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Bevacizumab (アバスチン)が転移大腸がんの生存率上昇の試験結果

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Bevacizumab (アバスチン)が転移大腸がんの生存率上昇の試験結果

米国国立がん研究所(NCI) 臨床試験結果

Bevacizumab (Avastin™) Improves Survival in Metastatic Colorectal Cancer(http://cancer.gov/clinicaltrials/results/bevacizumab-and-colorectal-cancer0601)
(2003/6/1、最終更新:2004/6/14)転移性大腸癌と新たに診断された患者で、IFLとして知られる併用化学療法+bevacizumab (アバスチン)を受けた患者は、bevacizumabでなくプラセボ+IFL療法投与患者より全生存期間が顕著に長かった。これらの結果を持って、bevacizumabは、無作為第3相試験で効果があると証明された初の抗血管新生薬となった。

 

 

要約
新たに診断された転移性の直腸癌の患者が、IFLとして知られる併用化学療法と治療薬ベバシズマブ(アバスチン) との併用治療を受けた場合と、ベバシズマブの代わりに偽薬とIFL治療を受けた場合を比べ、明らかな全生存期間の延長がみられました。これらの結果によると、ベバシズマブは無作為化された第III相試験で有効性を示した最初の血管新生阻害剤になります。

 

出典  2003年6月1日、シカゴ American Society of Clinical Oncology (ASCO) 年次総会、最終的な結果は2004年6月3日にNew England Journal of Medicine (ジャーナル要約参照)で発表されています。

 

背景
ベバシズマブは血管新生(新しい血管の形成と成長を促進すること)を遮断することで効果が現れます; これは血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と呼ばれるタンパク質を対象とすることによります。結腸癌に加え、ベバシズマブを使い、腎細胞癌、前立腺癌、非ホジキンリンパ腫、その他の癌を含む数々の疾患について現在試験中です。

 

また、他の2つの新しい薬剤、オキサリプラチン、とセツキシマブ(アービタックス)も最近、転移、進行した結腸直腸癌の患者のために無作為化試験でその恩恵を示しました。、これらの2薬剤とベバシズマブを比較する様々な組み合わせを使った新たな試験が進行中、または予定されています。

 

試験
未治療の転移性結腸直腸癌患者、約800人は無作為に2つのグループに分けられました。 1つのグループがIFL(Saltz レジメンとしても知られている)+ベバシズマブを受け、他のグループがIFL+プラセボ(偽薬)を受けました。 IFLはイリノテカン、5フルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリンを含んでいます。 (プロトコル概要参照)

 

結果
IFL+偽薬を受けた患者の生存中央値は、15.6ヶ月でしたが、IFL+ベバシズマブを受けた患者の生存中央値は20.3ヶ月でした。癌の進行が見られなかったのは、ベバシズマブ群で中央値10.6ヶ月で他の群は6.2ヶ月でした。腫瘍の半分以上の縮小はベバシズマブを受けた45%の患者で見られたのに対し他のグループは35%の患者で見られました。

 

「これは人の癌を治療する抗血管新生戦略の最初の第III相試験です」、Duke University Medical Centerの責任医師Herbert Hurwitzは言っています。

 

「結果は臨床的に重要です。」

 

2つのグループ間の副作用は1つの例外を除き同様でした: 高血圧はベバシズマブグループが、より頻繁に起こりました。しかし、それは薬物療法で効果的に治療が行われました。 また、ベバシズマブによる副作用のおそれとして報告されているのは、腸穿孔の合併症でまれにしかおこりませんが、生命に危険を及ぼす恐れがあります。

 

制限事項
この結果は、転移した疾患がある、未治療の結腸直腸癌患者という1群にのみ当てはまります。他の患者へのベバシズマブの効果は現在検討中です。また、ベバシズマブは臨床試験においてのみ利用可能な研究中の薬です。他の臨床試験で、FOLFOX(オキザリプラチン、フルオロウラシル、ロイコボリン)として知られている異なった治療の試みがなされ、IFLと比べ生存の改善が同様であることが示され、現在結腸直腸癌患者に標準的治療として使用されています。

 

(HAJI 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)

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