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atezolizumabが治療抵抗性肺がんの治療に変化をもたらす可能性

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atezolizumabが治療抵抗性肺がんの治療に変化をもたらす可能性

欧州臨床腫瘍学会(ESMO) プレスリリース

 

 議題:肺およびその他の胸部腫瘍/腫瘍免疫学

「アテゾリズマブ[atezolizumab]は治療抵抗性肺がん患者の治療戦略に大きな変化をもたらすことが確実視されています」と、ドイツGrosshansdorf病院の胸部腫瘍科で腫瘍外科統括医をつとめるMartin Reck医師は述べた。これは、POPLAR試験およびBIRCH試験で、アテゾリズマブの有効性が複数の治療ラインで初めて認められたという試験結果が、オーストリアのウィーンで開催された欧州がん学会議2015(ECC2015)で発表されたことを受けての発言である。

 

「BIRCH試験で抗PD-L1抗体アテゾリズマブは、どの治療ラインの患者に対しても、著しい活性を示しました」と、Reck氏は述べた。「有害事象プロファイルは、他の抗PD-1/PD-L1抗体の免疫チェックポイント阻害剤の報告データと一致しており、全体の耐用性はきわめて良好であると思われます。奏効率にみる有効性は、腫瘍でのPD-L1発現とPD-L1を高発現している腫瘍を好む免疫細胞とに相関しています」。

 

「確証としては、ランダム化POPLAR試験で、二次治療にアテゾリズマブを投与した非選択患者は、ドセタキル投与群に比べて、全生存期間の延長が報告されています。繰り返しになりますが、有効性はPD-L1の発現状態に相関している可能性があり、(PD-L1発現が高い)TC3およびIC3患者で全生存期間が最も延長しています。このデータは、現在実施されている大規模ランダム化第3相試験で検証する必要があります」とReck氏は続けた。

 

アテゾリズマブと現行の肺がん治療とを比較してReck氏は次のように述べた。「アテゾリズマブは、既治療非小細胞肺がん(NSCLC)患者にとって、標準的二次化学療法より有効性および耐用性に優れていることが示された第2のチェックポイント阻害剤です。このためアテゾリズマブは、他の抗PD-1/PD-L1抗体と同じく、治療抵抗性肺がん患者の治療戦略を大きく変えることになるでしょう」。

 

「一次治療でも有望です」とReck氏は言う。「腫瘍にPD-L1が高発現した患者に対しアテゾリズマブを用いた一次治療を実施すること、またはプラチナベースの化学療法とアテゾリズマブの併用療法を実施することは、未だ魅力的な選択肢であり、大規模無作為化第3相試験で現在、検討中です。さらに、小細胞肺がん(SCLC)や中皮腫など別の腫瘍でも活性が認められたため、近々試験で検討されるでしょう」。

 

POPLAR試験およびBIRCH試験で得られたデータをはじめ、治療抵抗性扁平上皮非小細胞肺がん患者の治療薬として欧州医薬品庁(EMA)に最近承認された抗PD-1抗体ニボルマブに関するデータに基づき、患者に施す前治療が大きく変化すると思われる。

 

「特に、魅力的な耐用性プロファイルに、長期に持続する効果と増殖抑制という選択肢が加わることは、臨床現場に衝撃を与えることになるでしょう」と、Reck氏は言う。「患者選択にバイオマーカー戦略を用いるべきかどうかは、未だ明らかではなく、特定の薬剤に用いられるさまざまなコンパニオン診断を踏まえた重大な課題であることに変わりありません。現在実施されている試験の結果次第ですが、選択された患者に対する一次選択治療として、チェックポイント阻害剤が興味深い選択肢となる可能性があります」。

 

原文掲載日

翻訳萬田美佐

監修廣田 裕(呼吸器外科/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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