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リボシクリブが進行乳がんの無増悪生存期間を改善

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リボシクリブが進行乳がんの無増悪生存期間を改善

欧州臨床腫瘍学会(ESMO) プレスリリース

 

レトロゾールとCDK4/6阻害薬ribociclib[リボシクリブ]の併用療法は、ホルモン受容体陽性進行乳がんの閉経後女性の無増悪生存期間を有意に改善することが、本日コペンハーゲンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)で研究者らにより報告された。

 

二重盲検ランダム化MONALEESA2試験データの最初の中間解析で、初回治療としてリボシクリブとレトロゾールを併用することにより無増悪生存期間が44%改善されることが示された。

 

「本試験は、リボシクリブをレトロゾールと併用することでレトロゾール単独よりも優れた結果が得られることを明らかにするために行った確定試験です」と、米国テキサス州ヒューストンのテキサス大学MDアンダーソンがんセンターの教授であり試験責任医師のGabriel Hortobagyi医師は述べた。

 

研究者らは、ホルモン受容体(HR)陽性、HER2陰性進行乳がんの閉経後女性で、全身療法歴がない668人を、リボシクリブ(600 mg/dayを3週間投与1週間休薬)+レトロゾール(2.5 mg/dayを連日投与)群またはレトロゾール+プラセボ群に無作為に割り付けた。

 

リボシクリブ群では、主要目的である無増悪生存期間がプラセボ群に比べて44%改善した(HR: 0.556、p = 0.00000329)。無増悪生存期間中央値は、プラセボ群で14.7カ月であったのに対し、リボシクリブ群ではデータカットオフ時点で中央値に到達しなかった。

 

「本試験の結果は、有力な原理証拠を示しており、転移性HR陽性乳がんにおけるパラダイムシフトを示唆しています。また、これらの結果は、リボシクリブをさまざまなシグナル伝達経路の他の阻害薬と組み合わせて試験を行った場合、乳がんの複数のタイプの管理にさらに進歩がみられる可能性があることも示唆しています」とHortobagyi医師は述べた。

 

ベースラインで評価可能病変が認められた患者における客観的奏効率は、リボシクリブとレトロゾールを併用したほうがレトロゾール単独よりも有意に高く(53%対37%、p = 0.00028)、それによって臨床的有用率も改善された(80%対72%、p = 0.02)。

 

重篤な有害事象は両群の5%未満に発現したが、その他の有害事象はリボシクリブ群で有意に多かった。好中球減少症がリボシクリブ群の59%に認められたのに対し、プラセボ群では1%であり、白血球減少症は21%に対して1%、リンパ球減少症は7%に対して1%であった。リボシクリブ群では、ALT(GPT、アラニンアミノトランスフェラーゼ)上昇およびAST(GOT、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)上昇の発現率が高かった。

 

本試験での死亡数は非常に低かったため、全生存率に及ぼすリボシクリブ投与の影響に関して信頼性の高い分析を行うことはできなかった。

 

知見に関するコメントとして、「本試験では、現在エストロゲン受容体陽性転移性乳がん患者に対して、palbociclib[パルボシクリブ](FDAにより承認済)とabemaciclib[アベマシクリブ](開発段階)に加えて、この新規CDK4/6阻害薬の試験も有意な結果が得られたと考えています」と、イタリア・ミラノにあるヨーロッパがん研究所のInnovative Therapies Division, New Drugs and Early Drug Development室長であるGiuseppe Curigliano教授は述べた。

 

「リボシクリブをレトロゾールに併用することにより毒性発現率が上昇しますが、臨床的有用度を評価した場合、概して、リボシクリブの併用により利益が得られるのは明らかです」とも述べている。

 

また、Curigliano教授は、併用療法に効果が認められる患者をより正確に同定するためには、さらなるリボシクリブの研究を行い、がんバイオマーカーの使用を検討する必要があることを示唆した。

原文掲載日

翻訳青山真佐枝

監修小宮 武文(腫瘍内科/カンザス大学医療センター)

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