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カボザンチニブが転移腎細胞がんの無増悪生存を改善

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カボザンチニブが転移腎細胞がんの無増悪生存を改善

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

Cabozantinib[カボザンチニブ]は、スニチニブと比較すると、転移性腎細胞がん患者における無増悪生存期間と奏効率を有意に改善するとの研究結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2016年度会議(コペンハーゲン)で本日発表された。

 

カボザンチニブは、チロシンキナーゼと呼ばれる酵素を標的とするが、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)を標的とするスニチニブとは異なり、VEGFR に加えてMETおよびAXLの作用も阻害する。

 

「MET、AXLはともに腫瘍進行に関与していると思われますが、さらに重要なことは、動物モデルで示されたとおり、スニチニブのようなVEGFR阻害剤への抵抗性がAXLとMETを介している可能性があるということです」と、臨床試験責任医師でダナファーバーがん研究所(米国、ボストン)のLank Center for Genitourinary Oncologyセンター長であるToni Choueiri氏は話す。

 

今回の多施設共同第2相試験では、治療歴がなく中間リスクまたは高リスクの淡明細胞型転移性腎細胞がん患者157人を無作為にカボザンチニブ群(1日1回60mg)とスニチニブ群(1日1回50mg、4週間投薬+2週間休薬)のいずれかに割り付けて経口投与した。

 

患者の進行または死亡までの期間中央値はカボザンチニブ群8.2カ月、スニチニブ群5.6カ月であり、カボザンチニブ群は進行または死亡のリスクが31%下がった(p=0.012)。客観的奏効率についても、カボザンチニブ群(46%)はスニチニブ群(18%)と比較して有意に高かった。

 

有害事象は、試験両群間で同程度の割合で認められ、グレード3以上の有害事象発生率はカボザンチニブ群で70.5%、スニチニブ群で72.2%であった。両群ともに最も多くみられた有害事象は、下痢、疲労、高血圧、手掌足底発赤知覚不全症候群(訳注:手足症候群と同じ)、血液学的異常で、各群16人が毒性のため治療を予定より早く中止した。

 

本試験には低リスクの患者は含まれていないが、Choueiri氏は、カボザンチニブは低リスク患者には同等の効果がないと考える生物学的根拠も臨床的根拠もないと述べた。

 

「カボザンチニブは現在、VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤治療後に病態が進行した患者に対する二次治療以降の治療薬として承認されていますが、今回のデータは、カボザンチニブは一次治療の標準治療薬となる可能性があることを示しています」とChoueiri氏は述べた。

 

本試験について、Bernard Escudier氏(フランス、Institut Gustave-Roussyの腎臓がんユニット長)は次のようにコメントした。「長年、スニチニブは転移性腎細胞がんに対して最も一般的に使用されてきた一次標準治療薬でしたが、最近、二次治療として、特にスニチニブが奏効しなくなった後、カボザンチニブが有効であることが証明されました」。

 

「明らかに、本研究は多くの問題を提起するでしょう。たとえば、今回の結果は、予後良好な患者を含む、あらゆる転移性腎細胞がん患者まで拡大して適応可能かどうか、カボザンチニブを一次治療の新たな標準治療薬とするべきかどうか、スニチニブを対照薬として現在進行中のあらゆる第3相ファーストライン試験をどのように解釈すべきか、などの問題です」。

 

Escudier氏は次のように締めくくった。「一次治療でのカボザンチニブ使用について、より完全なデータとさらなる研究が必要ですが、本研究は転移性腎細胞がん治療に対する新たな期待を大いにかき立てるものです」。

原文掲載日

翻訳山田登志子

監修榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)

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