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フォトダイナミックセラピー(PDT)-光線力学的療法2004

フォトダイナミックセラピー(PDT)-光線力学的治療法
Photodynamic Therapy (PDT) Center

ロズウェルパーク癌研究所HPより
http://www.roswellpark.org/Document_187.asp

Thomas J. Dougherty, PHD, Chief Emeritus, PDTCenter 

https://www.roswellpark.org/patients/treatment-services/innovative-treatments/photodynamic-therapy

 

フォトダイナミックセラピー(PDT)は、ここロズウェルパーク癌研究所(Roswell Park Cancer Institute:RPCI)で開発されました。ここPDT Centerは、あらゆる癌を治療するフォトダイナミックセラピーの使用において世界的リーダーです。

 

Rosewell Park Cancer Institut(RPCI)は、臨床、前臨床PDT研究を行っています。PDTとは、固形腫瘍のがん細胞を破壊するためフォトセンシタイザーと呼ばれる光感受性物質と可視光を用いた比較的新しい、2ステップ治療です。光感受性物質であるフォトフリン(PhotofrinR)を用いたPDT治療は、世界中の他の規定薬同様、FDAによってさまざまな悪性腫瘍の治療に承認されました。現在のところ、他にもいくつかの光感受性物質がここRPCIで、いくつかの癌において評価中です。これらの新たな光感受性物質はフォトフリンにも増して効力を現すかもしれません。

 

フォトフリンを使用したPDTは以下の治療に可能ですー

微小浸潤(早期)気管支内非小細胞性肺癌

他の気管支内肺癌

進行した、部分的または完全閉塞の食道癌

他の肺腫瘍、中皮種

バレット食道の早期食道癌

皮膚癌

乳癌

結腸直腸癌

婦人科悪性腫瘍

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PDTはどのように効くか

無毒性のフォトフリン(Photofrin (porfimer sodium))を、静脈から注射します。正常細胞と悪性細胞の両方がフォトフリンを吸収します。しかしながら、2,3日後フォトフリンは癌細胞に凝縮され集まり、その周囲の正常細胞では減少します。レーザーによって発生させた非熱(熱を発しない)赤色光が腫瘍に当てられ、このライトがフォトフリンを活性化させ、腫瘍細胞を破壊します。フォトフリンは光線感作剤で、しばらくの間皮膚に残留します。そのため、注射後4~6週間は、患者は直射日光を避けなければなりません。非常に明るい人工的な光(歯科用ランプや病院の検査用ライト)や居住用の直接室内光(スポットライトや投光照明)もこの期間は避けたほうがよいでしょう。外出時は、皮膚を保護するためにサングラス、濃い色の服装、長袖シャツ、帽子、手袋、長ズボンを着用する必要があります。また、フォトフリン注射後1ヶ月間は、コーン型やヘルメット型ヘアドライヤーも避けるよう気をつけなければなりません。なぜなら、高い熱はフォトフリンを活性化し頭皮に残留させるからです。これらの光や熱に曝すと、光感性タイプの反応を引き起こし、皮膚が赤くなったりはれたりすることになります。

 

微小浸潤(早期)気管支内非小細胞性肺癌
FDAは、フォトフリン-PDTを外科治療も放射線治療も適応されない微小浸潤(早期)帰還しない非小細胞肺癌患者に承認しました。癌が気道に限局していること、気管支鏡(気道を見るのに用いられる自由に曲がる道具)が届かなくてはなりません。フォトフリンは静脈から注射され、2日後、気管支鏡で腫瘍は赤色光を照射されます。このときは局部麻酔、または全身麻酔で行われます。2日後、死んだ腫瘍やその残骸が取り除くため、「クリーンアップ」気管支鏡が局部麻酔、または全身麻酔で行われます。

 

気管支内肺癌
フォトフリン-PDTはまた、ある種の早期、進行肺癌にもFDA承認されています。腫瘍は気管支鏡の届く範囲でなければなりません。薬剤を活性化する赤色光は気管支鏡から繋がった光ファイバーによって照射されます。これらの行程はフォトフリン注射の2日後に、局部麻酔、または全身麻酔で行われます。殺傷された腫瘍やその残骸は、気道を全開にするため取り除かれます。

 

進行した、部分的または完全閉塞の食道癌
フォトフリン-PDTは、熱レーザー治療に適さない部分的または全閉塞状態の進行食道癌患者に、緩和治療目的に承認されています。患者はフォトフリンを静脈注射されます。2,3日後、内視鏡で腫瘍を確認し、同時に赤色光を照射します。この治療の副作用は、胸の痛み、火傷、嚥下困難、食道狭窄です。

 

他の肺腫瘍、中皮種
PDTで、ある種の肺や肺の内膜(胸膜)を治療することが可能です。PDTは、腫瘍摘出手術中に、腫瘍切除に引き続き行われます。PDT薬剤を活性化する赤色光を直接肺腔に照射されます。治療時間は肺腔の大きさによって決められ、時間は1~3時間程度かかります。

 

バレット食道の早期食道癌
2004 この治療の適応となるためにはバレット食道炎からくるハイグレード異形成でなければなりません。フォトフリンは赤色光を照射する2日前に注射される。ライトは専用の内視鏡で照射されます。

 

皮膚癌
皮膚癌のPDTは、RPCIの皮膚科と共に施行される。最も一般的な基底細胞癌は、扁平上皮癌、ボーエン病、母斑性基底細胞癌症候群(NBCCS)と同様に、PDTによって効果的な治療ができるかもしれません。薬剤を活性化する赤色光がフォトフリン注射の2,3日後に皮膚癌上に直に照射されます。PDT治療後は、赤み、腫れ、不快感があったりかさぶたができるかもしれませんが、かさぶたは2,3週間で剥がれ落ちます。広範囲の癌であれば、腫瘍を完全に消滅させるために2次的治療が必要になるかもしれません。また、色白の人には最も一般的な前癌病変である日光性角化症も研究中です。ALA(下)という薬がこの治療に適応されています。

 

乳癌
乳房切除後、胸壁に局所再発治療にPDTが可能です。薬剤活性化する赤色光が有効な部分に照射されます。フォトフリンから2日後に行われる治療は、部位の広さによって最高数時間を要する。治療した部分の痛みは数日から数週間続くかもしれませんが、これは鎮痛剤や創傷処置、塗り薬などで完全に管理可能である。治療のためとみられる潰瘍は通常4週間以上経ってよい結果をもって治癒します。

 

結腸直腸癌
たいていの場合、切除手術後に残存しているかもしれない微小腫瘍細胞を殺すために、外科手術とあわせて用いられます。PDTは手術中、または術後、会陰腫瘍に行われるかもしれません。

 

婦人科悪性腫瘍
婦人科悪性腫瘍は、しばしばPDTの活性化光の届きやすいところに発生します。PDT治療は、膣、外陰部、子宮頚部の腫瘍を含むある種の癌に有効です。再発癌には、この治療はいくらかの長期に渡る結果を得ています。治療はフォトフリン注射から2日後に行われ、通常30分から1時間かかります。治療後、数日間、治療した部位に局所痛がありますが、鎮痛剤で管理されます。

 

その他のPDT薬        *薬剤名のみ

ALA (5-aminolevulinic acid)、PhotochlorR=HPPH (2-[1-hexyloxyethyl]-2-devinyl pyropheophorbide-a)

(野中 希 訳・平 栄(放射線腫瘍科)監修)

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