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進行大腸がんに抗インターロイキン-1α抗体製剤が顕著な効果

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進行大腸がんに抗インターロイキン-1α抗体製剤が顕著な効果

2016年世界消化器学会プレスリリース      (この記事に関する異議の最新リリース(英語)/翻訳版はこちら

本剤は、第3相臨床試験できわめて良好な安全性と忍容性がみとめられた。

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の第18回消化器学会(スペイン、バルセロナ開催)において、革新的な抗インターロイキン-1α抗体が進行大腸がん患者の症状に顕著な影響を及ぼし、きわめて良好な安全性および忍容性を示したという第3相臨床試験データ[1]が発表された。

 

MABp1(商品名:Xilonix)は、体細胞または腫瘍細胞が作り出す最も強力な炎症物質の一つであるインターロイキン-1α(IL-1α)を特異的に標的とし、中和する初のモノクローナル抗体免疫療法剤である。

 

「腫瘍内のIL-1αは、血管新生を促進することにより、腫瘍の増殖に不可欠な血液供給を助長するとともに、身体の代謝を制御不能にすることで、筋肉の消耗と体重減少を引き起こします」と、試験責任者Tamas Hickish医師は語った。IL-1αは同時に、脳に影響を与え、がん進行に伴う倦怠感、不安および食思不振を引き起こす。

 

本試験には、オキサリプラチンおよび イリノテカンを用いた標準化学療法で効果がなく、高度の症状、機能障害、体重減少、または、全身性炎症悪化を示す転移性大腸がん患者309人が登録された。

 

この新薬剤の試験に加え、研究者らはまた、症状のコントロールに基づく新たな客観的奏効基準を組み込んだ。これらの基準は欧州医薬品庁の科学的アドバイスワーキンググループの協力のもとで開発されたものである。これらの基準を、二重エネルギーX線吸収測定法およびEORTC-QLQC30(がん患者用 QOL 尺度)と併用して疾病コントロールを評価した。

 

患者を2対1の比率で、MABp1と支持療法(BSC)、プラセボと支持療法のいずれかに無作為に割り付けた。

 

MABp1による治療では、臨床的奏効率が76%という有意な相対的上昇を示した。臨床的奏効を示した患者群は、奏効しなかった患者群と比較して約3倍生存期間が延長した(11.5カ月対4.2カ月)。

また、健康状態の改善は、腫瘍関連白血球活性コントロールの改善、全身性炎症の軽減など、ほとんどすべての自己申告数値や臨床検査値の改善と相関していることもわかった。

また、本試験の治療群における深刻な有害事象は、プラセボ群と比較すると4分の1未満であった。

 

「これらのデータから、MABp1が非常に良好な忍容性を示し、進行大腸がん患者に対して、より有効で毒性の少ない療法に対する喫緊の要求にかなう可能性があると言えます。

 

本試験はまた、難治性進行大腸がんに対する抗腫瘍療法の有効性判断において、健康状態を判断基準とすることが実際に可能であること、さらに、健康状態に基づく臨床奏効率が全生存改善の予測因子となり得ることを初めて示したエビデンスです」とHickish医師は語った。

 

参考文献:

[1] Abstract O-027 – ‘A pivotal phase 3 Trial of MABp1 in advanced colorectal cancer’

原文掲載日

翻訳有田香名美

監修廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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