[ 記事 ]

Aranesp、成人骨髄異形成症候群への適応拡大の申請を取り下げ

成人骨髄異形成症候群患者の貧血治療に対する適応拡大が期待されていた

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

 

2018年2月21日にAmgen Europe B.V.社は、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)に対し、Aranespp(一般名:Darbepoetin Alfa[ダルベポエチン アルファ])の既存の製造販売承認について、成人骨髄異形成症候群患者における貧血の治療を追加する申請を取り下げたい旨を正式に通知した。

 

Aranespは現在、下記の患者において症状を有する貧血の治療に使用されている薬剤である。

‐成人および小児慢性腎不全患者

‐非骨髄性悪性腫瘍の化学療法を受けている成人患者

 

Aranespは2001年6月に製造販売承認を受けた。

 

本剤は有効成分Darbepoetin alfa[ダルベポエチン アルファ]を含む。

 

Aranespは骨髄異形成症候群患者の貧血の治療にも使用できることが期待されていた。本剤は頻繁な輸血を必要としない患者、ならびに急性骨髄性白血病(AML)へ増悪するリスクが低いまたは中等度である患者で使用される予定であった。

 

骨髄異形成症候群患者の貧血の治療で、Aranespは既存の適応症と同様に作用することが想定されていた。Aranespの有効成分であるDarbepoetin alfa[ダルベポエチン アルファ]は、腎臓で生成されて赤血球細胞の産生を刺激するエリスロポエチンに非常に類似した作用を有するが、構造がごくわずかに異なる。このことは、Darbepoetin alfa[ダルベポエチン アルファ]の作用持続時間が長く、天然のエリスロポエチンほど頻繁に投与する必要がないことを意味している。エリスロポエチンと同様に作用することで、Aranespは身体を刺激して赤血球細胞の産生を促し、貧血を治療する。

 

申請企業は、骨髄異形成症候群を有する356人の貧血患者を対象とした2つの主要試験のデータを提示した。1つめの試験ではAranespとプラセボによる24週間の投与を比較した。有効性の主要評価項目は赤血球輸血回数の減少であった。2つめの試験では患者全員にAranespを13週間投与し、ヘモグロビン濃度を測定した。

 

申請のために提出した初回文書に対する医薬品委員会からの評価および照会一覧を受け、申請企業は承認申請を取り下げた。取り下げ時に、同企業はその照会に回答していなかった。

 

承認取り下げ時に、医薬品委員会は提出されたデータを審査した結果、一部懸念があるとし、Aranespについて成人骨髄異形成症候群患者における貧血の治療薬として承認できないという暫定的見解を示した。

 

医薬品委員会は、1試験における試験デザインを変更したこと、試験結果の統計解析から非常に多くの患者データを除外したことから、データの妥当性に疑問があるとの見解を示した。また、米国で実施した1つの試験は、欧州で推奨されている骨髄異形成症候群患者の治療と一致していなかった。これにより、医薬品委員会は申請取り下げ時に、試験結果に信頼性がないとの見解を示し、本剤の用途変更は、企業から提出されたデータに基づいて承認することはできないと結論付けた。

 

当局に申請取り下げを通知する文書において、申請企業は、今回の取り下げが、提出データに基づいては骨髄異形成症候群患者の貧血への使用を承認できないという、医薬品委員会の見解にしたがって実施したものであると述べている。

 

また、申請企業は、本剤に関連する同企業主導の臨床試験で進行中のものはないことを当局に通知した。

 

既存の使用においてAranespの使用方法への影響はない。

 

 

翻訳瀧井希純

監修佐藤恭子(緩和ケア内科/川崎市井田病院)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事