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ペムブロリズマブ、PD-L1高発現肺がんの一次治療に

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ペムブロリズマブ、PD-L1高発現肺がんの一次治療に

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

コペンハーゲンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)とNew England Journal of Medicine誌に発表された第3相KEYNOTE-024試験の結果によると、ペムブロリズマブは、PD-L1が高発現した進行肺がん患者の一次治療としての新たな選択肢になりつつある。

 

ドイツ・グロースハンスドルフ肺クリニック(Lung Clinic Grosshansdorf)胸部腫瘍科の腫瘍内科長で試験主著者のMartin Reck教授は「ペムブロリズマブは、腫瘍細胞にPD-L1が発現した進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する二次治療として承認されているPD-1抗体です。KEYNOTE-024試験は、PD-L1高発現患者を対象に、一次治療としてのペムブロリズマブの初めての第3相試験です。進行NSCLC患者の27~30%でPD-L1が高発現しています」と述べた。

 

KEYNOTE-024試験は、PD-L1が高発現(腫瘍細胞の50%以上で発現と定義)した未治療進行NSCLC患者を対象に、ペムブロリズマブの有効性をプラチナベースの標準化学療法と比較検討した。EGFR活性型変異とALK転座がある患者は登録から除外した。「こうした患者には、化学療法より良い治療選択肢に対する相当のニードがあるのです」、とReck教授は述べた。

 

この試験には16カ国から患者305人が登録され、ペムブロリズマブまたは化学療法に1対1でランダム化された。化学療法群で進行した患者は二次治療としてペムブロリズマブにクロスオーバーできることとし、患者の44%が投与を受けた。

 

その結果、ペムブロリズマブは化学療法に比較して主要評価項目である無増悪生存期間を約4カ月有意に延長した(10.3カ月対6.0カ月、ハザード比[HR]0.50)。副次評価項目である全生存期間も有意に延長し、6カ月時生存はペムブロリズマブ群患者が80%、化学療法群は72%であった(HR=0.60)。

 

「病勢進行後に患者の40%以上が対照群からペムブロリズマブにクロスオーバー(乗り換え)したことを考えると、ペムブロリズマブによる全生存期間の有意な延長は驚くほどです」、とReck教授は述べた。

 

ペムブロリズマブは、化学療法に比較して全奏効率が高く(45%対28%)、奏効期間が長く、全有害事象と重篤な有害事象(3/4)の発現が低かった。

 

「このデータは、進行NSCLC患者の治療を根本的に変えるでしょう」とReck教授は述べた。「有効性と忍容性に関する評価項目はすべてペムブロリズマブが良好なので、進行NSCLCでPD-L1高発現患者の一次治療として標準治療の1つとすべきでしょう。これは、主にがん遺伝子変異がない患者に対する治療選択肢です。変異がある患者に対してはさらに詳しい情報が必要です」。

 

Reck教授の結論:「これは、進行NSCLCの30%にみられるPD-L1高発現患者にとって画期的な試験です。新しい治療アルゴリズムではPD-L1発現検査も診断時に行ってペムブロリズマブによる一次治療が有効な患者を特定しなければなりません」

 

この結果に対するコメントとして、ベルギーのルーヴァン・カトリック大学の内科教授であり、同大学病院呼吸器腫瘍内科の腫瘍内科長であるJohan Vansteenkiste教授は述べた:「この試験は、進行NSCLC患者の現在の診療を変えるかもしれません。現在の標準一次治療であるプラチナ・ダブレット化学療法(プラチナ2剤)の無増悪生存期間を延長したのは初めてなのです」。

 

「KEYNOTE-024試験が他の試験とは違って主要評価項目を達成した理由は、PD-L1を少なくとも50%発現した患者のみを対象とし、これらがペムブロリズマブ治療に最適な候補患者だったからでしょう。

 

PD-L1高発現患者を対象とした確認試験が必要です」とVansteenkiste教授は続けた。「さらに、PD-L1低発現患者にもペムブロリズマブが化学療法より有効かどうかを調べる試験を行う必要があります」。

原文掲載日

翻訳久保 優子

監修久保田 馨(呼吸器内科/日本医科大学付属病院 がん診療センター)

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