卵巣がん早期検出への探究ー腫瘍遺伝子TP53およびバイオマーカーCA125/MDアンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

卵巣がん早期検出への探究ー腫瘍遺伝子TP53およびバイオマーカーCA125/MDアンダーソンがんセンター

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卵巣がん早期検出への探究ー腫瘍遺伝子TP53およびバイオマーカーCA125/MDアンダーソンがんセンター

腫瘍遺伝子TP53およびバイオマーカーCA125を共に用いた新規アッセイ法

MDアンダーソン・ニュースリリース

2015年4月20日

卵巣がんの治療が成功するためには多くの場合、早期発見が要となる。テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの研究が、リスクのある女性における卵巣がんの新しい早期検出法を開発する一助となるかもしれない。

「血清バイオマーカーを用いて卵巣がんの早期検出を試みる際、ほとんどの場合において焦点が当てられてきたのがCA125タンパク質です。しかしながら、CA125が発現するのは卵巣がんの80パーセントにすぎないため、この抗原(CA125)を発現しないがんを検出するには複数のバイオマーカーが必要となるでしょう」とMDアンダーソンがんセンター、Translational Researchの副学長であるRobert Bast Jr.医学博士は述べ、こう付け加えた。

「しかし、CA125にさきがけて常に上昇するバイオマーカーは以前の研究では認められませんでした。とはいえ、腫瘍関連抗原に対する患者自身の免疫応答を検出すれば、より早い時期に卵巣がんを発見することが可能となるかもしれせん」。

そこで、Bast医師は英国多施設共同卵巣がんスクリーニング試験(United Kingdom Collaborative Trial of Ovarian Cancer Screening)のUsha Menon氏およびIan Jacobs氏の協力を得、卵巣がんの診断前7年以内に患者から毎年採取した血液サンプルを入手し、研究を行った。

この研究では、大多数の卵巣がんにおいて変異・過剰発現する腫瘍遺伝子TP53に対して患者の体内で生成される抗体に注目し、それらの抗体の存在がCA125による検出効果を改善し、卵巣がんをより早期に検出することにつながるかを検証した。

「抗-TP53自己抗体が検出されたのは、CA125値が上昇する平均13カ月前、CA125値が上昇しなかった患者においては診断の33カ月前でした。抗-TP53自己抗体と関連しているのは、ほんの4分の1の症例にしかすぎないものの、抗-TP53自己抗体が発現すれば、この抗体はCA125よりも早い段階で卵巣がんを検出すると見込まれます」とBast医師は述べる。

本データは4月20日フィラデルフィアで開催された米国がん学会年次総会2015(2015 American Association for Cancer Research [AACR]Annual Meeting in Philadelphia)で発表された。

尚、本研究に携わったMDアンダーソンチームメンバーは下記の諸氏を含む。Experimental TherapeuticsのWei-Lei Yang博士、Archana Simmons博士、Zhen Lu医師、Bioinformatics & Computational BiologyのKeith Baggerly医学博士、Gyn Onc & Reproductive MedicineのKaren Lu医師。また、下記の研究機関にもご尽力いただいた。英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College, London)およびマンチェスター大学(University of Manchester)。

本研究は米国国立がん研究所(National Cancer Institute [P50 CA83639])および全米がん研究基金(National Foundation for Cancer Research)から資金提供を受けた。

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八木 佐和子 訳
原野謙一(乳腺科・婦人科がん・腫瘍内科/日本医科大学武蔵小杉病院) 監修
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原文

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