スーテント(スニチニブ、SU11248)/悪性腎臓癌に有望な新治療法 SU11248/ | 海外がん医療情報リファレンス

スーテント(スニチニブ、SU11248)/悪性腎臓癌に有望な新治療法 SU11248/

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

スーテント(スニチニブ、SU11248)/悪性腎臓癌に有望な新治療法 SU11248/

原文
悪性腎臓癌に有望な新治療法 SU11248
Dana-Farber Cancer Institute  2004年6月5日 

2004年6月5日 ニューオーリンズ‐新薬で複数を標的とした抗癌剤SU11248が、すべての癌の中でも最も化学療法に抵抗性のあるもののひとつである転移性腎臓癌に対して大変有望な結果を示した。本試験の治験責任医師であり、Memorial Sloan-Kettering Cancer Center(MSKCC)の担当医を勤めるRobert Motzer医師は、ASCOの年次総会で第II 相臨床試験の結果を本日報告した。

[pagebreak]


「腎臓癌の治療におけるSU11248の今回の早期の試験は、過去15年間に私が研究したほかのどの薬剤よりも単独療法として強い活性を示しました。」とMotzer医師は述べた。また、「これらの結果を確かなものにするためにはもっと多くの研究がなされる必要がありますが、このような悪性疾患を治療する場合に、早期にこの種の有効なものがあるということは大変な励みになります。」と付け加えた。

 

新規薬剤SU11248は、チロシンキナーゼとして知られる複数の腫瘍成長因子受容体を同時に阻害することにより作用する。これらの受容体は癌の成長と転移に関与していると考えられている。複数の受容体、すなわち血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)などを標的として、SU11248は癌の血液供給を遮断すると同時に細胞の再生産を破壊する。

 

腎臓癌は1年に約3万人が診断され、5年生存率は約55%である。転移性腎細胞癌に対して現在行われている標準的な治療法はインターロイキン-2とインターフェロン-アルファであるが、この治療を受けて奏効するのは15%に過ぎない。

 

今回の試験では、標準的な治療法に奏効しなかった転移性(進行性)腎臓癌腫の63例がSU11248の投与を受けた。21例(33%)が本薬剤に部分的に奏効し、さらに40%で病状が安定だった。

 

6ヵ月後、SU11248の奏効が持続していた症例も数例あり、奏効例のうち14例は部分的な奏効を示しながら治療を続けている。

 

この薬剤は経口投与され、全般的によく忍容されたが、軽度から中等度の副作用を生じる症例もあった。

 

今回の試験は多施設共同試験で、米国の数施設の治験担当医師の参加があった。この試験はファイザー製薬の委託により実施された。

 

Motzer医師は、セカンドライン治療としてSU11248を用いるピボタルな第III 相臨床試験の治験責任医師でもある。さらにインターフェロンを用いる標準的治療法とSU11248を比較するもうひとつの第III相臨床試験も行なわれる予定である。この試験は2、3ヵ月中には組入れ開始するものと思われる。

 

###

 

メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターは、癌における予防、患者のケア、研究と教育に寄与している世界最古で最大の施設である。この施設の科学者および臨床医は、癌のより深い理解や診断、治療のために新しいアプローチを生み出している。ここでの専門家らはバイオ医学研究における第一人者であり、世界の標準癌ケアの進歩のために最新の研究を実施しているリーダーである。

(内村美里人 訳・しげどん 監修)


新報告: Journal of Clinical Oncology, December 5, 2005 : Activity of SU11248, a multi-targeted inhibitor of vascular endothelial growth factor receptor and platelet-derived growth factor receptor, in patients with metastatic renal cell carcinoma.

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3がんに対する標的光免疫療法の進展
  4. 4若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  7. 7治療が終了した後に-認知機能の変化
  8. 8リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10ASCO、がん臨床試験に対する適格基準の緩和を推奨

お勧め出版物

一覧

arrow_upward