食物繊維系便秘薬の使用は大腸癌リスクの減少と関連があるとの研究結果/フレッドハッチンソンがん研究センター | 海外がん医療情報リファレンス

食物繊維系便秘薬の使用は大腸癌リスクの減少と関連があるとの研究結果/フレッドハッチンソンがん研究センター

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食物繊維系便秘薬の使用は大腸癌リスクの減少と関連があるとの研究結果/フレッドハッチンソンがん研究センター

シアトル–2014年10月6日–75,000人を超える成人を対象とした大規模前向き試験がワシントン西部で実施され、繊維を主成分とした便秘薬の頻回使用が大腸癌リスクの減少と関連し、一方で非繊維性の便秘薬の使用は大腸癌リスク上昇と有意に関連しているという結果が得られた。さらに、大腸癌リスクに関しては、便通回数と便秘に関連性が認められなかった。

論文の筆頭著者および責任著者である、フレッド・ハッチンソンがん研究センター公衆厚生科学課の疫学プログラムの研究員Jessica Citronberg M.P.H.は、American Journal of Gastroenterolgyの10月7日号に発表された本結果について、推定でアメリカ人の20%は便秘薬を使用していることから非常に重要であると述べている。Citronberg氏はまた、ワシントン大学公衆衛生大学院の疫学の博士課程の学生でもある。

米国で最も一般的に使用されている非繊維性の便秘薬は大腸の収縮を促進するように働くが、繊維を主体とした便秘薬は、便の水分量および便のかさを増やすことにより便が大腸の中を移動しやすくする。

Citronberg氏と共同研究者たちは、非繊維性の便秘薬を年5回以上服用する人では大腸癌リスクが49%上昇し、一方で繊維を主体とした便秘薬を週4日以上4年間服用した人では、服用しなかった人と比較し大腸癌のリスクが56%減ることを見いだした。

「私は大腸癌のリスクと便秘薬がこのように強く関連していることに非常に驚きました」とCitronberg氏は述べている。「私はこのような強い関連性を示す結果がでることを全く予想していませんでした」。

ビタミン、ミネラルや他の栄養補助食品と癌のリスクの関連を評価する大規模試験に参加する、ワシントン西部の50~76歳の男性および女性75,214人のデータから、便通回数、便秘および10年間の便秘薬使用歴を評価した。まず、試験参加者を2000年~2002年の間に調査し、さらに2008年まで追跡調査した。その間558人の試験参加者が大腸癌と診断された。大腸癌、クローン病および腸ポリープの病歴のある患者は試験から除外した。

実験室や動物を用いたこれまでの研究から、刺激性下剤は発がん性があり遺伝子変異を起こす作用があることがわかっているが、便秘薬服用に関する事前コホート試験では、大腸癌リスクについて矛盾した結果が得られた。

「今回の試験において示された、大腸癌リスクは便秘薬の種類に依存しているという結果により、全ての種類の便秘薬をいっしょに扱ってきた従来の試験における矛盾点を説明できると考えております」と著者は報告している。

今回の試験は、食物繊維、または膨張性の便秘薬と大腸癌リスクの関係を調べた最初の試験である。水溶性繊維の便秘薬は、食物繊維で言われているような、なんらかの保護作用をもっている可能性があると、著者は仮説をたてている。食物繊維の摂取は便の発がん物質を希釈し、大腸内の健康な細菌の成長を促し、便の通過時間を増加させ、発がん性物質が大腸と接触する時間を減らすことにより、大腸癌リスクを減少させると考えている。

この試験の強みは、患者数が多数であること、大腸癌リスクに影響する可能性のあるさまざまな因子を考慮に入れたデータであるという事実である。さらに、この試験は前向き試験デザインであるため、排便習慣および便秘薬の使用に関する情報を、大腸癌の診断前に使用することができ、患者間の記憶に関するバイアスを減らすことができた。試験の弱点としては、患者の自己報告に頼っていること、過去の試験では軟便が大腸癌リスクに関連していることが報告されているが、便の硬さの情報がないことである。また、試験の人口統計-比較的高齢者であり、大多数が白人で、健康状態が非常に良く、栄養補助食品を服用しているワシントン西部住民-を、U.Sの住民全体を代表するものと推定可能かは不明である。

Citronberg氏は、この試験の弱点を考えると、彼女と共同研究者らが便秘薬使用を臨床的に推奨するには、研究がさらに必要と述べている。

「私は、この試験から、人々は刺激性下剤の服用を中止すべきだ、などと先走って言うつもりはありません。私が思うより良い方法は、健康的な食事をすることだと考えています」とCitronberg氏は言っている。しかし、さらに、便秘と便通については知見がないことの重要性を強調している。

「考慮すべきは、今回の試験では便通頻度、便秘と大腸癌リスクの間には関連を認めなかったが、便秘薬の使用と大腸癌リスクとの間には関連を認めたということです。試験結果から非繊維性の便秘薬は大腸癌リスクを上昇させ、繊維性の便秘薬は大腸癌リスクを低下させることが示されたが、さらに研究が必要である」とCitronberg氏は述べている。

国立衛生研究所の部門である米国国立がん研究所および米国国立栄養補助食品事務局より研究資金の提供を受けた。試験の共同協力者は上席著者のフレッド・ハッチンソンがん研究センター公衆厚生科学課のEmily White博士およびニュージーランド、ウェリントンのマッセー大学のJohn Potter博士である。

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古屋千恵 訳
関屋 昇(薬学)監修
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原文

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