

IRCが測定したPFS中央値は、アレクチニブ群がNEであったのに対してクリゾチニブ群は10.7カ月 であった(HR 0.37、95% CI、0.22~ 0.61 (p < 0.0001))。

それぞれの治療群において治験責任医師が評価したORRは、アレクチニブ群が91.2%であったのに対してクリゾチニブ群は77.4%(p = 0.0095)であり、DoR中央値はアレクチニブ群がNEであったのに対してクリゾチニブ群は9.3カ月であった(HR 0.22、95%CI、0.12~0.40(p <0.0001))。

OSに関するデータは出そろっていないが、事象率はアレクチニブ群のほうが有利であり、アレクチニブ群で6.4%であったのに対してクリゾチニブ群で21.0%であった。 OS中央値は両群でNEであった(HR 0.28、95%CI、0.12~0.68(p = 0.0027))。

アレクチニブが実証したCNS活性

ベースライン時点で測定可能または測定不可能なCNS病変を有する患者から得たデータを評価したところ、CNS ORR(IRC)は、アレクチニブ群で72.7%であったのに対し、クリゾチニブ群では21.7%であった。完全奏効率は、アレクチニブ群では50.0%であったのに対してクリゾチニブ群では13.0%であった。 IRCのレビューによると、CNSへの進行までの期間は、アレクチニブ群が長かった(原因別HR 0.14、95%CI、0.06~0.30(p <0.0001))。

アレクチニブ群は(クリゾチニブ群と比べて)投与期間が長かったにもかかわらず、グレード3〜5の有害事象の報告件数は少なかった。 治療期間は、アレクチニブ群は14.7カ月で、クリゾチニブ群は12.6カ月であった。グレード3〜5の有害事象発現率は、アレクチニブ群29%に対してクリゾチニブ群48%であり、重篤な有害事象の発現率は、アレクチニブ群15%に対してクリゾチニブ群26%であった。有害事象のために治療を中止した患者は、 アレクチニブ群7%に対してクリソチニブ群10%であった。

論点

ALEX、J-ALEX、およびALESIAの3試験は用量、対象集団、層別化に関して試験デザインに差があるが、主要効果判定項目の結果は類似しており、PFSの有意な改善が確認できると、試験結果を考察した香港中文大学臨床腫瘍学科Li Shu Fan 医療財団教授、Tony Mok氏は語った。J-ALEX試験は示唆的な証拠を提供するにとどまったが、ALEX試験およびALESIA試験は、アレクチニブのCNSに対する有効性を確認した。ALESIA試験では、アジア系集団においては1日2回600 mgの用量が有効であることが確認された。 しかし、1日2回300 mgでは効果が劣るという決定的証拠はない。CNSに対する有効性に関しては、ALESIA試験およびALEX試験の双方で、アレクチニブ1日2回600 mg投与が最適であると確認された。

結論

研究者らは、ALESIA試験から得た知見は、ALEX国際共同試験の知見と一致していると結論づけた。 本試験は、ALK陽性進行NSCLCを有するアジア系患者を対象とした一次治療におけるアレクチニブの臨床的有益性を確認するものである。

開示

本試験はF. Hoffmann-La Roche Ltd.社から資金援助を受けた。

参考資料

LBA10 – Zhou C, Lu Y, Kim S-W, et al. Primary results of ALESIA: A randomised, phase III, open-label study of alectinib vs crizotinib in Asian patients with treatment-naïve ALK+ advanced NSCLC.

翻訳有田香名美

監修廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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