インターフェロン(IFN)フリー療法で93パーセントの患者のC型肝炎ウイルスが消失/デューク大学医療センター | 海外がん医療情報リファレンス

インターフェロン(IFN)フリー療法で93パーセントの患者のC型肝炎ウイルスが消失/デューク大学医療センター

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インターフェロン(IFN)フリー療法で93パーセントの患者のC型肝炎ウイルスが消失/デューク大学医療センター

2015年5月5日

12週間にわたる3剤併用療法により、肝硬変を持つ未治療患者の93%でウイルスが消失したという研究がJAMA誌で報告された。

本研究は、ダクラスタビル、アスナプレビル、およびベクラブビル[beclabuvir]の3剤を併用した試験であり、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社により助成を受けた。現在審査中のダクラスタビルを含めたこれら3剤すべて、未だFDAから承認を受けていない。デューク大学医学部の研究者らにより、研究デザイン、解析、および論文執筆が共同で行われた。

C型肝炎由来の肝硬変、すなわち線維化した肝臓を有する患者のうち、これまで治療歴のない112人、および治療での効果がみられなかった90人が試験に参加した。過去の治療の効果が見られなかった患者においては3剤併用療法の効果が若干低く、87%の患者でウイルスが消失した。

しかしながら、過去の治療で効果の見られなかった患者に関しては、4剤目のリバビリンの併用による効果がみられた。リバビリンはC型肝炎の治療で一般的に用いられる薬剤である。リバビリンをレジメンに加えた際、治療歴のある患者の奏効率は、未治療の患者と同様に93%に達した。

本研究の筆頭著者であるデューク大学消化器病学講座主任のAndrew Muir医師は、以下のように述べている。「C型肝炎ウイルスから患者を守るワクチンは現時点では存在しない。またC型肝炎ウイルスは、血液を介して感染して肝不全を引き起こし、そのまま治療を行わなかった場合は死をもたらす。C型肝炎感染者は、多くの場合、症状が出るまで感染に気づかず、発覚した際にはすでに肝臓に持続的なダメージを受けている。そのため、1945年から1965年の間のベビーブームでうまれたアメリカ人は、自動的に検査を受けるべきだ」。

「過去20年間で、C型肝炎の治療はインターフェロン(IFN)に頼ってきた。インターフェロンは、一年以上にわたる定期的な注射が必要であり、インフルエンザのような副作用があることから、多くの患者が治療から脱落する。さらに患者の一部は、貧血、血小板の減少等の理由によりこの治療の適応にならない」という。

Muir氏はさらに、「より進行した病状の場合、インターフェロンに対する忍容性は低く、多くの患者は治療を受けることさえも諦めてしまう。しかも忍容性を示した患者においても、わずかな効果しかない」と述べている。

2013年後半以降、多くの新しいインターフェロンフリーのレジメンが公表されてきた。多くの場合、これらのレジメンは、これまでの治療と比べてより効果があることが示されている。

「インターフェロンフリー治療の開発により、C型肝炎の標準治療は大幅に前進した。これらの薬は非常に効果的で、肝障害の全てのステージの患者において忍容性がある」とMuirは述べている。

本試験は、2013年12月から2014年9月にかけて、アメリカ、カナダ、フランス、オーストラリアにある約50施設で行われた。全ての患者は、北米、ヨーロッパ西部、オーストラリアにおいて最も多いウイルス株である1型のHCV遺伝型を有していた。

なお、薬剤の副作用は最小限であった。9人の患者で重篤な有害事象が発現し、そのうち3件は薬剤の投与と関係していた。

本試験の結果は、プラセボ群がないことから副作用の原因が正確にわからないこと、また88%の患者が白人であり患者の人種が多様でないという点において制限がある。本研究はまた、何人かの参加者に対して通常のレジメンにリバビリンを追加した影響を、統計学的に比較検討していない。

Muir氏の他の共著者は以下のとおりである。 Fred Poordad; Jacob Lalezari; Gregory Everson; Gregory J. Dore; Robert Herring; Aasim Sheikh; Paul Kwo; Christophe Hézode; Paul J. Pockros; Albert Tran; Joseph Yozviak; Nancy Reau; Alnoor Ramji; Katherine Stuart; Alexander J. Thompson; John Vierling; Bradley Freilich; James Cooper; Wayne Ghesquiere; Rong Yang; Fiona McPhee; Eric A. Hughes; E. Scott Swenson; and Philip D. Yin.

ブリストルマイヤーズ・スクイブ社がこの試験を主導し、Muir氏が同社の資金提供を受けて遂行した。その他の資金提供は以下の企業および個人による―AbbVie, Achillion, Bristol-Myers Squibb, Gilead, and Merck, personal fees from Theravance, and grant funding from Roche outside of the work submitted for this JAMA article.

【*サイト注】2014年9月、日本でもインターフェロンフリー療法としてダクラタスビル+アスナプレビル療法が承認され、現在ではインターフェロン療法無しでも使用可能となりました。一方で、ウイルスの耐性変異を獲得する可能性があることへの注意喚起もなされていますので、詳細は専門医にご相談ください。
(参考)C型肝炎治療ガイドライン(第3.3版・簡易版)日本肝臓学会:http://www.jsh.or.jp/files/uploads/Simplified_C_V.3.3-2015-4.pdf

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仲川涼子 訳
北村裕太(内科/東京医科歯科大学医学部附属病院)監修
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原文

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