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セリチニブが非小細胞肺がんの無増悪生存期間を延長

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セリチニブが非小細胞肺がんの無増悪生存期間を延長

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

コペンハーゲンで開催された欧州臨床腫瘍学会2016年次総会(ESMO2016)で本日発表されたASCEND-5第3相臨床試験の結果によると、クリゾチニブ治療歴のあるALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者において、セリチニブは化学療法よりも無増悪生存期間を延長する。

 

「非小細胞肺がん(NSCLC)患者には、一次治療として、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬クリゾチニブが投与されると思いますが、大半の患者はクリゾチニブに耐性ができ、二次治療としては現在、化学療法しかない状況です」と、本論文の筆頭著者で、イタリアのトリノ大学腫瘍学部部長であるGiorgio Scagliotti教授は語った。

 

「本試験は、第2世代ALK阻害薬セリチニブが、NSCLCにおけるクリゾチニブ療法後の進行に対して化学療法よりも優れているかどうかを評価する初の第3相試験でした」と、同氏は続けた。

 

非盲検ASCEND-5試験には、クリゾチニブを投与したNSCLC患者232人を登録した。患者を1対1の割合で、セリチニブ投与群または化学療法群(ペメトレキセドまたはドセタキセル)に無作為に割り付けた。病勢進行により化学療法を中止した患者は、セリチニブに転向することができた。主要評価項目は無増悪生存期間で、盲検化された独立レビュー委員会によって評価された。

 

無増悪生存期間の中央値は、セリチニブが化学療法と比較して有意に延長した(5.4カ月対1.6カ月、ハザード比[HR]0.49、p<0.001)。セリチニブは化学療法と比較して全奏効率が上昇した(39.1%対6.9%)。化学療法と比較してセリチニブの全生存期間の延長はなかった。

 

病勢進行のために化学療法を中止した患者のうち、75人がセリチニブに転向した。

 

「セリチニブの無増悪生存期間は、化学療法と比較して有意に延長しました。セリチニブで全生存期間の延長は認められませんでした。おそらく、セリチニブに転向した患者により、潜在的有効性が目立たなくなったからでしょう」と、Scagliotti氏は語った。

 

セリチニブを投与した患者には、第1相試験、第2相試験で認められたのと同様の毒性があった。セリチニブで最も多かったグレード3または4の有害事象は、悪心(7.8%)、嘔吐(7.8%)、下痢(4.3%)であったのに対して、化学療法では、好中球減少症(15.5%)、倦怠感(4.4%)、悪心(1.8%)であった。セリチニブは、化学療法と比較して、患者からの報告による、肺がん特有の症状および全般的な健康状態などの転帰を有意に改善した(p<0.05)。

 

「本試験により、クリゾチニブが奏効しなくなった後の新たな治療方針が展開されます。いまや、一次治療でクリゾチニブを投与開始して、二次治療でセリチニブに移行するという一連の有効薬剤投与が理にかなっていると言えるでしょう」と、Scagliotti氏は語った。

 

本試験に対するコメントとして、米国ボストンにあるマサチューセッツ総合病院がんセンター胸部腫瘍科長Alice Shaw医師は次のように話した。「この試験は、現時点で標準一次治療薬であるクリゾチニブが奏効しなくなったALK融合遺伝子陽性肺がん患者において、第2世代ALK阻害薬を二次治療の化学療法と比較検証する初のランダム化試験です」。

 

「単群試験では、セリチニブおよびアレクチニブが、クリゾチニブが奏効しなくなった後の二次治療として標準選択肢となる可能性があると示唆されてきました。しかし、この第3相試験で無増悪生存期間にプラス効果があったことは、第2世代ALK阻害薬の使用に、標準化学療法を上回るより大きな利益があることを立証しています。これにより、転移性ALK融合遺伝子陽性肺がん患者に対して、クリゾチニブ治療後に第2世代ALK阻害薬を続けて使用することが標準治療として確立されるでしょう」とShaw氏は続けた。

 

「われわれは今、第2世代ALK阻害薬セリチニブ(対化学療法)、および、アレクチニブ(対クリゾチニブ)を一次治療の設定で検証する試験の結果を待っています。後者の試験は、この分野で最も根本的な課題、すなわち、患者に最初に投与すべきALK阻害薬はどれかという課題に取り組んでいます」と、同氏は結論づけた。

 

 

参考文献:
Abstract LBA42_PR ‘Ceritinib vs chemotherapy (CT) in patients (pts) with advanced anaplastic lymphoma kinase (ALK)-rearranged (ALK+) non-small cell lung cancer (NSCLC) previously treated with CT and crizotinib (CRZ): results from the confirmatory phase 3 ASCEND-5 study,‘will be presented by Dr Giorgio Scagliotti during the Proffered Paper Session NSCLC, metastatic 1 on Sunday, 9 October 2016, 11:00 to 12:30 (CEST) in Room Copenhagen.

原文掲載日

翻訳有田香名美

監修廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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