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ゾレドロン酸が進行前立腺癌の骨の合併症を減少

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ゾレドロン酸が進行前立腺癌の骨の合併症を減少

米国国立がん研究所(NCI) 臨床試験結果

Zoledronic Acid Reduces Bone Complications of Advanced Prostate Cancer(http://cancer.gov/clinicaltrials/results/bone-complications-0602)
(2002/6/24、最終更新:2004/6/14) October 2, 2002 the Journal of the NCI掲載の研究によると、骨転移した前立腺癌患者は、新薬ゾレドロン酸(ゾレドロネート、ゾメタとも呼ぶ)服用により、プラセボに比べ骨折や骨合併症が少なかった。

 

 

進行した前立腺癌の患者は、骨折、脊髄圧迫、骨の痛みなど骨の合併症の起こるリスクが高くなります。2002年10月2日、Journal of the National Cancer Institute(ジャーナル要旨参照)で発表された研究で、骨に転移のある前立腺癌の患者はプラセボ(偽薬)を投与された場合に比べ、新薬ゾレドロン酸(zolendronate 又はZometaR)の投与を受けたとき、骨折や他の骨の合併症が少なくなりました。

 

しかし、プラセボを受けた患者と比較して、ゾレドロン酸を受けた患者は、骨の合併症の減少により、病気の進行が遅くなることはなく、生存が伸びることもなく、日常生活の質の改良もありませんでした。

 

付記された論説で、カナダのオンタリオのトロント大学のChristina Canil, 博士とIan Tannock博士が、「ゾレドロン酸は代替療法に効果の見られない、骨折か脊髄圧迫の恐れが高い患者にとって妥当な選択肢ですが、現在のところゾレドロン酸は標準治療として推奨されない・・・」と述べています。

 

William Dahut 博士も同じ意見です。Dahut博士はベセスダ(メリーランド)の国立衛生研究所診療センターの国立ガン研究所、Genitourinary Clinical Researchセクションの所長です。

 

「骨に転移した全ての前立腺癌患者に医師たちがゾレドロン酸を推奨する誘惑に打ち勝つことを願っています。」と、Dahut博士は言います。「この研究ではゾレドロン酸を投与された患者に生存率の延長も見られず、より高い副作用の危険性があります。 その上、この薬を投薬に加える費用は膨大です。 骨による合併症の可能性の低い患者にとっては、治療による恩恵と比べると、これらの不利な点のほうがもっと多いかもしれません。」

 

カナダケベックのモントリオール大学のノートルダム病院のFred Saad, 博士によって主導された多施設臨床試験は、ホルモン療法の後に病気が進行した前立腺癌の骨への転移のある643人の男性により行われました。平均年齢は72才でした。それらの患者は4mg又は8mgのゾレドロン酸か偽薬のいずれかの投与が無作為に割り当てられ、15ヶ月間、3週ごとに投与されました。試験は二重盲検で行われ、試験の終了まで医師も患者も、誰が試薬を受けたのか、偽薬を受けたか知りませんでした。

 

すべての試験参加者は、登録時骨スキャンを受けました; 経過観察ための骨のスキャンは6カ月と15カ月後に行われました。試験の途中で、高用量の投与を受けている何人かの男性が腎障害を起こしたので、治験責任医師はゾレドロン酸の8mgの投与量を4mgに減量させました。 (プロトコル概要(http://www.cancer.gov/search/ViewClinicalTrials.aspx?cdrid=67109&version=HealthProfessional&protocolsearchid=1234072)参照)

 

試験に参加した男性のおよそ3分の1が試験を完遂しました。 試験を途中で止めた人は、副作用や他の理由での中止が主でした; 77人の男性が死亡しました。

 

骨折が見られたのは偽薬を受けた男性の22%に対し、4mgのゾレドロン酸を受けた男性は13%でした。骨折以外の骨の合併症は偽薬を受けた男性の35%に対し、4 mgのゾレドロン酸で治療を受けた男性の26%で見られました。これらの合併症は脊髄圧迫、骨の手術、放射線治療、または骨の痛みによる治療の変更などでした。

 

8mgのゾレドロン酸(後で4mgまで減少された。)で治療の試験を始めたグループの男性は、治験開始から4mgの投与を受けたグループより悪い効果となりました。 15%は骨折し、30%は別の骨の合併症が起こりました。

 

平均生存期間と病状の進行は3つのグループで著しい違いはありませんでした。痛みを含む患者の日常生活の質に関する患者による評価も有意差がありませんでした。インフルエンザのような兆候(倦怠感、貧血、関節痛、熱、足の膨張)は2群中、偽薬を受けた男性よりゾレドロン酸での治療を受けた群でわずかに多く見られました。

 

高用量投与でのゾレドロン酸の試験を始めた患者が低用量投与の患者より効果が見られなかった結果は当惑させられています、とNCIのDahut博士は言います。「8mgの試薬を受け取った患者が4mgを受け取った患者より多くの骨の合併症を起こす明白な解釈は全くありません。」

 

ゾレドロン酸はビスフォスフォネートとして知られている種類の新薬です。 他のビスフォスフォネート薬は、骨転移を伴う乳癌患者と、多発性骨髄腫の患者を治療するのに使用されます。ゾレドロン酸は2002年2月に前立腺癌における、骨の合併症の防止のために米食品医薬品局によって承認されました。

 

この研究からの予備データは2002年5月にアメリカのUrological Association年次総会に提示されました。概略の追跡調査報告は2004年6月2日に発表されました、Journal of the National Cancer Institute (ジャーナルの要約参照) は24ヶ月のデータを提供しています。

 

(HAJI 訳・平 栄(放射線腫瘍科) 監修)

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