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頭頸部癌の放射線療法では経験が重要との研究結果/オハイオ州立大学総合がんセンター

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頭頸部癌の放射線療法では経験が重要との研究結果/オハイオ州立大学総合がんセンター

2014年12月8日

特殊な癌の手術は、一般的に執刀医が経験豊富であるほど患者の転帰が良好となる。オハイオ州立大学総合がんセンター–Arthur G. James Cancer Hospital & Richard J. Solove Research Institute(OSUCCC – James)放射線腫瘍学科助教Evan Wuthrick医師およびOSUCCC – James内科医学ならびに疫学科教授Maura Gillison医学博士らが主導した新たな研究によると、頭頸部癌治療に用いられる放射線療法にも同じことがいえるとみられる。

Journal of Clinical Oncology誌で付随論説とともに発表されたこの研究は、2002~2005年に実施された臨床試験において101の医療施設で放射線療法を受けた患者470人を対象に、生存転帰とその他の転帰を比較した。この試験は、米国国立癌研究所(NCI)が助成を行い、米国腫瘍放射線治療グループ(RTOG)が実施した。

この知見により、経験の浅い施設で治療を受けた患者は、経験豊富な施設で治療を受けた患者と比較すると、癌が再発する可能性が高くなり(5年時点で62%対42%)、全生存期間は不良となる(5年生存率は51%対69%)ことが示唆された。

この論文の筆頭著者のWuthrick氏は「われわれの知見によって、頭頸部癌で放射線療法を受けた患者において、施設の経験値が転帰に強く影響することが示されました。患者は、放射線療法の経験が少ない施設で治療を受けるよりも、経験が多い施設で治療を受けたほうが、転帰が良くなることを表しています」と言った。

頭頸部癌の放射線療法には、複雑な治療計画が必要だが、その計画は施設や医師によって大きく異なる場合がある。さらに、綿密に編成された総合医療チームの管理が必要となるような、短期的および長期的な副作用が起こる可能性もある。全米総合がんセンターネットワークのガイドラインでは、頭頸部癌患者は経験豊富な施設で治療を受けるよう推奨されているが、治療を提供する側の経験値が転帰に影響するか否かについてはこれまでに知られていない。

Wuthrick氏やGillison氏らは、施設の経験値を判断するにあたり、それまでにRTOGが行った頭頸部癌の臨床試験への参加状況を用いて、試験登録者が年間平均4人である参加者の少ない施設(low-accruing centers)88件と試験登録者が年間平均65人である参加者の多い施設(high-accruing centers)13件を同定した。次に、参加者の多い(経験が豊富な)施設または参加者の少ない(経験が乏しい)施設のいずれで治療を行ったかに基づいて患者の転帰を比較した。

研究の重要な知見は以下のとおりである。

5年局所再発率は、経験豊富な施設で治療を受けた患者よりも、経験の乏しい施設で治療を受けた患者の方が高かった(36%対21%)。

経験の乏しい施設で、治療計画がプロトコルを逸脱する割合が高かった(18%対6%)。

参加者の多い施設と比較すると、参加者の少ない施設での治療は91%の死亡リスクの上昇および89%の増悪または死亡数の増加と関連した。

腫瘍委員会の使用状況、チームの構成員数およびその実践経験年数、言語療法や嚥下療法、食事療法や栄養療法、専門的看護といった付随的サービスなどの施設に関する要素は、転帰に影響を与える可能性はあるが、この研究では評価しなかった。

この研究はNIH/National Cancer Instituteから研究助成を受けた(CA21661及びCA37422)。

その他の研究参加者は以下のとおり。Mitchell Machtay, Case Western Reserve University; Qiang Zhang, Jonathan Harris, and Qian Wu, Radiation Therapy Oncology Group Statistical Center; Eric M. Horwitz, Fox Chase Cancer Center; David I. Rosenthal, University of Texas MD Anderson Cancer Center; Phuc Felix Nguyen-Tan, Centre Hospitalier de l’Université de Montréal–Notre Dame, Montreal; André Fortin, Hôtel-Dieu de Quebec, Quebec City, Quebec; Nancy E. Read, University of Western Ontario; Craig L. Silverman, University of Louisville; Adam Raben, Christiana Care Health Services Community Clinical Oncology Program; Harold E. Kim, Wayne State University; Quynh-Thu Le, Stanford University.

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前田 愛美 訳
前田梓(トロント大学医学部医学生物物理学科)監修
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原文

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