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custirsen、転移前立腺がんに延命効果を示さず

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custirsen、転移前立腺がんに延命効果を示さず

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

既治療の転移した去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としたcustirsenのカバジタキセル/プレドニゾン併用第3相ランダム化対照試験の結果、custirsenはカバジタキセル/プレドニゾン単独と比較して有意な延命効果を示さないことが、コペンハーゲンで開催中の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)で発表された。

 

フランス、ヴィルジュイフのグスタフ・ルッシーがん研究所(the Institut Gustave Roussy)悪性腫瘍部門長で試験責任医師のKarim Fizazi教授は、「臨床試験の結果は否定的でしたが、前立腺がんに対する今回のcustirsenの評価は、抗腫瘍活性を裏づけた確固たる前臨床あるいは臨床エビデンスに基づいて実施されたものです」と述べた。

 

Custirsenは、発がんや腫瘍増殖に関与し治療抵抗性への寄与も知られているタンパク質クラステリンの産生を阻害する。

 

転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした、custirsenと化学療法併用で実施した第2相試験では、クラステリン阻害による臨床転帰改善の可能性が示唆され、以前に行われたcustirsenとドセタキセル併用の第3相試験では、悪性度が高いがん患者において併用による利益が得られる可能性が示唆された。

 

AFFINITY試験では、ドセタキセルによる治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がん患者635人を対象として、custirsen+カバジタキセル/プレドニゾン併用、またはカバジタキセル/プレドニゾン+プラセボのいずれかを21日間サイクルで投与する群に無作為に割り付け、疾患進行、容認できない毒性、または投与10サイクルのいずれかまで治療を継続した。

 

この試験の結果、custirsen群とプラセボ群の間に全生存期間で有意差はみられず、全生存期間中央値はcustirsen群が14.2カ月、プラセボ群は13.4カ月であった(p = 0.529)。

 

予後不良の基準に該当した62%の患者でも同様の結果が認められ、全生存期間中央値はcustirsen群が11.1カ月、プラセボ群は10.9カ月であった。

 

疾患進行のため治療を中止した患者数は、custirsen群の28.9%、プラセボ群の25%と両群で同程度であり、有害事象で治療を中止した患者数はcustirsen群21.9%、プラセボ群18.9%であった。

 

重篤な有害事象で主に報告されたものは、好中球減少、貧血、疲労、無力症、骨痛、発熱性好中球減少症であった。

 

Fizazi教授は、「もちろん結果は残念でしたが、今回のプログラムに参加できて光栄に思っています。この試験から得た知見を、さらにこの疾患に対するケアを前進させることを期待して、疾患に対する知識を促進するのに活かしていきたいですね。

 

1種類の腫瘍型で効果がみられなかったからといって、他のがん種に対する臨床試験での効果が否定されるわけではないので、custirsenは非小細胞肺がんの治療で現在評価中の、引き続き有望な候補です」、と述べた。

 

本試験へのコメントとして、イタリア、ローマのサン・カミッロ・フォルラニーニ病院(San Camillo Forlanini Hospital)腫瘍内科部長Cora Sternberg氏は、「前立腺がんの治療抵抗性に対処するため、新規タキサンやチューブリン阻害薬の使用、細胞生存経路阻害など、これまでに多くのアプローチが研究されています。

 

去勢抵抗性前立腺がんに対する化学療法でタキサンを一次治療または二次治療に用いた結果から考えて、custirsenとの併用でタキサン抵抗性が低下し、タキサン治療による延命効果が高まるという仮説ができます」、と述べた。

 

「custirsenを化学療法に追加することで抵抗性に対処することには強い根拠があったのですが、残念ながら最終結果は否定的なものでした。第3相試験を開始する前に、おそらくさらに確固たる分子生物学的層別化が必要となるでしょう」、とSternberg氏は結論を述べた。

原文掲載日

翻訳久保優子

監修榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)

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