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レンバチニブはRET陽性肺腺がん患者で有効

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レンバチニブはRET陽性肺腺がん患者で有効

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

効果は約半数の患者で持続

 

デンマーク・コペンハーゲンにて10月9日開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2016総会で発表された第2相試験の結果によると、RET融合に対して効果を示すマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブによって、RET融合陽性肺腺がん患者で病勢コントロール率(DCR)が76%となり、臨床的有益性が認められた。

 

RETキナーゼを活性化させるRET融合は肺腺がん患者の約1%〜2%に認められることから、米国クリーブランド州クリーブランドクリニックのTaussig Cancer Instituteに属するVamidhar Velcheti氏らは、非盲検第2相試験にてRETに効果を示すマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブの有効性を検討した。

 

同試験では、RET陽性肺腺がん患者25人を登録し、疾患進行や容認できない毒性が認められるまで、28日間のサイクルでレンバチニブ24 mgを1日1回投与した。RETを標的とした治療を受けたことのある患者など、治療歴のある患者を登録に適格とした。

 

同試験の主要評価項目は客観的奏効率(ORR)とし、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、完全奏効(CR)+部分奏効(PR)+安定(7週間以上持続するSD)と定義した病勢コントロール率(DCR)、CR+PR+持続的SD(23週間以上持続するSD)と定義した臨床的有用率(CBR)および安全性とした。

 

大半の患者で腫瘍縮小

 

RET陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者25人のうち、13人でKIF5B-RET融合、12人でその他のRET融合が認められた。2人(8%)のみが治療歴なし、15人(60%)が二次治療以上の治療歴あり、7人(28%)がRET治療歴ありであった。同コホートの喫煙状況としては、16人(64%)が非喫煙者、1人(4%)が現喫煙者、7人(28%)が元喫煙者、1人(4%)が状況不明であった。

 

半数近くの患者(48%)で持続的奏効が認められた。主要評価項目であるORRは16%であり、主に4人で確認されたPRから成る。DCRは76%(19人)であった。これらのうち、12人で23週間以上奏効が持続し、CBRは48%であった。

 

全体的な試験群のPFS中央値は7.3カ月、95%信頼区間(CI)3.6〜10.2カ月であった。OS中央値は検出できず、95% CI 5.8カ月〜評価不能であった。

 

サブグループ解析では、RET治療歴のある7人で最大の奏効が認められた。同コホートでは、ORRは14%、DCRは86%、CBRは57%、一方RET阻害剤投与歴のない患者ではそれぞれ、17%、72%、44%であった。

 

レンバチニブの許容可能な安全性プロファイル

 

最も多く報告された´治療下で発現した有害事象’(TEAE)は、高血圧(68%)、嘔気(60%)、食欲減退および下痢(各52%)、尿蛋白(48%)、嘔吐(44%)であった。

 

グレード3以上のTEAEは、23人(92%)で報告された。投与中止を必要とするTEAEは5人(20%)、投与量減量を必要とするTEAEは16人(64%)、投与中断を必要とするTEAEは19人(76%)で発現した。

 

有害事象によって3人が試験中に死亡した。そのうち、肺炎による死亡1件は、レンバチニブと関連するかもしれないと考えられた。

 

本試験結果について論じているEnriqueta Felip氏によると、RET融合は肺腺がんの1%〜2%で検出される。KIF5B、CCDC6、NCO4およびTRIMM33などのいくつかの遺伝子は、融合パートナーとして作用する。レンバチニブは、VEGFR1-3、FGFR1-4、PDGFR-alpha、RETおよびKITがん原遺伝子の経口マルチキナーゼ阻害剤である。現在、臨床試験で用いられている特定のRET阻害剤はない。多くのその他のRET阻害物質は、その他のチロシンキナーゼを標的として最初にデザインされていた。RET陽性患者において、バンデタニブ、cabozantinib[カボザンチニブ]、レンバチニブ、ポナチニブ、アレクチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、dovitinib[ドビチニブ]の効果が認められている。

 

バンダチニブ、レンバチニブおよびカボザンチニブの効果が第2相試験で認められている。RET再配列肺がん患者においてRETを標的とするということに関して、世界規模での登録による結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO) 2016年次総会で報告された。第2相試験中のRET阻害剤について、EGFR変異/ALK患者よりも低いRRを伴うRET再配列NSCLC患者グループで効果が認められた。Felip氏は、腫瘍生物学の理解を深めることや新しい治療戦略が必要であると強調した。実施中/計画中の臨床試験には、同患者集団を対象としたapatinib[アパチニブ]、カボザンチニブ、ポナチニブおよびアレクチニブの試験がある。

 

結論

 

試験責任医師らは、レンバチニブがRET陽性NSCLC患者で有望な臨床的効果を示し、大半の患者で腫瘍が縮小して疾患をコントロールできたと結論づけた。試験責任医師らによると、毒性は用量調整によって大半の患者で管理できた。

 

これらの結果は、レンバチニブをRET陽性NSCLC患者の治療選択肢とする上での根拠となる。

 

参考文献

1204PD

Phase 2 study of lenvatinib (LN) in patients (Pts) with RET fusion-positive adenocarcinoma of the lung

 

V. Velcheti, T. Hida, K.L. Reckamp, J.C. Yang, H. Nokihara, P. Sachdev, K. Feit, T. Kubota, T. Nakada, C.E. Dutcus, M. Ren, T. Tamura

原文掲載日

翻訳仲里芳子

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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