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癌細胞における非対称細胞分裂の証拠を確認

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癌細胞における非対称細胞分裂の証拠を確認

NCIニュース 2010年1月19日

肺癌細胞におけるこれまでにない細胞分裂の形態が米国国立癌研究所の科学者によって発見された。この知見は 2010年1月18日の週の全米科学アカデミー会報誌電子版で発表された。

長年の間、正常組織の幹細胞は、自己再生および分化能が異なる娘細胞を、非対称細胞分裂と呼ばれる過程で作り出すことが知られていた。 不死DNA鎖の仮説では、幹細胞は、DNA複製エラーを抑えるために、細胞分裂中にDNA鎖を非対称的に分配すると考える。正常幹細胞においては不死DNA鎖仮説を証明するエビデンスは存在するが、癌細胞においてはこれまで一度も立証されたことも検証されたこともなかった。

人肺癌細胞における不死化鎖仮説を研究するために、米国国立癌研究所の科学者はパルス・チェイス法と称される一連の実験を行った。その結果、実験肺癌細胞と肺腫瘍試料のごく一部でDNA鎖が非対称的に分裂することが発見された。また、非対称分裂の頻度が細胞の微小環境の変化によって異なる可能性があることも発見された。これは、分裂の過程が隣接細胞および他の要因によって調節されている可能性を示唆している。続いて、DNAの非対称分裂が肺癌幹細胞マーカーのCD133と相互関連していることが発見された。肺癌細胞における非対称細胞分裂とその調節の解析が、腫瘍発生、自己再生、増殖、および治療のための新たな標的開発の戦略を解明する手掛かりとなる。この分裂と癌幹細胞仮説との関連付けが今後の研究の目的となる。

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下和田 篤子 訳
後藤 悌(呼吸器内科医/東京大学大学院) 監修
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原文

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