ニボルマブ、進行肺がん一次治療では患者選択が必要ーCheckMate 026 | 海外がん医療情報リファレンス

ニボルマブ、進行肺がん一次治療では患者選択が必要ーCheckMate 026

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ニボルマブ、進行肺がん一次治療では患者選択が必要ーCheckMate 026

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

腫瘍細胞にPD-L1を発現する広範な患者集団を対象としたCheckMate 026試験は、ネガティブな結果となった。進行肺がんにおいて、ニボルマブを用いた一次治療で化学療法のみよりも無増悪生存期間(PFS)を延長させるためには、対象患者のさらなる選択が必要となる可能性がある。本試験の結果は、コペンハーゲンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2016年総会で発表された。

 

筆頭著者である米国フロリダ病院がん研究所(Florida Hospital Cancer Institute) 、Executive Medical Director の Mark A. Socinski氏は「ニボルマブは、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした第3相試験において、ドセタキセルと比較し、全生存期間(OS)を延長したことで、進行NSCLCの二次治療における標準治療となっています」と述べた。

 

また、「一次治療としてニボルマブを投与した第1相試験では、腫瘍細胞のPD-L1発現が1%以上認められた進行NSCLC患者において好ましい奏効率が示されました」と続けて述べた。

 

第3相CheckMate 026試験では、PD-L1発現陽性(腫瘍細胞の1%以上に発現と定義)の進行NSCLC患者を対象に、ニボルマブ単剤療法とプラチナ二剤併用療法とを比較し、一次治療の有効性を検証した。なお、分子標的治療に対して感受性が認められるEGFR活性化変異およびALK転座を有する患者は除外された。主要評価項目は、腫瘍細胞の5%以上にPD-L1が認められる患者の無増悪生存期間(PFS)とし、独立放射線評価委員会が評価した。

 

全患者541人がニボルマブ群と化学療法群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。化学療法群で疾患進行が認められた患者は、二次治療でニボルマブへの切り替えが可能であった。

 

PD-L1発現5%以上の患者423人において、無増悪生存期間(PFS)は、ニボルマブ群4.2カ月に対し、化学療法群5.9カ月(ハザード比[HR] 1.15, 95%信頼区間[CI] 0.91~1.45, p=0.25)であり、全生存期間(OS)はそれぞれ14.4カ月、13.2カ月(HR 1.02, 95%CI 0.80~1.30)であった。すべての既治療患者において、治療関連の有害事象は、ニボルマブ群71%、化学療法群92%に認められ、重篤な治療関連有害事象はそれぞれ18%、51%に認められた。

 

Socinski氏は「ニボルマブに新たな安全性の徴候は認められず、化学療法と比べ低毒性でした」と述べ、続けて「無増悪生存期間(PFS)に関する不本意な結果において考え得る理由はいくつかあります。全生存期間(OS)について言うと、化学療法から免疫療法へ治療を切り替えた患者の割合が高かったことが挙げられます。化学療法群における全生存期間は、これまでの標準治療よりも良い結果が得られました。これは患者に女性やアジア人の割合が多かったことに起因する可能性があります。本試験で得られた結果を評価するためさらに分析しています」と述べた。

 

また、「プラチナベースの化学療法は、患者の延命および症状の緩和が可能であるため、標準的な一次治療です。プラチナベースの化学療法に代わり、一次治療として免疫療法を選択するためには、どの患者がより良い利益を得られるかについて高い信頼性をもって識別する必要があります」と話し、

 

「免疫療法の併用によって、一次治療を選択し利益を得る患者の割合が増える可能性があり、第3相CheckMate 227試験では、ニボルマブとイピリムマブの併用療法による一次治療と標準的な化学療法との比較試験を実施しています」と締めくくった。

 

ベルギーのルーベン・カトリック大学内科教授およびルーベン・カトリック大学病院呼吸器腫瘍科、腫瘍科医長であるJohan Vansteenkiste教授は、上記の結果について、「本試験でニボルマブ群と化学療法群を比較した結果、ニボルマブ群における無増悪生存期間(PFS)の改善は認められませんでした。私の見解として、本試験に参加した患者のPD-L1発現率はわずか1%以上という低閾値であり、広範な患者集団であったことが原因と考えます。プラチナ製剤との標準的な二剤併用化学療法での一次治療の場合、無増悪生存期間(PFS)は 6カ月であり、それを超えるには、どの患者にニボルマブを投与するかを、より厳密に選択する必要があるかもしれません」と発言した。

「ニボルマブによる治療に適している患者を見分けるためのバイオマーカーとしてPD-L1をどのように活用できるかをさらに研究する必要があります。また、NSCLC患者を対象とした第1相試験で単剤による免疫療法と比較し、免疫療法の併用において奏効率や予後の改善が示されましたが、毒性が強くなるというデメリットも認められました。そのため、この治療方針についてさらに検証をすることが重要です」とまとめた。

原文掲載日

翻訳宮原和子

監修吉松由貴(呼吸器内科/飯塚病院)

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