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ラムシルマブがプラチナ不応性尿路上皮がん患者の無増悪生存を延長

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ラムシルマブがプラチナ不応性尿路上皮がん患者の無増悪生存を延長

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)ESMO2017

【プレジデンシャル・シンポジウム】

第3相RANGE試験で、ラムシルマブをドセタキセルに追加した場合の有望な結果が得られる

 

進行または転移性のプラチナ製剤不応性尿路上皮がん患者に対し、ドセタキセル+ラムシルマブ投与は、ドセタキセル+プラセボ投与に比較して無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善することが第3相RANGE試験で示された。この結果は、先ごろスペイン、マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2017で発表された。

 

エール大学医学部(米国ニューヘブン)腫瘍内科Daniel P. Petrylak氏らは、同様の患者群に対して行った第2相試験の結果を確認するため、二重盲検ランダム化第3相RANGE (NCT02426125) 試験を実施した。第2相試験では、ラムシルマブ+ドセタキセル対ドセタキセル単独でのPFSは、それぞれ5.4カ月と2.8カ月 (HR 0.389; 95% confidence interval (CI) 0.235, 0.643、p = 0.0002)であった。

 

この第3相RANGE試験は、プラチナ製剤による化学療法を受けた進行/転移性尿路上皮がん530人の患者を登録した。前治療として1種類の免疫チェックポイント阻害剤による治療は許容された。患者263人がドセタキセル75 mg/m2+ラムシルマブ10 mg/kg、267人がドセタキセル75 mg/m2 +プラセボを21日サイクルの1日目に投与する群に割付けられ、病勢進行またはその他の中止基準に至るまで継続した。画像検査による評価が6カ月ごとに行われた。

 

主要評価項目である研究者の評価によるPFSのほか、副次的評価項目として全生存(OS)、奏効率(ORR)、安全性、QOLを検討した。

原文に表あり)

 

RANGE試験は以前に行われた第2相試験の結果を再確認した

研究者の評価によるPFSの延長が示され、盲検化された中央判定と一致していた。ラムシルマブ+ドセタキセルの治療を受けた患者はプラセボ+ドセタキセルの治療を受けた患者に比べて有意に長いPFSを示した(中央値4.1ヵ月対2.8ヵ月、HR 0.757; 95% CI 0.607, 0.943 (p = 0.0118))。これらの結果は、盲検化された中央判定と一致していた(HR, 0.672; 95% CI 0.536, 0.842 (p=0.0005))。

 

奏効率はラムシルマブの追加により約2倍となり、ラムシルマブ+ドセタキセルでは24.5%(95% CI 18.8, 30.3であったのに対しプラセボ+ドセタキセルでは14.0% (95% CI, 9.4-18.6)であった。

 

全生存率のデータはまだ得られていない。

 

RANGE試験における安全性の結果は、以前の研究の結果に合致するものであった。グレード3以上の有害事象は両群で同じ頻度で報告され、予期せぬ毒性はなかった。グレード3以上の有害事象で最も多かったものは好中球減少で、ラムシルマブ群で15%、プラセボ群で14%であった。

 

生活の質(QOL)に関する解析では、全般的なQOLは治療経過で概ね変化がなく、両群間で差はなかった。

 

結論

著者らは、ラムシルマブ+ドセタキセルはプラチナ抵抗性の進行性尿路上皮がん患者の第3相試験において化学療法に対してPFSの改善を示した最初のレジメンであると結論した。

 

フランス、ヴィルジュイフのパリ・サクレ大学ギュスターヴ・ルシィ研究所のYohann Loriot氏は本研究結果の考察で次のように述べた。ラムシルマブ+ドセタキセルは、多くの医師に免疫チェックポイント阻害薬(ICI)後に選択される治療法になるかもしれないが、問題はサブグループ解析の患者数が不十分でラムシルマブ+ドセタキセルがICI後では有効ではないかもしれないこと、多くの患者(約60%)がICI不応となった後に治療を受けていないこと、ラムシルマブが臓器転移に対して有効であることを示すエビデンスがないことである。同氏はまた、ラムシルマブが日常診療における選別されていない患者層において有効で忍容性良好であるのか疑問を呈した。そして本研究の登録基準が一般状態が良く、(無治療の)脳転移がなく、最近の心血管イベントがなく、治療前6カ月以内の血栓塞栓性イベントがない患者に限定されていたことを指摘した。

 

開示事項:本研究はEli Lilly社の支援を受けた。

 

Reference:LBA4_PR – Petrylak DP, et al. RANGE: a randomized, double-blind, placebo-controlled phase 3 study of docetaxel (DOC) with or without ramucirumab (RAM) in platinum-refractory advanced or metastatic urothelial carcinoma.

原文掲載日

監修榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)

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