2011/07/26号◆思春期小児および若年成人(AYA)癌特別号・FDA最新情報「ブレンツキシマブの迅速承認を諮問委員会が勧告」 | 海外がん医療情報リファレンス

2011/07/26号◆思春期小児および若年成人(AYA)癌特別号・FDA最新情報「ブレンツキシマブの迅速承認を諮問委員会が勧告」

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2011/07/26号◆思春期小児および若年成人(AYA)癌特別号・FDA最新情報「ブレンツキシマブの迅速承認を諮問委員会が勧告」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2011年7月26日号(Volume 8 / Number 15)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

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◇◆◇ FDA最新情報 ◇◆◇

ブレンツキシマブの迅速承認を諮問委員会が勧告

米国食品医薬品局(FDA)諮問委員会は、ホジキンリンパ腫や未分化大細胞リンパ腫(ALCL)を有する一部患者に対し、薬剤ブレンツキシマブ・ベドチン(Adcetris)の迅速承認を満場一致で採択した。FDAはブレンツキシマブのこれら2つの適応に対し迅速承認とするかどうか、8月30日までに決定しなければならないが、FDAが委員会の勧告に従う義務はない。

FDAのこの迅速承認プロセスは、医学的ニーズがいまだ満たされていない状態にある重篤な疾患に対し、有用と考えられる治療選択肢を提供するものである。これまでの複数の試験から得られた知見を検証し、この薬を通常の承認プロセスに移行するには、より規模の大きい複数の確認試験が必要となる。

抗腫瘍薬諮問委員会のこの投票結果は、自家幹細胞移植後に再発したホジキンリンパ腫患者ならびに、再発または難治性のALCL患者に対し、それぞれブレンツキシマブを試みた2つの第2相シングルアーム試験の結果に基づいている。いずれの場合も、この患者群に対し有効性が証明された治療法は少ない。この試験結果は、12月に米国血液学会(ASH)年次総会で発表された

ブレンツキシマブは抗体-薬物複合体、つまり化学的に薬物と結合させた抗体である。ブレンツキシマブの抗体成分はCD30タンパク質を標的としている。CD30タンパク質はホジキンリンパ腫とALCLのほとんどの細胞表面に発現するが、癌細胞以外にはほとんどみられない。結合させた薬は化学療法薬MMAEである。

ホジキンリンパ腫の102人を対象とした試験では、患者の4分の3で顕著な腫瘍縮小(部分奏効)がみられ、3分の1では腫瘍が消失した(完全奏効)。ALCLの58人を対象とした試験では患者の86%で部分奏効、半数を少し上回る患者で完全奏効がみられた。

ブレンツキシマブを開発したSeattle Genetics社は、この薬剤に対し通常の承認を求めていた。しかし、「リスク対効果の評価を明確に理解するには、シングルアーム試験の結果では最適とはいえない」という理由から、FDAはこの薬剤をまずは迅速承認プロセスに進めることを勧告した、とFDAの医薬品評価研究センター(CDER)の抗腫瘍薬製品室(Office of Oncology Drug Products)長であるDr. Richard Pazdur氏は述べた。

迅速承認は満場一致で採択されたものの、FDAならびに数人の委員会メンバーは、ホジキンリンパ腫患者を対象として行われている第3相臨床試験ATHERAは、十分な確認試験として適正にデザインされていないので、通常の承認を最終的に得るためには少なくとももう一つ別の試験が必要になるであろうと述べている。

「この薬剤が効くことには何の疑問もない」と、ODAC議長であるNCI癌研究センターのDr. Wyndham Wilson氏は語る。しかし他に懸念されることとして、ATHERA試験がデザインされた方法では、この薬剤の使用により治癒する可能性のある症例も含め、この薬剤によってもっとも恩恵をうけるであろう人々を同定しえないだろうと彼はつけ加えた。

FDAのスポークスマンによれば、FDAならびにブレンツキシマブ を開発・製造するSeattle Genetics社は、ホジキンリンパ腫とALCLに対してブレンツキシマブの通常の承認を得るため、確認試験の適正なデザインについてさらに議論を行う予定である。

「私共は通常の承認を得るための確認試験の一部とするようATHERA試験ならびに他の臨床試験に、FDAとともに全力で取り組みます」と、Seattle Genetics社のCEO Dr. Clay Siegall氏は投資アナリストとの電話会議で語った。

 

— Carmen Phillips

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大倉 綾子 訳
林 正樹(血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院) 監修
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