2011/06/28号◆FDA最新情報「禁煙補助薬による心臓リスクの可能性」「糖尿病薬が膀胱癌リスクを増大させる可能性」 | 海外がん医療情報リファレンス

2011/06/28号◆FDA最新情報「禁煙補助薬による心臓リスクの可能性」「糖尿病薬が膀胱癌リスクを増大させる可能性」

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2011/06/28号◆FDA最新情報「禁煙補助薬による心臓リスクの可能性」「糖尿病薬が膀胱癌リスクを増大させる可能性」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2011年6月28日号(Volume 8 / Number 13)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

PDFはこちらからpicture_as_pdf

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FDA最新情報

・禁煙補助薬による心臓リスクの可能性

・糖尿病薬が膀胱癌リスクを増大させる可能性

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禁煙補助薬による心臓リスクの可能性

米国食品医薬品局(FDA)は、心血管系の基礎疾患を持つ患者において禁煙補助薬バレニクリン(Chantix:※サイト注:日本での商品名はチャンピックス)が、特定の心疾患リスクを高める可能性があることを警告するため、添付文書を改訂した。

FDAが6月16日に発行した安全性に関する声明によると、今回の変更の基となったのは心疾患を持つ喫煙者700例を対象とした臨床試験である。参加者は無作為に12週間のバレニクリン投与群あるいはプラセボ投与群に割り付けられ、その後の40週間は投与を受けず経過観察された。心疾患は”全体的には頻度は低かった”が、”心臓発作を含む特定の疾患は、プラセボ投与患者よりもChantix投与患者において、より頻繁に報告された”と当局は言及した。

その他の心疾患として、わずかな胸痛リスクの増加、冠動脈血行再建術の必要性または末梢血管障害などが挙げられた。バレニクリン投与群の患者において多くみられた疾患は二つで、非致死性の心臓発作(7例に対しプラセボ投与群3例)および冠動脈血行再建術(8例に対しプラセボ群3例)であった。血行再建術を必要とする7例の患者のうち5例は、非致死性の心臓発作を起こした被験者と同群であった。

FDA当局は声明の中で、医師らはこれらのリスクに関して認識し、心疾患を有する患者がバレニクリンを使用する際のリスクとベネフィットの可能性を話し合っておかなければならないとしている。2009年7月、FDAはバレニクリンおよび別の禁煙補助薬であるブプロピオン(Zyban)の添付文書に従った使用に関わる神経精神症状のリスク上昇については、“黒枠”で明示した警告を追加した

糖尿病薬が膀胱癌リスクを増大させる可能性

糖尿病薬ピオグリタゾン(アクトス)の1年以上の使用は、膀胱癌発症リスクを増加する可能性があると、6月15日FDAは安全性に関する声明を出した。

その声明は、製薬会社の武田薬品工業が行っている安全性データに関する10年間の前向きコホート研究の5年間の中間解析に基づいている。その臨床研究にはカイザーパーマネンテ北カリフォルニアヘルスプランに加入している19万3000人以上の患者が登録された。患者はすべて40歳以上で糖尿病と診断されている。

ピオグリタゾンを使用している患者全体では、同薬の使用歴がない患者と比較した場合、膀胱癌リスクの増加はみられなかった。しかしピオグリタゾンを12カ月から24カ月間使用している患者においては、使用歴のない患者に比べ膀胱癌発症のリスクが40%高かった。

「ピオグリタゾン使用に伴う膀胱癌リスクの上昇は全体としては見られなかったものの、ピオグリタゾン暴露期間が最も長い患者および累積投与量が最も多い患者においては、膀胱癌のリスク上昇が認められた」とFDAは報告した。

フランス保健当局は、ピオグリタゾン使用患者120万人を対象とした、より大規模の後ろ向き研究から得られた同様の知見について最近発表した。その知見に基づいて、フランス保健当局はピオグリタゾン使用を停止させた。またドイツ保健当局は、新規の患者にピオグリタゾンを処方しないよう臨床医に通達している。

FDAは米国内の医師らに、ピオグリタゾンを膀胱癌患者に処方しないように、また以前に膀胱癌の治療を受けたことがある患者に対しては”慎重に”使用することを勧告した。「ピオグリタゾン使用による血糖コントロールの有益性は、癌再発の未知のリスクに対し比較考量されるべきである。」と当局は述べた。

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滝川 俊和 訳
辻村 信一(獣医学・農学博士/メディカルライター) 監修
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