センチネルリンパ節マッピングにより再発高リスク子宮体がん女性のリンパ節転移を同定/MDアンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

センチネルリンパ節マッピングにより再発高リスク子宮体がん女性のリンパ節転移を同定/MDアンダーソンがんセンター

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センチネルリンパ節マッピングにより再発高リスク子宮体がん女性のリンパ節転移を同定/MDアンダーソンがんセンター

将来のがん対処法として有望な低侵襲性の病期診断法を提示

MDアンダーソン・ニュースリリース

2015年3月31日

テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターで高分化度子宮体がんの女性を対象とした試験を実施し、センチネルリンパ節(SLN)マッピングと現行の標準治療である骨盤リンパ節および傍大動脈リンパ節の完全郭清術の前向き比較を行った結果、SLNマッピングではリンパ節転移を有する高リスク子宮体がんの女性全員が正確に同定されたことが明らかになった。

現在、センチネルリンパ節マッピングは他のがんで関連リスクや合併症の少ない病期分類法として用いられているが、本試験は、将来、センチネルリンパ節マッピングが最も罹患数が多い婦人科がんに対しても侵襲性の低い有望な病期分類法となり得ることを示している。

MDアンダーソンがんセンター婦人科腫瘍・生殖医療科准教授のPamela Soliman医師が、シカゴで開催された米国婦人科腫瘍学会年次総会のプレナリーセッションで研究成績を発表した。

アメリカがん協会によると、2015年に子宮体がんと診断される女性は54,870人、また、子宮体がんによる死亡数は10,170人であるという。Soliman氏は、子宮体がんは最も罹患数の多い婦人科がんで肥満と強い関連があるため、子宮体がんの全発生率が上昇しており、診断時年齢の若齢化も認められると語る。

子宮体がん患者の進行期診断を含む現行の標準治療は通常、子宮摘出術およびリンパ節完全郭清術である。一方で、肥満以外にも糖尿病や高血圧など子宮体がんに関連する危険因子が存在する。これらの併発症はもともと手術を難しくする可能性があり、リンパ浮腫やリンパ腫脹といった術後合併症のリスクが上昇する、とSoliman氏は説明する。

センチネルリンパ節マッピングでは、染色剤や放射性物質を用いてがん転移する可能性が最も高い一次リンパ節を同定する。仮説上、がんは他のリンパ節や身体部位に転移する前にまずセンチネルリンパ節に転移する、とSoliman氏は述べる。

この手法が乳がんや外陰がん、メラノーマなどの病期分類法として実証され、一般に受け入れられるにつれて、他の複数の機関で子宮体がんの病期分類法にも利用できないか検討された。しかし、MDアンダーソンがんセンターが実施した研究が、センチネルリンパ節マッピングとリンパ節完全郭清術の両方を受けた患者を対象とした初の確認試験である。

「重要な点は、センチネルリンパ節マッピングのみを実施するなら、適切な病期に分類されない患者が存在するかもしれないことを理解すること、つまりこの検査の偽陰性率を把握することでした。リンパ節完全郭清術を行わずに、センチネルリンパ節マッピングのみでリンパ節転移陽性患者を同定することができれば、リンパ節郭清による合併症の発生率を低減できる可能性があるとともに、適切な術後療法を決定することができます」とSoliman氏は説明する。

現在MDアンダーソンがんセンターでは、この単一施設前向き試験に100人の高リスク、グレード3(低分化組織型の)子宮体がん患者を登録している。米国婦人科腫瘍学会では、73人の患者が登録され、このうち60人が評価可能であったとSoliman氏が報告した。登録患者の年齢およびボディマスインデックス(BMI)の中央値はそれぞれ61.1歳および30.1であった。センチネルリンパ節マッピングを試み、リンパ節完全郭清術を実施した場合は、その患者を評価可能とみなした。参加者全員が、術前にPET-CT検査を受けた。

これまでに、研究者らはセンチネルリンパ節マッピング結果を切除物の病理学的検査の最終結果と比較する際に、リンパ節転移を有する患者はいずれもSLN陽性である、すなわち偽陰性が認められないということを発見した。評価可能な患者のうち、92.3%(56人)で最低1個の陽性センチネルリンパ節を、また、60.7%(37人)で両側性の陽性センチネルリンパ節を同定することができた。この結果は過去に実施された他の研究と一致しており、この検査法が実現可能であることを示している。

転移性がんのリンパ節転移が認められる患者では、1個以上のセンチネルリンパ節で転移性がんが陽性であり、特異度および感度はいずれも100%であった。

今後の研究成績によって、高リスク患者および低リスク患者の標準治療に影響を及ぼす可能性がある、とSoliman氏は語る。

「この試験は重要な根拠となるものであり、過去の研究結果から偽陰性率が許容範囲であることがわかります」とSoliman氏は説明する。「今後も同様の有望な結果が得られ、センチネルリンパ節マッピングのみでリンパ節転移を有する患者を同定できるとすれば、他のがんの場合と同ように、子宮体がんの患者全員に対する治療法全体が変化する可能性があります」。

Soliman氏らは今後も高リスク子宮体がん患者の登録を継続する予定であり、早期ステージ、低リスク子宮体がんの女性を対象としたセンチネルリンパ節に関する試験を実施中である。

Soliman氏のほか、MDアンダーソンがんセンター単独で実施した試験の著者は次のとおり:Karen Lu, 医師, chair; Shannon N. Westin, 医師; Charlotte Sun, Dr.Ph.; Michael Frumovitz, 医師; Alpa Nick, 医師; Nicole Fleming, 医師; Pedro Ramirez, 医師; Charles Levenback, 医師およびShayan Dioun、いずれも婦人科腫瘍・生殖医療科所属。

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佐々木真理 訳
喜多川亮(産婦人科/NTT東日本関東病院)監修
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原文

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