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右側原発大腸がんに化学療法+内部放射線療法が効果

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右側原発大腸がんに化学療法+内部放射線療法が効果

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

World GI 2017 プレスリリース

 

結腸左側に原発巣があり肝転移した大腸がん患者は、結腸右側に原発巣がある患者に比べて、治療反応が有意に良好であることが知られている。

 

しかし、ESMO(欧州臨床腫瘍学会)第19回世界消化器がん学会で発表された新しい研究は、少なくとも部分的にこの差が縮まる可能性を示唆した。

 

通常のパターンとは逆に、右側原発腫瘍(RSP)から肝転移している患者は、初回治療化学療法+Y-90樹脂微小球を用いた選択的内部放射線療法(SIRT)の併用治療で、化学療法単独治療に比べ36%良好な生存率を示した。

 

左側原発腫瘍(LSP)の患者の場合は、同じ併用治療でも、化学療法単独治療に比べて良好な成績を示さなかった。

 

「この結果は、左側原発腫瘍の患者と比較して予後がかなり悪く、治療選択肢が少ない右側原発腫瘍の患者にとって良いニュースです」とWestern Australia大学(オーストラリア、パース)所属の研究責任者であるGuy van Hazel医師は述べている。

 

「これまでは、右側原発腫瘍の肝転移という哀しい転帰を改善する治療は、ベバシズマブを化学療法に追加する以外になかったため、われわれはこの結果に興奮しています」とも述べた。

 

本研究では、SIRFLOX(SF)およびFOXFIRE-Global(FFG)と呼ばれる2件の完了した試験からの739人の患者を分析した。

 

肝臓単独または肝臓優位の転移性大腸がん(mCRC)を有する患者のみが対象で、標準化学療法単独群もしくは標準化学療法+SIRT群に無作為に割り付けられた。 化学療法レジメンはmFOLFOX6であり、ほとんどの患者がベバシズマブの投与を受けた。

 

患者の原発腫瘍の位置情報は試験開始時に記録され、右側が24%、左側が73%であった(残りの3%は結腸の両側に原発腫瘍があるか、原発腫瘍部位が不明であった )。

 

全般の転帰は、化学療法単独群と化学療法+ SIRT群の間で差がなく、中央値で全生存期間(OS)が約24カ月、無増悪生存期間(PFS)が約11カ月であった。

 

しかし、右側原発腫瘍と左側原発腫瘍の患者を別々に分析したところ、明らかな違いがみられた。

 

右側原発腫瘍からの肝転移患者の場合、化学療法+SIRT群は化学療法単独群に比べて有意に全生存期間が長かった(22.0カ月対17.1カ月; p=0.007; HR:0.64 [95%CI:0.46-0.89])。一方、左側原発腫瘍患者の場合は同様の結果にはならなかった(24.6カ月対25.6カ月; p=0.279; HR:1.12 [0.92-1.36])。

 

「化学療法+ SIRT治療を受けた右側原発腫瘍患者の死亡リスクがどの時期においても36%減少しました」とvan Hazel医師は述べている。

 

また、統計的に有意ではなかったが、PFS(無増悪生存期間)は27%の改善を認めた。

 

「原発腫瘍の位置が放射線療法に関連しているということが初めて明らかにされました」とvan Hazel医師は述べた。また「初回治療の患者にのみの適用にとどまる可能性はあるものの、 該当する患者にとっては新しい治療の選択肢が増えました」とも述べた。

 

右側原発腫瘍と左側原発腫瘍で副作用に差はなく、化学療法+SIRT群の患者は化学療法単独群の患者よりも副作用が多かったが、このことは「予測可能で対応可能です」とvan Hazel医師は述べた。

 

ESMOのスポークスマンであり、CUF腫瘍研究所(ポルトガル、リスボン)所属のDirk Arnold氏と、ルーヴェン大学病院(ベルギー)のEric Van Cutsem氏は、この研究について「これらの知見は、結腸がんの生物学的多様性と腫瘍部位に関する最近の議論 に貢献しました」とコメントした。

 

「これらの結果が、右側腫瘍の方がこれら放射線治療に対する感受性が高いことを意味するのか、あるいは単に右側腫瘍の分子特性に変異が多いため治療選択肢が少ないということなのかを確認する必要があります」と説明した。 「さらに、一般的に右側腫瘍は予後が不良であるとされていることから、全身治療以外の選択肢が相対的に重要になります。 こうした結果を規定する分子レベルの要因に関する多くのデータが必要とされています」。

 

原文掲載日

翻訳山岸美恵野

監修東 光久(総合診療、腫瘍内科、緩和ケア/福島県立医科大学白河総合診療アカデミー)

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