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エリブリンは転移乳癌女性の生存期間を改善する

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エリブリンは転移乳癌女性の生存期間を改善する

Eribulin Improves Survival of Women with Metastatic Breast Cancer

(Posted: 06/10/2011) – EMBRACEと呼ばれる第3相臨床試験結果によれば、エリブリン(商品名:ハラヴェン)治療により、これまで複数の化学療法にも関わらず増悪した転移性乳癌女性の生存期間が改善した。(Cancer Bulletin 2011年3月22日号[日本語訳])より転載)

EMBRACEと呼ばれる第3相臨床試験の結果によれば、エリブリン(商品名:ハラヴェン)による治療で、それまで複数の化学療法を受けたにも関わらず増悪した乳癌女性において、全生存期間が延長した。これらの知見に基づき、米国食品医薬品局(FDA)は、少なくとも2種類の化学療法歴のある転移乳癌女性患者に対するエリブリンの適用を承認した。

この試験の結果は3月2日付Lancet誌電子版に掲載された。

全生存期間の延長は、今回の知見を「臨床的意義のあるものにした」と、本試験の筆頭著者で、スペインのバルセロナにあるVall d’Hebron Institute of OncologyのDr. Javier Cortes氏と同僚らは記した。「われわれが知る限り、EMBRACE試験は、重度の治療を受けてきた転移乳癌患者の生存期間を有意に改善した、単剤で の初めての殺細胞薬あるいは生物学的製剤の大規模試験である」。

エリブリンは、カイメン由来の物質であるハリコンドリンBの合成化合物である。他の化学療法薬と同様に、エリブリンは細胞のチューブリンタンパク質を標的とするが、他とは異なる方法でチューブリンに結合し、癌細胞の分裂と増殖を阻害する。

エリブリンを製造するエーザイ㈱により資金提供された本試験で、患者762人がエリブリン治療、あるいは治療する医師により選択された治療に無作為 に割り付けられた。試験への登録以前に、参加者は平均で4種類の化学療法を受けていた。進行・転移した乳癌患者には標準的治療がないため、エリブリン治療 群は「腫瘍医と患者による実際の選択を反映させた治療群」との比較となったと研究者らは述べている。

エリブリンを投与された患者は、主治医の選択した治療法を受けた患者よりも平均で2.5カ月長く生存した(全生存期間中央値:13.1カ月vs10.6カ月)。両群間の無増悪生存期間は同等であった。全体的に見て、重篤な有害事象は両群患者でほぼ同等であったが、エリブリン治療を受けた患者では好中球減少症、白血球減少症、また末梢神経障害の重篤例が多かった。

「EMBRACE試験は、重度の前治療歴のある乳癌患者への化学療法の使用に、必要かつハイレベルのエビデンスを提供した」と、ダナファーバー癌研究所のDr. Nancy Lin氏とDr. Harold Burstein氏は付随論説の中で述べた。しかしながらこの患者群におけるエリブリンの使用については、本薬剤に対しより反応するサブグループがあるかといったような多くの重要な課題が残されていると述べている。

筆頭著者は続けた。「EMBRACE試験から得られた臨床的な成果はかなり限定されており、試験参加者における治療、症状管理、そしてQOLの関連性について理解を深めることが極めて重要である」。

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