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アテゾリズマブはドセタキセルより非小細胞肺癌の生存を延長

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アテゾリズマブはドセタキセルより非小細胞肺癌の生存を延長

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

治療歴のある非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としたPD-L1阻害剤atezolizumab[アテゾリズマブ]の初めての第3相試験において、生存期間の有意な改善が標準化学療法と比較して認められたと、コペンハーゲンで開催中の2016年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会で本日報告された。

 

PD-L1阻害剤はチェックポイント阻害剤と呼ばれるがん免疫療法剤に分類され、がん細胞が免疫システムから逃れるために身につけた回避機構の一つを阻止する働きがある。

 

「免疫システムが、がん細胞を制御し、もしかしたら完全に排除できるようにすることが治療の目的なので、幅広いさまざまながんに対してアテゾリズマブを利用できる可能性があります」と試験責任医師であり、フランスのマルセイユ公立大学病院機構(the Assistance Publique Hôpitaux de Marseille)およびエクス−マルセイユ大学の集学的腫瘍科およびtherapeutic innovations部門長であるFabrice Barlesi氏は述べた。

 

OAK試験には治療歴のある非小細胞肺がん患者1225人が登録され、PD-L1の発現状況、前化学療法レジメン数および組織型に従って層別化した後に、アテゾリズマブ(1200mg を3週間ごと)あるいはドセタキセル(75mg/m2を3週間ごと)を静脈内投与する群にそれぞれ無作為に割りつけた。

 

患者850人のデータを用いた中間解析の結果、アテゾリズマブ群の患者ではドセタキセル群の患者と比較して全生存率に27%の改善が認められた(p=0.0003)。この全生存率の改善はPD-L1の発現レベルに関わらず認められ、さらにPD-L1の発現が1%未満の患者でも認められた。

 

PD-L1の発現レベルで患者を層別化した場合、PD-L1の発現が最高三分位にあった患者のうちアテゾリズマブ投与群の患者では、同じく最高三分位にあるドセタキセル投与群の患者と比較して、全生存率が59%上回っていた(P < 0.0001)。

 

しかしながら、PD-L1が全く発現していない患者においても、ドセタキセルを投与した群と比較してアテゾリズマブを投与した群では25%の有意な全生存期間の改善が認められた。同様の全生存期間の改善は、扁平上皮がんおよび非扁平上皮がんいずれの組織型の患者でも認められた。

 

「この試験はPD-L1阻害剤であるアテゾリズマブの初めての第3相試験であり、第2相試験(POPLAR試験)で認められた有効性を裏付けるもので、PD-1阻害剤の結果と同様でした」とBarlesi氏は述べた。

 

「アテゾリズマブにより、腫瘍のPD-L1発現状況にかかわらず、非小細胞肺がん患者に新たな2次治療の治療戦略がもたらされるのです」。

 

この試験に関して、ドイツのグロースハンスドルフ病院(Lung Clinic Grosshansdorf)胸部腫瘍科のMartin Reck教授は次のように述べた。「この結果は、非小細胞肺がんの治療におけるPD-L1/PD-1抗体の役割についてのとても重要な情報であり、POPLAR試験およびCHECKMATE試験で示された全生存期間における有効性を裏付けるものです」。

 

「興味深いことに、この試験ではPD-L1が発現していない患者でも全生存期間の改善が示されたことから、PD-L1陰性であることを治療の除外因子とすることには問題があるということになります」とReck教授は説明した。

 

「私が言いたいことは、おそらくPD-L1は活性を示す代用マーカーとしては不十分であろうということです。大変有用な因子ではあるのですが、治療によって効果が得られない恐れのある患者なのか、あるいは本当に効果が得られる可能性のある患者なのかを明らかにするには追加のマーカーが必要なのです」。

原文掲載日

翻訳田村克代

監修吉松由貴(呼吸器内科/飯塚病院)

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