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FDAが非ホジキンリンパ腫にモガムリズマブを承認

速報

米国食品医薬品局(FDA)は本日、1種類以上の全身療法実施後の再発または難治性の菌状息肉症(MF)またはセザリー症候群(SS)の成人患者に対し、モガムリズマブ(mogamulizumab、商品名:ポテリジオ)点滴静注を承認した。本承認は、菌状息肉症患者の新たな治療選択肢となり、セザリー症候群の治療薬としては初めてのFDA承認となる。

「菌状息肉症およびセザリー症候群は非ホジキンリンパ腫の一種で、希少で難治性の病型です。今回の承認は、これらの患者のこれまで満たされていなかった治療に関する要求を満たすものです。われわれは、このように患者にとって意義のある標的療法が継続して迅速に開発、審査されるよう、精力的に活動しています」とFDAのOncology Center of Excellence室長およびFDA医薬品評価研究センター血液学・腫瘍製品室の室長代理であるRichard Pazdur医師は述べた。

非ホジキンリンパ腫はがんの一種であり、体内の免疫系の一部分を司るリンパ球と呼ばれる白血球から発生する。菌状息肉症およびセザリー症候群は非ホジキンリンパ腫の一種であり、リンパ球ががん化し皮膚に影響が及ぶ。菌状息肉症は皮膚を原発とするリンパ腫全体の約半数を占める。菌状息肉症では痒みをもたらす赤い発疹や皮膚病変が生じ、体の他の部分に広がることがある。セザリー症候群は血液とリンパ節に影響が及ぶ希少な皮膚のリンパ腫である。

モガムリズマブはモノクローナル抗体の一種であり、一部のがん細胞上に認められるタンパク質、CCケモカイン受容体4(CCR4)に結合する。

本承認は、モガムリズマブまたはボリノスタット(化学療法薬の一種)のいずれかを投与された再発菌状息肉症またはセザリー症候群の患者372人を対象とした臨床試験に基づいている。無増悪生存期間(がんが増殖せずに患者が生存した時間の長さ)は、モガムリズマブ投与群(中央値7.6カ月)の方がボリノスタット投与群(中央値3.1カ月)よりも長かった。

モガムリズマブ投与群で最も頻度が高かった副作用としては、発疹、投与関連の反応、倦怠、下痢、筋骨格痛および上気道感染症が挙げられる。

モガムリズマブ投与における重大な警告として、皮膚毒性、投与時反応、感染症、自己免疫の異常(免疫細胞が体内の他の細胞や臓器を攻撃する状態)および本薬投与後にドナー幹細胞(同種)を使用した幹細胞移植を行う際の合併症の危険性が挙げられる。

FDAは本申請を優先審査および画期的治療薬に指定した。モガムリズマブはオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定も受けている。希少疾病用医薬品指定とは、希少疾患の治療を目的とした医薬品の開発を支援し奨励するための優遇措置が得られる制度である。

FDAはKyowa Kirin, Inc社に対し、本薬を承認した。

FDAは米国保健福祉省の機関であり、ヒトおよび動物用医薬品、ヒト用ワクチンとその他のバイオ医薬品、医療機器の安全性および有効性を保証し、国民の健康を保護する。当局は、米国の食料供給、化粧品、栄養補助食品、電磁波を放出する製品の安全性およびたばこ製品の規制に関する責務も担っている。

翻訳前田愛美

監修野﨑健司(血液・腫瘍内科/大阪大学大学院医学系研究科)

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