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がん対策の迅速化

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がん対策の迅速化

2011年6月3日

連絡先: Aaron Tallent Onsite Press Room: 312-949-3232

aaron.tallent@asco.org

2011年ASCO年次総会が開幕

シカゴ -1971年米国がん法調印の40周年を記念して、米国臨床腫瘍学会 (ASCO) 第47回年次総会開会の記者会見では、過去40年間に及ぶがん治療の重要な進展、今後の主な課題、およびより良い治療法をより速く見つけるための新しい研究モデルにスポットが当てられた。

「これまでの40年間で、がん全体の平均5年生存率は18%改善されました。現在では、がんと診断された患者3人のうち2人が5年以上生存しています」と、インディアナ大学医学部の腫瘍学教授で病理学・臨床検査医学教授である、George W. Sledge Jr. MD ASCO会長は述べた。「1991年のピーク時以降、全体のがん死亡率は17%低下しました。この低下は偶然ではなく、数十年に及ぶがん研究に対する公的および民間の出資によってもたらされたものなのです。がん研究に対する持続的な投資が世界中の患者に希望を与え続けていきます。」

がん研究における進展を明らかにするために、ASCOは動的な新しいウェブサイトを立ち上げ、いくつかの一般的ながん種の過去40年間に及ぶがん研究全体の重要な道しるべに関して腫瘍専門医の管理下で作成された双方向の年表を掲載している。新サイトCancerProgress.Netは、新たな進展および情報がリアルタイムで追加される「生きている」サイトとなるように設計されている。「私たちは今ここで歴史を作っているのです」とSledge氏は述べた。「この会合で発表される研究はこの進展の一部をなすものです。きっとそのいくつかは探求していく際の重要な道しるべとしてCancerProgress.Netの年表に記録されるでしょう。」

今回の会見にはがん研究における進展を典型的に示す2つの抄録が含まれていた。「これら2つの研究から、過去40年間でがん患者の治療がどこまで進んできたかが分かります」と会見の司会を務める、シカゴ大学Pritzker School of Medicineの血液腫瘍内科教授かつ科長であり、シカゴ大学の総合がんセンター副所長である、Richard L. Schilsky MD、元ASCO会長(2008-2009)は述べた。「私たちは、既存の療法の効果に関するより豊富な知識を基に、それらを使用する最善の方法を探し続けています。そしてさらに、患者一人一人の特異的分子プロファイルに適合する新しい治療法を検証するために努力しています。」

記者会見では以下の研究が取り上げられた:

・新たな化学療法レジメンにより小児および若年成人ALL患者の無事象生存率が改善される:小児および若年成人の高リスクB前駆細胞性急性リンパ性白血病患者を対象とするChildren’s Oncology Group のランダム化第3相試験では、メトトレキサートを段階的に増量していく標準レジメンよりも、メトトレキサートの高用量レジメンの方が優れていることが明らかになる。このレジメンでは、標準レジメンと比べ、5年無事象生存率が改善され、さほど重大な副作用も認められなかった。この試験により、これらの患者に対する新しい標準治療が確立される。

・第1相臨床試験で進行がん患者の腫瘍の異常に標的薬剤を適合させる画期的なモデルが実現可能となり多くの場合転帰が改善する:テキサス州大学M.D.アンダーソンがんセンターの大規模な個別化医療イニシアチブにより、患者の腫瘍の分子プロファイルを基に第1相試験で進行がん患者に適合する標的薬剤を見つけると、分子の適合作業をしていない患者を治療する場合と比較して、より長い生存期間および治療成功期間並びにより高い奏効率がもたらされることが判明した。

これらの研究および120以上のがん種に関する読者向けの情報については、ASCOの患者サイトwww.Cancer.Netを参照。

 

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豊 訳
林 正樹(血液・腫瘍内科) 監修
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原文

 

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