カルボプラチンを加えた化学療法でトリプルネガティブ乳癌患者の転帰が改善/ダナファーバー癌研究所 | 海外がん医療情報リファレンス

カルボプラチンを加えた化学療法でトリプルネガティブ乳癌患者の転帰が改善/ダナファーバー癌研究所

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カルボプラチンを加えた化学療法でトリプルネガティブ乳癌患者の転帰が改善/ダナファーバー癌研究所

2014年12月11日

トリプルネガティブ乳癌女性を対象とした臨床試験で、標準的な術前化学療法にカルボプラチンまたはベバシズマブを加えると、乳房から腫瘍が完全に消失する割合が高くなるというデータが、2014年サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCC)で発表された。

ベバシズマブには長期にわたって癌の再発率を低下させる効果はないが、カルボプラチンがトリプルネガティブ乳癌の治療に果たす役割に期待を抱かせる結果となった。この試験を主導したのは、ダナファーバー癌研究所の多くの医師や研究者が関与する臨床研究グループAlliance for Clinical Trials in Oncologyである。

データを解析したトリプルネガティブ乳癌患者360人の大多数はbasal-like型という腫瘍タイプであった。トリプルネガティブとは、腫瘍細胞に主要な3つの受容体が発現していないことを意味している。このタイプは全乳癌の約15~20%を占めており、高悪性度の傾向があるが、早期に発見すれば治療が奏効する可能性がある。basal-like型腫瘍の細胞は、乳管を取り巻く基底細胞に似ている。

この試験では、トリプルネガティブ乳癌患者に術前化学療法として、従来の化学療法のみを実施するか、ベバシズマブとカルボプラチンのいずれか一方または両方を追加した。術前に化学療法を行うと、腫瘍が縮小して手術で除去できる可能性がある。(ベバシズマブは腫瘍による血管新生を抑える。カルボプラチンはプラチナベースの化学療法剤である。)

Basal-like型の患者のうち、カルボプラチンを追加した群の61%で、病理学的完全奏効(pCR)(腫瘍を除去する手術後に顕微鏡レベルで癌が見つからない状態)を得た。従来の化学療法のみの群では47%であった。他のタイプのトリプルネガティブ乳癌患者でもほぼ同様の結果であった。

「一般に、術前化学療法で病理学的に完全奏効したトリプルネガティブ乳癌患者では、きわめて再発率が低い傾向があります」と、この試験の上級著者であり、ダナファーバーSusan F. Smith Center for Women’s Cancersの乳腺腫瘍科の責任者であるEric Winer医師は述べている。「カルボプラチンがトリプルネガティブ乳癌に果たす役割に期待していますが、これが高い治癒率に結びつくかどうかはまだわかっていません。現在進行中の試験ではこの問題に注目し、どの患者にどのようにカルボプラチンを投与するのがよいか見極めようとしています」。

この試験は、米国国立癌研究所、Roche-Genentech社、乳がん研究基金(Breast Cancer Research Foundation)の資金提供を受けている。

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月橋純子 訳
原 文堅(乳腺科/四国がんセンター)監修
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原文

 

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