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News Note: マウスの正常細胞を放射線による損傷から保護すると同時に腫瘍の放射線感受性を高める戦略

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News Note: マウスの正常細胞を放射線による損傷から保護すると同時に腫瘍の放射線感受性を高める戦略

NCIニュース 2009年10月21日

放射線治療での有害な影響から健常組織を保護しつつ腫瘍の増殖を遅らせる方法が、米国国立癌研究所(NCI)および他の研究機関の研究者らによって開発された。癌全体のうち半数以上で治療計画の一部として放射線治療が組み込まれているが、健常組織を損傷するリスクがあるため、腫瘍への照射線量は制限される。本研究チームの知見により、いずれは、癌治療に対して放射線治療をより積極的に行うことが可能となり、治療に対する反応が改善するかもしれない。

放射線は、細胞内のDNAや幾つかの巨大分子を損傷させ、細胞死を引き起こすストレス応答を誘発する。Thrombospondin-1という種々の細胞が産生するタンパク質が、自らの受容体CD47を介したシグナル伝達により、細胞が数種類のストレスから回復するのを阻害することがこれまで示されている。過去の研究では、Thrombospondin-1もしくはCD47が欠損したマウスは、放射線損傷に耐性があることが実証された。新たな試験では、Thrombospondin-1とCD47との相互作用を阻止すると、放射線による損傷からヒト細胞およびマウスの正常細胞が保護されることが示された。同研究チームはCD47を標的とする薬剤をマウスの片方の後肢に注射し、その後、同肢に放射線治療を施した。CD47の発現を一時的に抑制すると、皮膚、筋肉および骨髄が放射線による損傷から保護されることがわかった。次に、CD47標的薬剤を担癌マウスに投与し、放射線治療後に、腫瘍の増殖速度を観察した。CD47の発現を阻止することにより、腫瘍細胞の放射線感受性が増強した。放射線治療の前にCD47標的薬剤を投与したメラノーマ腫瘍および肺腫瘍担癌マウスは、しなかったマウスと比べて、腫瘍のサイズがそれぞれ89%、71%小さかったことが観察された。この研究はScience Translation Medicine誌2009年10月21日号に掲載された。

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Yuko Watanabe 訳
平 栄(放射線腫瘍科)
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原文

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