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アテゾリズマブが頭頸部がんに安全性と有効性を示す

チェックポイント阻害剤はPD-L1発現状態にかかわらず患者に対し安全性と有効性を示した

チェックポイント阻害剤atezolizumab[アテゾリズマブ]の単剤投与は、免疫細胞でのPD-L1発現状態およびヒトパピローマウイルス(HPV)感染のいずれにも関わりなく進行頭頸部がん患者に対して有効性が見込めることが判明した。この知見は、スペイン、マドリードで開催された2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表された。

 

アテゾリズマブは、PD-L1がPD-1およびB7.1の両方へ結合するのを阻害する腫瘍特異的なT細胞免疫を修復する抗PD-L1チェックポイント阻害剤である。

 

フランスのヴィルジュイフにあるGustave Roussy早期薬剤開発部Rastislav Bahleda医師は、進行頭頸部がん患者に対するアテゾリズマブ単剤投与の安全性および臨床活性を評価する前期第1相試験(NCT01375842)からのデータを示した。

 

最初の患者10人は非選択的に登録したが、潜在的バイオマーカーであるPD-L1の特定に基づいて、後の患者登録では、VENTANA SP142抗体を用いた免疫組織化学検査で検出された免疫細胞におけるPD-L1発現レベル5%以上(IC2/3)を選択基準とした。HPV発現レベルはPCR法により判定した。

 

登録した患者32人のうち、84%が男性で、年齢の中央値は62歳(範囲:32~78歳)であった。患者の66%はECOG全身状態が1であり、患者の過半数(66%)が現在喫煙しているか、または喫煙歴があることを報告した。患者全員に多数の前治療歴があり、患者の53%が過去2回以上治療を受けていた。患者の多く(56%)は原発性の中咽頭腫瘍を有し、それ以外に多い原発腫瘍部位は口腔(患者の22%)、上咽頭(同13%)であった。

 

最初にアテゾリズマブを3週間ごとに16サイクル、または最長1年間静脈内投与し、その後、臨床効果の喪失が認められるまで投与を続けた。

 

アテゾリズマブ単剤投与は、頭頸部がん患者に対し安全性を示した

本試験の主要評価項目は安全性であった。

 

追跡調査期間は14カ月以上であり、治療期間の中央値は3.4カ月であった。

 

患者の多く(66%)に治療関連の有害事象(TRAE)があった。グレード3のTRAEとしては腫瘍崩壊症候群、低ナトリウム血症、掻痒(そうよう)症および大腸炎が患者3人(9%)に発現した。患者1人(3%)にグレード4の治療関連の心タンポナーデが発現した。

 

グレード5のTRAEはみられなかった。

 

アテゾリズマブは、全集団においても、PD-L1発現がゼロから低レベルの患者およびPD-L1発現が高レベルの患者のサブグループにおいても、活性を示した

免疫細胞でのPD-L1発現レベルは、患者7人は5%未満(IC0/1)、25人は5%超(IC2/3)であった。PD-L1発現にかかわらず患者全員に関して、RECIST第1.1版による客観的奏効率(ORR)は22%、無増悪生存期間の中央値(PFS)は2.6カ月(範囲:0.5~48.4カ月)、全生存期間(OS)の中央値は6.0カ月(範囲:0.5~51.6カ月)であった。

 

PD-L1発現が高レベルであったIC2/3患者25人のサブグループにおいて、ORRは24%であり、そのすべてが部分奏効であった。また、病勢コントロール率(DCR)は28%であった。奏効がみられた患者において、奏効期間(DOR)の中央値は26.2カ月(範囲:2.8~45.8カ月)であった。

 

PD-L1発現が低レベルであった患者7人のサブグループにおいてORRは14%で、部分奏効が1人であった。DCRは43%であり、奏効がみられた患者ではDORが7.4カ月であった。

 

結論

著者らは、アテゾリズマブが進行頭頸部がん患者に対し良好な忍容性を示すと結論づけた。反応および長期生存の結果も有望であり、これらの知見からさらなる研究が正当化される。

 

開示

本試験はF. Hoffmann-La Roche Ltd.社の助成を受けた。

 

参考文献

1044O – Bahleda R, et al. Long-Term Safety and Clinical Outcomes of Atezolizumab in Head and Neck Cancer: Phase Ia Trial Results.

翻訳太田奈津美

監修野長瀬祥兼(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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