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ニボルマブは転移性頭頸部がん患者の症状を緩和

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ニボルマブは転移性頭頸部がん患者の症状を緩和

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

再発性/転移性頭頸部がんの治療において、ニボルマブは機能を維持したまま症状を緩和することが、コペンハーゲンで開催された2016年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会およびNew England Journal of Medicine誌で発表された。この結果はCheckMate141試験による。

 

CheckMate141は、ランダム化非盲検第3相試験であり、プラチナ製剤抵抗性、再発性頭頸部がん患者361人を対象に、ニボルマブまたは標準化学療法(メトトレキサート、ドセタキセル、セツキシマブから医師が選択)のいずれかでの治療を行った。既報のとおり、ニボルマブは平均2.5カ月全生存期間を延長した。

 

試験責任医師らは、本日初めて機能状態や症状などの患者報告アウトカムの結果を発表した。本解析には、治療期間中のベースライン時、9週目、それ以降は6週間ごとに患者129人が回答した質問票を用いた。質問事項は、生活における役割(仕事など)を果たすための身体機能や心理的、認知的、社会的健康状態に関するものであった。疲労、悪心、疼痛、呼吸困難などの症状についての質問もあった。全般的な健康状態について、総合スコアが計算された。

 

それぞれの治療群において、質問票の結果は、ベースライン時から9週目および15週目まで追跡した。試験責任医師らは、あらかじめ定義した、臨床的に関連があると判断するスコアの差(7ポイント差の領域もあれば10ポイント差の領域もある)を用いて、9週および15週の時点での両治療群間における結果も比較した。

 

ニボルマブ投与群の患者では、ベースライン時と比較して、9週および15週の時点で、機能および症状のどちらも維持あるいは改善もみられた。対照的に、標準化学療法群の患者では、ベースライン時と比較して、9週および15週の時点で、すべての領域においてスコアが悪化していた。

 

試験責任医師らは、9週および15週の時点で両治療群間でのスコアを比較し、機能および症状領域のほとんどで、ニボルマブは標準化学療法に対し臨床的に有意な有益性を示すことを明らかにした。

 

「ニボルマブは、標準化学療法と比較し、生存期間を延長するだけではなく、機能を維持させ、症状を緩和します」と、本試験の筆頭著者で、英国、ロンドンにある英国がん研究所の放射線治療および画像診断部門の共同責任者、ロイヤルマースデンNHS財団トラストの顧問臨床腫瘍医のKevin Harrington教授は述べた。

 

「われわれは、このような結果となった理由を解明するため、データを掘り下げる必要があります」と同教授は続けた。「このデータは、患者報告アウトカムを安定させるというニボルマブの優れた臨床効果を示唆していますが、さらに、ニボルマブは生活の質に悪影響を及ぼす可能性のある副作用が少なく、患者に優しい治療である可能性もあるのです」。

 

「われわれは、利益を得るためには苦痛が必要だと考えてきました。そのため患者に、よりよい治療効果を得るためにより強い毒性を受け入れてもらえるように説明しなければなりません」とHarrington教授は述べた。「しかしニボルマブを用いた免疫療法では、化学療法を用いた場合よりも生存期間が延長し、患者は仕事や社会で活動することが可能になります。その上痛みや疲労も少ないのです。これは、患者と担当医師双方にとって有益です」。

 

本試験について、フランス、クリシーにあるBeaujon大学病院の腫瘍内科医Sandrine Faivre教授は、「本試験では、特に頭頸部がん患者を対象にデザインされた質問票を含む数種類の質問票を用いて、症状と生活の質を評価しました。頭頸部がんの腫瘍は、特有の影響をもたらすため、これは重要なことです。例えば、頸部の腫瘤は痛みがあり、食べたり話したりする機能を悪化させる可能性があります。また、目立つため社会からの孤立を引き起こす可能性もあります」と述べた。

 

「これは、免疫療法が生存期間の延長に加え、生活の質や症状の改善に対し、標準的な治療選択肢よりも優れていることを示す初めての試験です」とFaivre教授は続けた。「今では、私は自分の患者に対し、ニボルマブは日々の生活において体調や機能を改善する可能性があると説明できます」。

 

「ニボルマブは、進行頭頸部がん患者の約3分の1に効果があります。不必要な副作用や出費を防ぐことができるように、この治療が最も有益であると思われる患者を同定するためのバイオマーカーまたは生物学的診断基準が必要です」と、同教授は締めくくった。

原文掲載日

翻訳生田亜以子

監修野長瀬祥兼(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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