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FDAがオピオイド過剰摂取死をふせぐアプリ開発コンペ開催

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FDAがオピオイド過剰摂取死をふせぐアプリ開発コンペ開催

FDA(米国食品医薬品局)

速報

米国食品医薬品局(FDA)は本日、2016年ナロキソン・アプリコンペティションを発表した。このコンペティションは、増加傾向にあるオピオイド過剰摂取の蔓延に対抗する、革新的技術の開発に焦点を当てた公的なコンテストである。

 

FDAはアメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)と薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)の協力のもと、過剰摂取になっているオピオイド使用者と近くにいるナロキソン(オピオイド過剰摂取に対する拮抗剤)所持者を繋げる携帯アプリを開発するため、さまざまな分野からコンピュータプログラマー、公衆衛生擁護者、臨床研究者、実業家やイノベーターを募集している。携帯アプリの開発で、適時投与を可能にし、過剰摂取を無効にする可能性を高める。

 

このコンペティションは、FDAが掲げている「オピオイド行動計画」および米国保健社会福祉省が掲げている「オピオイド・イニシアティブ」に基づいて進められており、ナロキソンを利用しやすくし、アメリカの一般家庭や地域社会におけるオピオイドの乱用、依存、過剰摂取による悪影響を減少させる具体的措置を取るために行われている。

 

「オピオイド過剰摂取による死亡例が劇的に増加している米国では、過剰摂取になっているオピオイド使用者(あるいは友人や家族など周囲の人)とナロキソンを所持している者を、迅速かつ効果的に繋げるために革新的技術の力を利用し、救命薬を投与することの必要性が増してきている」とFDA長官、Robert M. Califf医学博士は語る。「このコンペティションを通して、米国で毎年数千の命が犠牲となっている現実社会の問題に、健康に着目しているイノベーターが技術的な解決策をもたらするよう促している。」

 

SAMHSAによると、2014年には200万人近くのアメリカ人が、オピオイドの乱用もしくは依存している。さらに、オキシコドン、ヒドロコドン、モルヒネを含むオピオイド、ヘロインなどの違法オピオイド、違法に生成されたフェンタニルを含む薬物の過剰摂取による死亡者数が1999年から3倍以上に増加しており、2014年だけでも約28,000人が死亡している。過剰摂取になっている人がすぐにナロキソンの投与を受け、オピオイド過剰摂取による作用を止めるもしくは拮抗することができれば、このような死亡例の大半を阻止できた可能性がある。

 

ナロキソンは現在、アメリカでは処方された場合のみ使用可能であるが、多くの州で、第一発見者、市民団体、オピオイド使用者の友人や家族などといった一般人がナロキソンをすぐに入手しやすくするための対策を施している。実際、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、ナロキソンを提供された一般人の数は、2010年から2014年の間で約3倍に増加している。しかし、オピオイドの過剰摂取となったときにナロキソンの所持者が近くにいないこともあり得る。

 

「このコンペティションの最終目標は、低コスト、汎用性があり、クラウドソーシングを用い、入手しやすさの問題を解決できる携帯用アプリを開発することだ」とFDA公衆衛生対策分析室の次長であるPeter Lurie医学博士/公衆衛生学修士は述べる。「携帯アプリは、一般人にどうやって過剰摂取を認識し、ナロキソンの投与をするかを教育し、心肺蘇生のように、医療サービスを必要としている人と発見者を繋げるために開発されている。しかし、今日までにナロキソンの所持者と近隣のオピオイド過剰摂取者を繋げるアプリは作られていない。」

 

コンペティションに参加希望の個人や団体は、2016107日まで登録可能である。登録者はオピオイド蔓延に関する情報、ナロキソンの承認された製剤組成、ナロキソン適正使用のための公衆衛生に対する推奨や、携帯アプリに関するFDAのガイダンスなどの背景資料にアクセスが可能である。2016101920日には、FDAキャンパスで、FDA主催のアプリ制作コンテンストを2日間開催し、実質的に登録者はここでコンセプトと初期の試作品を開発する。コードはすべてオープンソースとして作成され、公的にアクセス可能であり、共同製作も推奨されている。コンペティションの参加者はその後、各々でアプリ開発のためのコンセプトに改良を加え、開発コンセプトの簡潔な要約に基づいた試作品のビデオを投稿し、2016117日までにアプリを利用できるようにしていく。

 

FDANIDASAMHSAから選ばれた審査委員が提出されたアプリを評価し、一番評価が高い参加者には40,000ドルが授与される。コンペティション後、 参加者は中小企業技術革新制度(SBIR)の資金提供公募に明記されている資格要件を満たすことを条件として、NIDASBIRにも申し込みが可能であり、コンセプトの更なる開発と現実社会での影響を評価するデータの開発に取り組むことができる。

 

ナロキソン・アプリコンペティションは、開発の促進、難課題の解決、主要コンセプト向上の目的で、全ての連邦政府関係機関に認可されている懸賞競技であり、アメリカCOMPETES(技術・教育・科学における卓越性に関する意味ある促進機会の創造法)再授権法の下開催される。

 

ソーシャルメディアで#NaloxoneAppを検索し、ナロキソン・アプリコンペティションをフォロー

原文掲載日

翻訳赤嶺千尋

監修小杉和博(緩和ケア内科/川崎市井田病院)

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