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運動が脳腫瘍診断後の長期生存に関連/デューク大学

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運動が脳腫瘍診断後の長期生存に関連/デューク大学

デューク大学
2011年6月20日

運動ができる脳腫瘍患者は、あまり動かない患者と比べて生存期間が著しく長いという見解を、デュークがん研究所の研究者らが示した。

Journal of Clinical Oncology誌の電子版に6月20日発表されたこの研究結果は、運動が治療期間中及び治療後の癌患者の気分を高揚させ、さらには生存期間を延ばすかもしれないと示唆する最近の研究に加わるものだ。

「この結果は運動介入の効果について、症状緩和という目的だけでなく、進行や生存に与える影響からも考える必要があるという根拠を初めて示しました。」と、デュークがん研究所の准教授で、本研究の上席著者であるLee W. Jones博士は述べた。

本研究は、定期的な運動が実際に脳腫瘍患者の生存期間を延長するかどうかを検証するために計画されたものではなかったが、医師と患者に、より正確な長期間生存の予後を予測できるだけの強い相関関係を証明した。

デューク大学のPreston Robert Tisch 脳腫瘍センターで、進行した再発の神経膠腫を患う243人が本研究に参加した。進行した再発神経膠腫は、一般的には余命の中央値が6カ月以下という致命的な悪性脳腫瘍である。

定期的に活発な運動(週5日、30分間の精力的な歩行運動相当)をしていると答えた患者の生存期間は中央値で21.84カ月と、ほとんど動かない患者の13.03カ月と比較して、生存期間が著しく長かった。

運動習慣の自己申告は、これまで予後診断に使われてきた6分間歩行テストを含む他の方法よりも勝る、神経膠腫患者の生存期間を予測するための重要な追加的手段となる。

Jones博士によれば、歩行テストは心不全やその他の心肺疾患を持つ患者の機能的能力を測るのには良いが、めまいの頻発やその他の神経的な問題で歩行が困難な脳腫瘍患者にとっては、有用でない場合もあるという。

デューク大学医療センターの患者で、2009年から手術不可能な未分化神経膠星状細胞腫と闘ってきたJose Cortes氏は、治療期間中の運動効果の熱心な支持者だ。

「病気になる前も日常的に運動をしてきたので、できる限り活動的な状態でいたかった」と、Cortes氏は話した。「しかし以前は簡単にできたことでも、もう不可能だった。私の理学療法の最初の目標は、転ばずに靴を履くことと、歩きながら話したり、頭の向きを変えたりした時にも平衡感覚を保つことだった」。

初期の目標を達成すると、同氏は1日に30分歩き始めるようになった。そして昨年は地元のYMCAでZumbaというフィットネス・ダンスのレッスンに参加した。

「運動ができるようになりたかった。生きていると、また実感できるから」とCortes氏。自分の脳腫瘍には化学療法がよく効きいたのであり、運動が治癒をもたらすものではないと同氏は警告する。それでも活動的でいることが、身体的にも精神的にも役立ったという。

「運動は病気の副作用を克服するのに非常に良い方法」だとCortes氏は述べた。「末期だったとしても、人生に対して前向きな気持ちでいられる。最も重要なのは、自分のペースで、自分でできるだけ、とにかくやってみることだ」。

デューク大学の研究は、医師が患者の運動習慣を知れば、医師が長期的な転帰を予測するのに良い方法となることを示唆している。

患者の総合的な容態、特定の治療に対する潜在的な忍容性、そして臨床試験への適合性を見極める上でも正確な予後判断が重要だと、Jones博士は述べた。

研究の大きな目標は、なぜ運動が癌診断後の生存改善につながる可能性があるのかを発見することだと、同博士は語った。

「こうしたメカニズムの解明は、癌の進行について新たな洞察をもたらします」と、Jones博士は話した。

「さらには運動を特定の癌治療と組み合わせて、両治療介入を併用することで、単に癌治療の副作用を緩和するだけでなく、癌再発や進行の抑制において、より効果があるかどうかを検証する新たな研究にもつながります」。

Jones博士は、デューク大学のPreston Robert Tisch 脳腫瘍センターの研究者とともに、本研究を実施した。共同著者は以下の通り。

Emily Ruden, David A. Reardon, MD, April D. Coan, James E. Herndon II, PhD, Whitney E. Hornsby, Miranda West, Diane R. Fels, PhD, Annick Desjardins, MD, James J. Vredenburgh, MD, Emily Waner, Allan H. Friedman, MD, Henry S. Friedman, MD, and Katherine B. Peters, MD, PhD.

本研究はGeorge and Susan Beischer夫妻から資金援助を受けた。著者らは金銭的な利益相反はないと報告している。

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片瀬ケイ  訳
寺島 慶太(小児血液腫瘍・神経腫瘍医/テキサス小児がんセンター) 監修
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原文

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