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リボシクリブが、進行乳がんのアジア人女性で無増悪生存期間改善

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)アジア2016での研究発表

 

シンガポールで開催されたESMO Asia 2016 Congressで発表されたMONALEESA-2試験に関するサブ解析によると、ribociclib[リボシクリブ]により、進行乳がんを有するアジア人女性の無増悪生存期間が有意に改善された。

 

「乳がんはアジアで重大な健康負荷の一つとなっていて、この地域だけで世界中で診断される症例の24%を占めており、アジアの特定の地域では、腫瘍生物学における潜在的な差異から、大部分の患者が診断時点で病勢が進行しています」と筆頭著者であるシンガポール国立がんセンター腫瘍内科部門シニアコンサルタントのYoon-Sim Yap医師は述べている。

 

内分泌療法は、ホルモン受容体(HR)陽性乳がんの治療の中心だが、有効性は腫瘍が持ち合わせていた抵抗性、あるいは獲得した抵抗性により制限されることが多い。内分泌療法を受けている患者の大半は、いずれは病勢が進行する。CDK4/6経路は内分泌療法抵抗性に関与しており、したがって、内分泌療法とCDK4/6標的療法の併用が治療効果を長続きさせ、化学療法の使用を遅らせる可能性がある。

 

MONALEESA-2は、HR陽性、HER2陰性の進行乳がんを有する閉経後女性に対する一次治療としてのリボシクリブ(CDK4/6阻害薬)+レトロゾール(内分泌療法)群とプラセボ+レトロゾール群の第3相ランダム化試験である。合計668人の患者が登録された(それぞれの群に334人)。腫瘍評価は、スクリーニング検査時に行い、最初の18カ月では8週間ごとに、さらにその後は12週間ごとに実施した。主要評価項目は、局所的に評価した無増悪生存期間(PFS)とした。あらかじめ計画された中間解析は、全集団で243件のPFSイベントが発生した後に実施された。

 

本日、研究者らは、地理的地域(患者68名)および人種(患者51名)で分類したアジア人患者のサブグループ分析に関する所見を発表した。以前の報告のとおり、リボシクリブとレトロゾールの併用により、全集団でPFSが44%有意に延長された。この改善は、地理的地域(PFSの70%延長)あるいは自己申告の人種(PFSの61%延長)による分類とは無関係に、アジア人患者でも観察された。リボシクリブとレトロゾールの併用療法は、アジア人患者において、忍容性が良好であり、全集団で観察されたものと同様の安全性プロファイルを示した。

 

Yap医師は言う。「一次治療としてのリボシクリブ+レトロゾール併用は、HR陽性、HER2陰性の進行乳がんを有する閉経後アジア人女性において、プラセボ+レトロゾールと比較して有意にPFSを延長させ、許容できる安全性プロファイルを示しました。この臨床試験は、リボシクリブ+レトロゾール併用が、アジア人患者を含め、HR陽性進行乳がんの一次治療として有効であることを示しています」。

 

シンガポール国立大学がん研究所(NCIS)、血液腫瘍科シニアコンサルタントのSing-Huang Tan医師は、この所見に関して、「乳がんの発症率は、東アジアおよび東南アジア諸国で過去20年間に増加しています。特定の薬剤では、薬物動態学および薬力学に関して人種による差異があることはよく知られています。したがって、国際的な臨床試験で試験集団としては小集団となることが多いアジア人患者を対象として、新規乳がん治療薬の有用性と安全性を評価する必要性があります」と述べている。

 

Tan医師は続けて、「このあらかじめ定義されたサブグループ解析は、欧米人から得られたデータを裏づけるとともに、リボシクリブ+レトロゾール併用がアジア人にも有効であるというさらなるエビデンスを提供しています。これにより、すでに利用可能となっているさまざまな療法に加えて別の選択肢があることを明らかにし、さらに、依然として内分泌療法が適正とみなされているがためにかえって重い負担を強いられている人々に新たな併用療法の選択肢を提供できる可能性があります」と話している。

 

Tan医師は、「薬剤の価格と入手可能性が、特にアジアの一部の地域では障壁となるかもしれませんが、この併用療法の利用は、われわれの診療を変える可能性があり、また、患者選定を向上させる特定のバイオマーカーに関するエビデンスがあれば有用でしょう。他の分子標的薬との併用の有用性、CDK4/6阻害薬への抵抗性について考えられる機序、アジア人および欧米人両者のHER2陽性進行乳がん患者を対象としたこのグループの薬剤の役割に関する研究も必要です」と結論づけた。

翻訳石塚啓司

監修廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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