Tykerb(ラパチニブ)/Lapatinib ‐ 乳癌治療の新薬、患者の半数で腫瘍を縮小させるか、または増殖を減速する | 海外がん医療情報リファレンス

Tykerb(ラパチニブ)/Lapatinib ‐ 乳癌治療の新薬、患者の半数で腫瘍を縮小させるか、または増殖を減速する

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Tykerb(ラパチニブ)/Lapatinib ‐ 乳癌治療の新薬、患者の半数で腫瘍を縮小させるか、または増殖を減速する

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乳癌治療の新薬、患者の半数で腫瘍を縮小させるか、または増殖を減速する
Duke Univ. Medical Center 2004/6/6 

新薬であり治験中のlapatinibと呼ばれる乳癌に対する薬剤は、全米における臨床第1相試験で、8週間投与の投与を受けた乳癌患者において半数近くで腫瘍の増殖を阻害した。先の試験結果は、ニューオーリンズで開催中のAmerican Society of Clinical Oncology(米国臨床腫瘍学会)年次総会で発表された。

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デューク大学のComprehensive Cancer Center(総合癌医療センター)の腫瘍専門医であるKimberly Blackwell医師は、lapatinibを8週間内服した乳癌患者の46%で病状の安定化または腫瘍の縮小が見られたというデータを示した。Lapatinibを4ヶ月間内服した乳癌患者の約24%で病状の安定化または腫瘍の縮小が見られた。

試験の結果は、大いに期待できる、とBlackwell医師は言う。というのも、lapatinibは、トラスツズマブ(ハーセプチン)を含む、少なくとも2種類の既存の治療法で腫瘍に対する効果が見られなかった患者において、効果を示した初めての薬剤の一つであるからだ。

トラスツズマブは、Her-2と呼ばれる増殖制御蛋白を過剰産生する腫瘍を有する患者に対し、初回治療に使用される薬剤である。トラスツズマブは癌細胞にあるHer-2受容体をブロックし、シグナル伝達を阻害する。それにより腫瘍を縮小または安定化させる。

がしかし、Her-2を過剰発現している腫瘍の約1/3には、トラスツズマブは効果がない、とBlackwell医師は言う。今回の試験では、多数(59パーセント)の患者が3種類、4種類あるいは5種類の既存の抗癌剤による治療を受けたにもかかわらず癌が進行していた。

Lapatinibは、Her-2に加えて上皮細胞増殖因子(EGFR、訳者注)EGFのミスタイプ)と呼ばれる増殖因子蛋白を標的とする点で新しいタイプの治療薬である。「2種類の増殖因子をブロックすることによって、単一の増殖因子だけをブロックする場合に比較して、より強力な細胞増殖阻害作用をもたらす。われわれは乳癌細胞に対するこの2重作用が、今回観察された良好な効果に関与していると考える。」と、Blackwell医師は言う。先の試験はlapatinibのメーカーであるグラクソスミスクライン社から資金援助が行われている。

Lapatinibは、乳癌細胞にあるこれら2つの非常に特異的な受容体を標的としているため、安全かつ副作用も少ないことが本試験で示された、とBlackwell医師は言う。本試験では、患者の5%で発疹、5%で疲労、10%で下痢が認められたが、化学療法では衰弱をきたす悪心、貧血、疲労が生じる可能性があり、また心臓障害・肝障害を生じるおそれがある。

 

この臨床試験は、デューク大学および全米のその他の試験施設で患者の募集を継続中である。

 

(ウルフ 訳・島村義樹(薬学) 監修)

 

 

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