ホルモン療法抵抗性をもたらすPI3K経路を遮断することがER/PR陽性進行乳癌の女性に効果がある可能性/ダナファーバー癌研究所 | 海外がん医療情報リファレンス

ホルモン療法抵抗性をもたらすPI3K経路を遮断することがER/PR陽性進行乳癌の女性に効果がある可能性/ダナファーバー癌研究所

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ホルモン療法抵抗性をもたらすPI3K経路を遮断することがER/PR陽性進行乳癌の女性に効果がある可能性/ダナファーバー癌研究所

一部の転移性乳癌患者では、ホルモン療法にPI3K阻害剤を追加することでホルモン療法抵抗性を克服し、癌の進行を遅らせることができる可能性が第2相臨床試験の結果から示唆されている。

2014年サンアントニオ乳癌シンポジウムで発表されたデータによると、ダナファーバー癌研究所の試験医師らは転移性乳癌患者を対象にPI3K阻害剤を評価する初の盲検化ランダム化試験から17カ月間の追跡データを提示した。

「エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌の女性では、PI3K経路の過活性がフルベストラントなどのホルモン療法への抵抗性に関係している」と、ダナファーバー癌研究所Susan F. Smith Center for Women’s CancersでBreast Oncology Programの臨床試験の責任者であるIan Krop医学博士は述べた。

Krop氏はFERGI第2相試験の試験責任医師である。本試験ではER陽性転移性乳癌の閉経後の患者を無作為に2群に分け、1群にはフルベストラントに加えてPI3K阻害剤のpictilisib[ピクチリシブ]を投与し、もう1群にはフルベストラントとプラセボを投与した。PI3K変異の有無に関わらず168人の患者が組み入れられた。主要評価項目は無増悪生存期間であった。

コホート全体として、フルベストラント+プラセボ群では癌の進行が5.1カ月遅延したのに対し、フルベストラント+PI3K阻害剤の群では6.6カ月であった。これは統計的に有意でない「わずかな効果」とKrop氏は述べた。

しかし、ERおよびプロゲステロン受容体(PR)がともに陽性の女性患者集団では「より大幅」な改善がみられた。無増悪生存期間は7.4カ月であり、これはPI3K阻害剤を投与しなかった患者で3.7カ月であったのに対し2倍であったとKrop氏は報告した。Krop氏は、ER/PR陽性乳癌の女性でのピクチリシブの効果が本試験の追加のコホートの患者にも当てはまるかどうか調査することを計画している。

驚いたことに、PI3Kシグナル伝達経路の重要な部分であるPIK3CA遺伝子の変異の有無に関わらず、追加されたPI3K阻害剤の効果は同様であったことを研究者らは発見した。「PIK3CA変異がPI3Kシグナル伝達を活性化する唯一の方法ではないのかもしれない」とKrop氏は示唆した。

Genentechはピクチリシブを製造し、本研究に資金提供した。

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上田 梨佳 訳
野長瀬祥兼 (腫瘍内科/近畿大学医学部付属病院) 監修
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原文

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