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トラベクテジンが進行軟部肉腫の無増悪生存期間を改善

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トラベクテジンが進行軟部肉腫の無増悪生存期間を改善

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

ESMO2016: 有効性の評価では、脂肪肉腫・平滑筋肉腫患者でトラベクテジンに対する反応が最も高かった。

 

デンマークのコペンハーゲンで開催されたESMO 2016年総会において、10月8日、報告された第3相試験結果によると、脂肪肉腫・平滑筋肉腫と非脂肪肉腫・平滑筋肉腫の両組織型を含む進行軟部肉腫患者のうち前治療後に進行した患者において、トラベクテジン治療後の無増悪生存(PFS)は、支持療法(best supportive care)を受けた同疾患患者よりも延長したことが明らかになった。

 

トラベクテジンは、前治療歴のある進行軟部肉腫患者において単剤で活性を示し、ヨーロッパでは2007年以降本疾患を適応症として承認されているが、フランス、ヴィルジュイフのギュスターヴ・ルシー研究所内科Axel Le Cesne医師によると、すべての組織型の肉腫患者を含むランダム化試験でトラベクテジンと支持療法との比較は行われていなかった。

 

French Sarcoma Group のLe Cesne医師らは、T-SAR 試験において、進行軟部肉腫患者に対する二次以降の治療として、トラベクテジンの有効性、安全性、および生活の質(QOL)を支持療法と比較評価した。

 

T-SARは多施設共同ランダム化第3相試験であり、組織学的に進行軟部肉腫と証明され、少なくとも1種類のアントラサイクリン系レジメンの後に進行し、前化学療法歴は3レジメン未満である18歳以上の成人患者103人が登録された。

 

1個以上の測定可能ベースライン病変(RECIST v.1.1)を有する脂肪肉腫・平滑筋肉腫および非脂肪肉腫・平滑筋肉腫の組織型に基づいて患者を層別化した。患者の60.2%が脂肪肉腫・平滑筋肉腫、39.8%が非脂肪肉腫・平滑筋肉腫であった。

 

患者はWHO全身状態スコアが0または1で、血液機能および肝機能が正常であることが求められた。

 

トラベクテジン1.5 mg/㎡の24時間静脈内投与(24h CI)を21日周期で行う群(52人)または支持療法群(51人)に患者を無作為割付し、進行、忍容不能な毒性、あるいは患者の要求があるまで治療を行った。

 

支持療法を受けた患者は、進行後のトラベクテジンへの切り替えが認められた。

 

主要評価項目は無増悪生存で、無作為割付から進行またはすべての理由による死亡までの期間と定義された。

 

トラベクテジンは無増悪生存(PFS)を有意に延長することが示された。

 

88症例の進行が観察された後、PFSについてデータを解析した。

 

無作為割付からのPFSの中央値は、トラベクテジン群が2倍であった。BSC群ではPFSの中央値が1.51カ月であったのに対し、トラベクテジン群では3.12カ月であった[ハザード比 (HR) 0.39; 95% 信頼区間 (CI) 0.26, 0.63 (p < 0.0001)]。

 

脂肪肉腫・平滑筋肉腫患者でより高いトラベクテジンの効果が示され、PFSの中央値はトラベクテジン群で5.13カ月であったのに対し、支持療法群では1.4カ月であった[HR 0.29; 95% CI 0.15, 0.55 (p < 0.0001)]。

 

非脂肪肉腫・平滑筋肉腫コホートでは、PFSの中央値がトラベクテジン群と支持療法群でそれぞれ1.81カ月と1.51カ月であった[HR 0.60; 95% CI 0.29, 1.26 (p = 0.18)]。

 

結論

著者らは、本試験のあらかじめ計画されたPFS分析により、さまざまな組織型の、前治療歴を有する進行軟部肉腫患者においてトラベクテジンは支持療法よりもPFSの中央値を有意に改善し、本試験の主要評価項目を満たすことが示されたと結論した。

 

脂肪肉腫・平滑筋肉腫コホートでトラベクテジンの大きな効果が観察された[支持療法群とトラベクテジン群のPFS中央値はそれぞれ1.4カ月と5.13カ月(HR: 0.29, p < 0.0001)]。一方、非脂肪肉腫・平滑筋肉腫コホートではPFSの中央値が1.51カ月と1.8カ月と統計的に有意差はなかった。

 

参考文献:
1396O
Results of a prospective randomized phase III T-SAR trial comparing trabectedin vs best supportive care (BSC) in patients with pretreated advanced soft tissue sarcoma (ASTS)
A. Le Cesne, J.-Y. Blay, D. Cupissol, A. Italiano, C. Delcambre, N. Penel, N. Isambert, C. Chevreau, E. Bompas, F. Bertucci, L. Chaigneau, S. Piperno-Neumann, S. Salas, M. Rios, C. Guillemet, J.-O. Bay, I.L. Ray-Coquard, O. Mir, L. Haddag, S. Foulon

原文掲載日

翻訳工藤章子

監修遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/国立がん研究センター中央病院)

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