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免疫チェックポイント阻害薬レジメンによる内分泌異常の発生率比較

系統的レビューとメタ解析によって内分泌機能異常のさらに正確な発生率が明らかに

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた患者7,551人を対象としたランダム化臨床試験38件のメタ解析から、イピリムマブ 単剤と比較して、併用療法を受けた患者の方が内分泌機能異常の発生率が有意に高いことを示す、これまでよりも正確なデータが明らかになっている。JAMA Oncology発表データによれば、単剤療法では、PD-1阻害薬とイピリムマブによる甲状腺機能異常および下垂体炎の発生率が最も高い。

 

著者らは、内分泌腺異常にすぐに気が付かなければ、生命が脅かされる可能性もあることを強調している。今回の解析の目的は、米国食品医薬品局(FDA)に承認されている、免疫チェックポイント阻害薬を含む治療レジメンに伴う内分泌系の有害事象の発生率とリスクを比較することであった。研究チームは、イピリムマブ、MDX-010、ニボルマブ、BMS-963558、ペムブロリズマブ、MK-3475、アテゾリズマブ、MPDL3280Aおよび試験の段階(相)などのキーワードを使ってPubMedの関連文献を検索した。

 

進行した固形腫瘍に対する治療として確認された治療レジメンを、薬剤クラス別にPD-1阻害薬、CTLA-4阻害薬またはPD-L1阻害薬の単剤療法と、PD-1阻害薬およびCTLA-4阻害薬の併用療法とに分類した。

 

主要アウトカムと測定項目は、グレードを問わず、甲状腺機能低下、甲状腺機能亢進、下垂体炎、原発性副腎機能不全、インスリン欠乏による糖尿病とした。イピリムマブ単剤療法の患者よりも併用療法を受けた患者の方が、甲状腺機能低下(オッズ比 [OR]、3.81;p < 0.001)および甲状腺機能亢進(OR、4.27;p = 0.001)が認められる確率が有意に高かった。イピリムマブを使用した患者と比較して、PD-1阻害薬を使用した患者の方が甲状腺機能低下のリスクが高かった(OR、1.89; p = 0.03)。甲状腺機能亢進のリスクはPD-1阻害薬の方がPD-L1阻害薬よりも有意に高かった(OR、5.36;p = 0.002)が、甲状腺機能低下はそうではなかった。PD-1阻害薬を使用した患者は、イピリムマブを使用した患者よりも下垂体炎を発症する確率が有意に低かった(OR, 0.29;p < 0.001)一方、併用療法の患者ではその確率が有意に高かった(OR、2.2;p = 0.001)。原発性副腎機能不全およびインスリン欠乏による糖尿病については、発生イベント数が少なかったため、統計的推定はできなかった。

 

著者らは、免疫チェックポイント阻害薬を使用する患者の内分泌機能異常の発生頻度に関して、本研究はこれまでよりも正確なデータを提供するものであると結んでいる。併用療法を施行する患者では甲状腺機能低下および下垂体炎のリスクが高くなる。

 

参考文献

Barroso-Sousa R, Barry WT, Garrido-Castro AC, et al. Incidence of Endocrine Dysfunction Following the Use of Different Immune Checkpoint Inhibitor Regimens: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Oncol 2018;4(2):173-182. doi:10.1001/jamaoncol.2017.3064

翻訳ギボンズ京子

監修廣田裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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