進行腎がんに対する初回治療ニボ+イピとスニチニブの比較 | 海外がん医療情報リファレンス

進行腎がんに対する初回治療ニボ+イピとスニチニブの比較

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

進行腎がんに対する初回治療ニボ+イピとスニチニブの比較

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

【プレジデンシャル・シンポジウム】

CheckMate-214試験において、中および高リスクの進行または転移腎細胞がん患者ではニボルマブとイピリムマブの併用が顕著に有益であることを示す

 

前治療歴のない中および高リスク進行または転移腎細胞がん(RCC)患者において、ニボルマブとイピリムマブの免疫療法薬併用は、スニチニブに比べて、客観的奏効率(ORR)および無増悪生存期間(PFS)に関してCheckMate-214試験で良好な結果を示したことが、スペインのマドリッドで開催された2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において発表された。

 

特にベースライン時のPD-L1発現レベルが高い患者では、より良好な有用性が観察されたが、低リスクの進行または転移腎細胞がん患者では、スニチニブでORRおよびPFSが改善された。

 

Institut Gustave Roussy(フランス、ヴィルジュイフ)のBernard Escudier氏が、前治療歴のない進行または転移腎細胞がん患者を対象に、ニボルマブおよびイピリムマブの併用療法とスニチニブを比較評価する第3相ランダム化非盲検CheckMate-214試験の結果を発表した。

 

Karnofskyパフォーマンススコアが70以上で腫瘍組織が入手可能な、測定可能病変を有する淡明細胞型転移腎細胞がん成人患者を、International Metastatic Renal Cell Carcinoma Database Consortium(IMDC)スコアおよび地域によって層別化し、ニボルマブおよびイピリムマブ併用投与群またはスニチニブ群にランダムに割り付けた。併用群550人にはニボルマブ3 mg/kg+イピリムマブ1 mg/kgを3週間ごとに4回、続いてニボルマブ3 mg/kgを2週間ごとに投与し、スニチニブ群546人にはスニチニブ50 mgを1日1回、4週間投与し、2週間休薬する6週間のサイクルで投与した。

 

CheckMate-214試験の複合主要評価項目は、中または高リスク患者コホートにおけるORR、独立委員会によるPFS、全生存期間(OS)であった。IMDCリスク群およびベースライン時のPD-L1発現にしたがって有効性も評価した。

 

中/高リスク患者における免疫療法併用の利点

 

約17.5カ月の追跡調査期間後、CheckMate-214試験は中/高リスク患者において複合主要評価項目であるORRを達成し、ニボルマブ/イピリムマブ併用群で41.6%、スニチニブ群で26.5%(p<0.0001)であった。完全奏効(CR)は併用群で9.4%、スニチニブ群で1.2%であった。

 

奏効期間中央値(DoR)は、併用群では未達であり(95%信頼区間[CI] 21.82、NR)、スニチニブ群は18.2カ月(95%信頼区間[CI]14.82、NR)であった。

 

併用群では無増悪生存期間(PFS)中央値で改善がみられ、ニボルマブとイピリムマブ併用群で11.6カ月であったのに対し、スニチニブ群では8.4カ月であった(ハザード比[HR]0.82、p=0.03)。

 

PD-L1発現とIMDCリスク群によって異なる有効性

 

独立委員会による奏効率(ORR)と無増悪生存期間(PFS)は、ニボルマブ+イピリムマブ併用群のベースライン時PD-L1発現レベルが1%以上の中/高リスク患者ではスニチニブ群に比べて良好で、ORRはそれぞれ58%対25%、PFS中央値はそれぞれ22.8カ月(95%CI 9.4、NR)対5.9カ月(95%CI 4.4、7.1)で、ハザード比は0.48であった(95%CI 0.28、0.82;p=0.0003)。

 

試験責任医師によると、低リスク患者コホートではベースライン時PD-L1発現レベルがより低く、PD-L1発現レベルが1%以上の患者は併用群で11%、それに対してスニチニブ群では12%で、中リスクまたは高リスク群患者ではそれぞれ26%と29%であった。

 

低リスク患者では、スニチニブ群の方が併用群よりもORRが高く、PFSが長かった。ニボルマブ/イピリムマブ併用群、スニチニブ群それぞれでORRは29%と52%(p=0.0002)、PFS中央値は15.3カ月(95%CI 9.7、20.3)と25.1カ月(95% CI 20.9、NR)で、ハザード比は2.17であった(95% CI 1.46、3.22;p<0.0001)。

 

全体としてあらゆるリスクの患者を統合したところ、ORR(p=0.0191)またはPFS(p=0.819)で投与群間に有意差は認められなかった。

 

あらゆるグレードの薬物関連有害事象(AE)が、ニボルマブ/イピリムマブ併用群で509人(93%)、スニチニブ群で521人(97%)に認められた。併用群の患者54%がグレード3から4のAEを呈し、スニチニブ群の患者63%がグレード3から5のAEを呈した。

 

AEによる中止は、併用群の22%、スニチニブ群の12%で報告された。併用群で認められた死亡159件のうち、7件(1%)が薬物関連と考えられ、スニチニブ群で認められた死亡202件のうち4件(1%)が薬物関連と考えられた。

 

結論

 

試験責任医師によると、本第3相試験で得られた知見は、中/高リスク転移RCC患者、特にPD-L1発現レベルが1%以上の患者において、ニボルマブとイピリムマブの併用が初回治療の一つとなる可能性があることを裏づけている。しかし、低リスク患者における使用は支持されない。

 

スニチニブに対するニボルマブ+イピリムマブの優越性が、転移腎細胞がんにおける初回治療のパラダイム変化となるかどうか議論したところ、Medical University of Vienna(オーストリア)のManuela Schmidinger氏は、以前にスニチニブを上回った試験がなかったため、ある程度はパラダイム変化となる、と述べた。Schmidinger氏にとって、比較することは非常に勇気が必要なことであった。ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、客観的奏効率(ORR)を高める。完全奏効率、奏効期間、それらから導かれる全生存期間(OS)の有益性によって、奏効の質が浮き彫りになる。チェックポイント阻害薬による初回治療は、(非常に大きな影響を及ぼす)新たな標準治療の一つであるが、まだ確立されたものではない。患者個々の腫瘍に対して生物学的に適切な対処ができるようになると、さまざまな初回治療選択肢の中から個々に最良の治療を選択することができるようになると考えられる。さらに現在、さまざまな併用療法が第3相試験において検証されており、一部は標準治療に含まれるようになる可能性が最も高いと考えられる。現データは、免疫腫瘍学的-VEGF阻害薬の併用療法とスニチニブを比較する第3相試験を実施中の企業に対しても明るいニュースである。

 

情報の開示:本試験は、Bristol-Myers Squibb社および小野薬品工業株式会社の資金援助を受けた。

 

参考文献:LBA5 – Escudier B, et al. CheckMate 214: Efficacy and safety of nivolumab + ipilimumab (N+I) v sunitinib (S) for treatment-naïve advanced or metastatic renal cell carcinoma (mRCC), including IMDC risk and PD-L1 expression subgroups.

原文掲載日

翻訳霜出佳奈

監修林正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3がんに対する標的光免疫療法の進展
  4. 4「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  7. 7治療が終了した後に-認知機能の変化
  8. 8ASCO、がん臨床試験に対する適格基準の緩和を推奨
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他