直腸がん、術前化学放射線療法から手術まで12週で効果増 | 海外がん医療情報リファレンス

直腸がん、術前化学放射線療法から手術まで12週で効果増

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

直腸がん、術前化学放射線療法から手術まで12週で効果増

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

直腸がんに対する介入の間隔を従来より長くすると、より一層のダウンステージが可能になることを研究者らが確認した。

 

2016年10月9日、デンマークのコペンハーゲンで開催した欧州臨床腫瘍学会(ESMO) 2016年総会で報告された前向きランダム化試験の新しい知見では、局所進行性直腸がん患者に対し、術前化学放射線療法終了から手術までの待機期間を長くすると、病理学的完全寛解率(pCR)が上がり、腫瘍がダウンステージする患者の割合が高くなることがわかった。

 

英国ロンドンのRoyal Marsden Hospital NHS Foundation Trust大腸外科、Jessica Evans医師によると、腫瘍のより一層のダウンステージと縮小により、括約筋温存率を上げ、局所コントロールが改善するとのことである。Evans医師と共同研究者らが実施した今回の前向きランダム化多施設試験は、局所進行性直腸がん患者に対し、より一層の直腸がんダウンステージと腫瘍縮小を可能にするためには、術前化学放射線療法と手術の間隔として6週間もしくは12週間のどちらが適しているかを判断するための試験である。

 

本試験には、化学放射線療法後に手術を受ける局所進行性直腸がん患者237人が組み入れられた。化学放射線療法とその後に行う手術との間が6週間間隔群122人と、12週間隔群115人へ無作為に割り付けた。

 

12週間群の患者の多数は、ダウンステージができた。

 

2つの群間で、ダウンステージできた患者の割合とpCR率について差があることを確認した。ダウンステージできた患者の割合は、12週間隔群患者(58%)のほうが、6週間隔群患者(43%)より高かった( p = 0.019)。

 

間隔が長い方が、pCR率も改善し、12週間隔群では20%であったのに対し、6週間隔群では9%であった(p < 0.05)。さらに、12週間隔群でより多くの患者が、MRIによる腫瘍縮小グレード(mrTRG)1または2であった。12週間隔群でmrTRG1-2が52%に対し、6週間隔群では34%であった(p < 0.05)。

 

結論

著者らは、術前化学放射線療法と手術の間隔について、12週間という長めの間隔を推奨しており、それによって、かなり大幅なダウンステージ、病理学的完全寛解率の改善、磁気共鳴腫瘍縮小グレードの改善を達成できると述べている。術前療法後の病理学的完全寛解およびmrTRGの判定は、無病生存率の代替評価項目として認められているため、最大限腫瘍縮小前に手術を実施してしまうと、局所進行性直腸がん患者に不利益となる可能性もある。著者らは、寛解率や進行のMRI評価を4~6週目に実施した場合にのみ、標準的である6~8週間間隔を12~14週間間隔に安全に変更できると述べている。

 

本研究は、Biomedical Research Centreの助成金を受け、Royal College of Surgeons of England Research Fellowshipの支援を受けた。

 

参考文献:

452O

Results of a prospective randomised control 6 vs 12 trial: Is greater tumour downstaging observed on post treatment MRI if surgery is delayed to 12-weeks versus 6-weeks after completion of neoadjuvant chemoradiotherapy?

6週vs12週の前向きランダム化比較試験結果:術前化学放射線療法完遂後の手術するタイミングを12週または6週にするかでMRI上、腫瘍のダウンステージにどの位大きな影響を与えるか?

  1. Evans, J. Bhoday, B. Sizer, P. Tekkis, R. Swift, R. Perez, D. Tait, G. Brown

 

原文掲載日

翻訳松川深玲

監修東 光久(総合診療、腫瘍内科、緩和ケア/福島県立医科大学白河総合診療アカデミー)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1がんに対する標的光免疫療法の進展
  2. 2アルコールとがんについて知ってほしい10のこと
  3. 3BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  4. 4個別化医療(Precision Medicine)に...
  5. 5専門医に聞こう:乳癌に対する食事と運動の効果
  6. 6ルミナールAタイプの乳がんでは術後化学療法の効果は認...
  7. 7アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  8. 8リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  9. 9非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  10. 10治療が終了した後に-認知機能の変化

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 五十音 アルファベット 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他