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ESMO-MCBSでの治療評価が臨床診療に有益

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ESMO-MCBSでの治療評価が臨床診療に有益

欧州臨床腫瘍学会プレスリリース

ヨーロッパ最大のがんセンターの一つであるウィーン医科大学(MUV)での初回研究は、ESMO臨床的ベネフィット・スケール・マグニチュード(Magnitude of Clinical Benefit Scale:MCBS)の臨床現場における臨床的影響と実現可能性を検討するものであり、その詳細が現在、ESMO Openで閲覧可能である[1]。

 

MUVチームが、主要ながん病型を通じて、一次治療から救済治療までの十分に確立されたがん治療戦略を体系的に評価して得た結果によれば、進行性または転移性疾患の領域で、ESMO-MCBSは非常に高い信頼性と再現性をもって機能しており、日常のルーチンでの運用が推奨される。

 

MUVのBarbara Kiesewetter医師は、「ESMO-MCBSによる評価のとおり、チェックポイント阻害剤など複数の新規治療法は、現在の標準治療と比較して目覚ましく治療転帰を改善していることがわかり、注目に値します。またこのような重要な薬剤は臨床診療で迅速に導入できるよう推奨すべきです」と述べた。

 

「われわれはESMO-MCBSに基づいて複数の治療法を分析し、臨床試験をスコア化した結果、そのデータは実臨床の経験に沿うものでした。その結果として、特に免疫療法のような新規治療法に対して、ESMO-MCBSを運用することにより、実際の診療で臨床医の意思決定の裏付けとなると期待できるアイデアが得られるものとわれわれのプログラム・ディレクターらは確信しています」。

 

ESMO-MCBSは、がん治療を目的として登録されている薬剤の治療効果を評価するために設計されており、その初期開発段階においてさまざまな固形腫瘍で検証された[2]。ESMO-MCBSは、事前に定めた一次および二次エンドポイント(全生存期間と無増悪生存期間の絶対的な増加およびハザード比の95%信頼区間の下限)と、生活の質(QOL)または毒性をそれぞれ検討する。新規治療法のデータは、対照群での治療奏効期間または生存期間に関して分析され、それぞれ対応するフォームに入力されることになっており、その結果が臨床的利益ランキングとなる。

 

「ESMO-MCBSは利用がとても簡単であり、われわれの研究結果から、日常的臨床診療にとって大変重要なツールであることが証明されると思います。臨床医は、新規治療法を検討する際にデータを調べることができるとともに、ESMO-MCBSのオンラインフォームを利用して、新たなアプローチで期待できる効果を分析することができます 」とKiesewetter医師は結論づけている。

 

参考文献:

  1. Kiesewetter, B., Raderer, M., Steger, G. G., Bartsch, R., Pirker, R., Zöchbauer-Müller, S., Prager, G., Krainer, M., Preusser, M., Schmidinger, M., & Zielinski, C. C. (2016). The European Society for Medical Oncology Magnitude of Clinical Benefit Scale in daily practice: a single institution, real-life experience at the Medical University of Vienna. ESMO Open, 1(4), e000066. Accessed July 06, 2016.   
  2. Ciardiello, F., & Tabernero, J. (2016). Applying the ESMO-magnitude of clinical benefit scale in real life. ESMO Open, 1(4), e000090. Accessed July 06, 2016.  

原文掲載日

翻訳松川深玲

監修野長瀬祥兼(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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