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フルベストラントが進行乳がんのPFSを改善

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フルベストラントが進行乳がんのPFSを改善

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

ホルモン受容体陽性進行乳がん、特に病勢が急速ではなく腫瘍量の少ない患者において、フルベストラントは有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが、コペンハーゲンで開催された2016年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会で報告された。

 

フルベストラントは、選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター、つまり、アナストロゾールなどのアロマターゼ阻害剤とは違い、ホルモン受容体の機能に作用する。エストロゲン濃度自体を下げるものではない。

 

この多施設共同ランダム化二重盲検第3相試験には、ホルモン療法による治療歴のない、手術不能の局所進行または転移性ホルモン受容体陽性、HER陰性乳がん女性462人が登録された。

 

患者の半数(230人)を、フルベストラント500mgを筋肉内注射する群(0日目、14日目、28日目、その後は28日毎)、残りの半数(232人)を、アナストロゾール1mgを毎日投与する群に無作為に割り付けた。両群とも、1レジメンの化学療法歴が認められた。

 

中央値で25カ月の観察期間の後、フルベストラント群では、アナストロゾール群と比較して、無増悪生存期間(PFS)で21%の統計的に有意な改善を認めた(16.6カ月対13.8カ月、P=0.048)。

 

なお、サブグループ解析では、ベースライン時に肝臓または肺への転移がみられなかった患者では、無増悪生存期間(PFS)により大きな影響を示した(22.3カ月対13.8カ月)。

 

「内臓転移がなく、乳がんによって直ちに生命の危機にさらされることのない患者にとって(このような患者の主治医は一般的に最初の治療法として内分泌療法を選択すると考えられる)、フルベストラントはアナストロゾールに対し、新たな標準治療となる可能性があります」と、本試験の責任医師であり、米国、テキサス州ヒューストンにあるLester and Sue Smith Breast Center、ベイラー医科大学のMatthew Ellis氏は述べた。

 

両群で健康関連QOLは同等であり、最も高頻度に認められた有害事象は、フルベストラント群、アナストロゾール群でそれぞれ、関節痛が16.7%対10.3%、顔面紅潮が11.4%対10.3%であった。

 

「フルベストラントはアナストロゾール同様忍容性があり、このセッティングで用いられる可能性のある化学療法やCDK4/6阻害剤などの他の薬剤よりも適しています」とEllis氏は述べた。

 

「高齢者や腫瘍量の少ない患者など、毒性の軽い治療法を探している患者において、フルベストラントは良い選択肢であると思われます」。

 

アナストロゾール群と比較して、フルベストラント群では、治療に対する奏効期間が有意に長いことも認められた。このことにより、Ellis氏が示唆した無増悪生存期間(PFS)の延長について説明できる可能性がある。

 

本試験について、英国、ロンドンにある英国がん研究所のチームリーダーでロイヤルマースデン病院の腫瘍内科医のNicholas Turner氏は、この結果は、最も一般的な病態の乳がんの治療における重要な進歩を示しており、治療の早い段階でフルベストラントを使用することに有益性がある可能性を示唆していると述べた。

 

「しかし、この新しい知見を日常診療の段階に進めるのを難しくする要因が2つあります。まず、本試験は、ホルモン治療歴のない患者だけが対象ですが、進行乳がん患者の多くは、原発性乳がんに対するホルモン治療歴があります」とTurner氏は述べた。

 

「次に、本試験がデザインされて以降、これらの女性に対する標準治療は、同様の患者群に対し現在米国で承認されているCDK4/6阻害剤palbociclib[パルボシクリブ]とアロマターゼ阻害剤との併用に移行しています。今後の試験で、進行乳がん女性に対する最適な治療順序が明らかになるでしょう」。

原文掲載日

翻訳生田亜以子

監修下村昭彦(乳腺・腫瘍内科/国立がん研究センター中央病院)

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