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新検査法により血液腫瘍患者の治療方針の決定が迅速化/ダナファーバー癌研究所

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新検査法により血液腫瘍患者の治療方針の決定が迅速化/ダナファーバー癌研究所

2014年11月11日

悪性の白血病など血液腫瘍の患者にとって、適した治療法を迅速に特定して開始できれば大きな前進となる。

これらの患者に対する治療が進歩する中で、ダナファーバー癌研究所/ブリガム&ウィメンズがんセンター(DF/BWCC)の医師らは、高度な技術による遺伝子検査である迅速ヘム・パネル(Rapid Heme Panel)を使用し始めている。この検査では、治療選択の助けとなる重要な情報が数日内にかつてない量で得られる。

ダナファーバー癌研究所とブリガム&ウィメンズがんセンターのチームにより開発された迅速ヘム・パネルは、「次世代」のシークエンス技術により血液または骨髄サンプル中のDNAをスキャンする。この検査では、白血病や骨髄増殖性疾患に関連していることが多い95種類の遺伝子変化を探しだし、予後やその癌に対して最も効果が期待される特定の医薬品を決定づける重要な変異を検出する。がんのDNAには、そのがんの増殖を促進する固有の変異の組合せがあり、その変異を標的とした医薬品に対してはがんが脆弱となる場合もある。この検査は8月から使用できるようになり、これまでに100人以上の患者に利用されている。

「これは血液腫瘍に適用される最も個別化された医療です」と、ダナファーバー癌研究所/Brigham and Women’s Cancer Center成人白血病プログラム長であるRichard Stone 医師は述べる。「われわれはすでに、患者のがんの変異状態をかつてないほど迅速に知ったうえで患者を臨床試験に登録することができました」。臨床試験の中には、特定の変異に目的を絞って医薬品の試験を行うものがあるためである。

6本の血液試料を別々の検査施設に送って2週間も結果を待っていたのに代わって、迅速ヘム・パネルでは1本の血液試料を検査して結果を5営業日以内に返してくれるとStone医師は述べる。この検査のその他の利点には、患者にとって骨髄移植や幹細胞移植がよい選択肢となるかどうか-そして移植が緊急を要するかどうかをがん専門医が迅速に決定する助けとなることが挙げられる。

「この検査により、臨床医はこれまでには得られなかった情報を得ることができます」。Brigham and Women’s Hospital病理学長であるJeff Golden医師は述べる。Golden医師はこうも言う「迅速ヘム・パネルのコストは、この検査で検出できるよりも少ない遺伝子変異を別々に検査するコストよりも低いのです」。

DF/BWCCでは、次世代シークエンス技術を用いて、さまざまながんに関連する可能性がある305種類の遺伝子をスキャンするプロファイリングの臨床研究が行われており、すべての患者に登録の機会が提供されている。Brigham and Women’s Hospitalの血液病理学長であり、迅速ヘム・パネルの開発者の一人でもあるJon Aster医学博士は、迅速ヘム・パネル検査がこの研究に類似した技術に基づいていることに言及した。「われわれは血液腫瘍に対して95種類の遺伝子を模索し、臨床医がすぐに対処できる時間内に結果を返しています」。Aster博士は述べる。

この検査は現在、白血病、骨髄異形成症候群(血液細胞の形成不全や機能不全が原因で発症する)や骨髄中で異常血液細胞が増殖する骨髄増殖性腫瘍の成人患者に使用されている。DF/BWCCチームでは近いうちに、他の血液腫瘍にも使用を拡大したいと願っている。

「われわれの患者の多くにとって、正確な診断を得、がんを悪性化させる変異をより深く知ることでがんに迅速に対処することは重要です」。ダナファーバー癌研究所/ブリガム&ウィメンズがんセンターの血液悪性腫瘍主任のRobert Soiffer医師は述べる。「迅速ヘム・パネルによる自家検査のおかげで、われわれはかつでないほど早く治療方針決定に必要な情報を獲得することができるのです」。

迅速ヘム・パネルを開発したダナファーバー癌研究所/ブリガム&ウィメンズがんセンター合同チームはFrank Kuo医師が共同統括しており、重要な解釈はColeman Lindsley医学博士が行った。チームには他に以下のメンバーが含まれる。Daniel DeAngelo, MD, PhD, Benjamin Ebert, MD, PhD, Ilene Galinsky, RNP, and Michael Kluk, MD, PhD。

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石岡優子 訳
林 正樹 (血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院) 監修
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原文

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