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ホスアプレピタント併用で子宮頸がん化学放射線療法中の悪心改善

パロノセトロンおよびデキサメタゾンに加えてホスアプレピタントを投与した患者では、悪心による日常生活での障害が低減することが判明

 

スペインのマドリッドで開催された2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表された知見によれば、5週間の化学放射線療法中に、パロノセトロンおよびデキサメタゾンと共にホスアプレピタントを併用した治療を受けた子宮頸がんの女性では、プラセボを投与された同様の女性に比べて、日常機能に対する悪心の影響が小さかった。

 

オーデンセ大学病院腫瘍学科(デンマーク、オーデンセ)のChristina H. Ruhlmann氏が、GAND-emesis試験(EudraCT番号:2009-014691-21、ClinicalTrials.gov:NCT 01074697)の副次的評価項目を裏付けるデータの分析からの知見を発表した。この試験は、国際共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の第3相試験であった。この試験では、5週間の分割放射線療法およびそれと並行して行う週1回のシスプラチン投与を受ける子宮頸がんの女性の悪心および嘔吐の防止に関し、パロノセトロンおよびデキサメタゾンと併用したニューロキニン-1(NK1)受容体拮抗薬ホスアプレピタントの有効性および安全性を調べた。この研究では、パロノセトロンおよびデキサメタゾンにホスアプレピタントを追加することにより、嘔吐なしで丸5週間の治療を完了することができた患者の比率が17%増加した。[1]

 

GAND-emesis試験では、234人の患者に治験薬を投与した。これらの患者のうち、118人の患者にホスアプレピタントを投与し、116人の患者にプラセボを投与した。患者は、ベースライン時と試験終了(EoS)時に、Functional Living Index – Emesis(FLIE)調査票に回答した。FLIEマニュアルにしたがって各ドメインに関するスコアおよび合計スコアを計算した。ドメインスコア54以上、合計スコア108以上であれば、日常生活に影響がまったくない、またはわずかであることを示す。9人の患者は、調査票が無効であったため除外した。

 

GAND-emesis試験の副次的評価項目の1つは、治療群の間で、悪心または嘔吐による日常生活での障害に差があるかどうかであった。試験責任医師は、日常生活への悪心の機能的影響(各ドメインにつき9項目)および嘔吐の影響(各ドメインにつき9項目)を判定する18項目を含む、妥当性検証済みのFLIE調査票を使用した。ベースライン時点でのスコアは、ホスアプレピタント群とプラセボ群で同様であった。悪心ドメインに関して、プラセボ群の患者はスコアが60.3であったのに対し、ホスアプレピタント群の患者は59.9であった(p=0.31)。ホスアプレピタント群患者とプラセボ群患者の比較で、嘔吐ドメインに関するスコアは61.9対62.1(p=0.16)、合計スコアは121.8対122.4であった(p=0.37)。

 

試験終了時点でのKruskal-Wallis H検定を用いた分析によるホスアプレピタント群とプラセボ群の差をみると、悪心ドメインに関するポイントスコアおよび合計スコアにおいて統計的に有意な差を示した。ホスアプレピタント群とプラセボ群を比較すると、悪心ドメインでのスコアは54.9対53(p=0.02)であり、嘔吐ドメインでのスコアは61.4対60.9(p=0.10)であり、合計スコアは116.3対113.9(p=0.01)であった。

 

結論

本研究著者らは、本研究が、5週間の放射線療法と週1回のシスプラチン併用投与の治療期間中におけるニューロキニン-1受容体拮抗薬の安全性および有効性を調査し、併用化学放射線療法の全過程にわたるホスアプレピタントの日常生活への機能的影響を評価した研究としては、著者らの知る限りでは最初の研究であると結論づけた。パロノセトロンおよびデキサメタゾンにホスアプレピタントを追加することにより、制吐が改善され、また患者の日常生活に対する悪心の機能的影響が臨床的および統計的に有意に低減された。

 

これらの研究結果を論じたハイデルベルク大学(ドイツ)のKarin Jordan氏は、「化学放射線療法によって誘発される悪心および嘔吐に関して、NK1受容体拮抗薬を含むレジメンのデータをランダム化試験で初めて提供し、さらに、化学放射線療法での日常機能に対する悪心の影響に関するデータを初めて示したという点で、著者らに謝意を表したい」と述べた。

 

開示

本研究は、Biovitrum社およびHelsinn Healthcare S.A.社からの無制限の助成金による資金提供を受けた。

 

引用

1. Ruhlmann CH, et al. Lancet Oncol 2016:17(4):509–518

 

参考文献

1540O – Ruhlmann CH, et al. Fosaprepitant reduces the impact of nausea on daily function during five weeks of chemo-radiotherapy – a sub-study of the GAND-emesis trial

翻訳福原真吾

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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原文掲載日

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