喫煙が、口腔癌を引き起こすウイルス(HPV)感染に関連/ジョンズホプキンス大学 | 海外がん医療情報リファレンス

喫煙が、口腔癌を引き起こすウイルス(HPV)感染に関連/ジョンズホプキンス大学

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喫煙が、口腔癌を引き起こすウイルス(HPV)感染に関連/ジョンズホプキンス大学

2014年10月8日

概要 

  • ジョンズホプキンスの研究者らは、喫煙またはタバコへの曝露と、世界中で性交渉による感染が広がり口腔癌や咽喉癌の原因となっているヒトパピローマウイルス16型(HPV 16型)への口腔内感染とに強い関連性があることを示した。
  • 研究チームは、HPV 16型感染は性交渉とは関係なく、最近、喫煙した人またはタバコに曝露された人(受動喫煙)に多くみられることを発見した。
  • 血中および尿中のタバコに関連するバイオマーカーが高値の人は、検出不能であった人よりも、口腔内にHPV 16型のDNAを有する可能性が高かった。

ジョンズホプキンスの研究者らは、喫煙またはタバコへの曝露と、性交渉により感染し世界中で口腔癌や咽喉癌の原因ウイルスであるヒトパピローマウイルス16型(HPV 16型)への口腔感染とに強い関連性があることを示した。このような癌の件数はこの20年間で米国では225%増加した。 

HPV 16型は咽喉の奥に発生する癌の80%に存在し、オーラルセックスで感染する。「オーラルセックスの行為自体は一般的ですが、癌はまれです。したがって、ほとんどの人がそうならないにもかかわらず、HPV 16型に持続的に感染しHPV陽性の口腔咽頭癌を発症する人がいる理由を説明する過程には補助因子が存在するにちがいない」とジョンズホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生学部疫学准教授であり、ジョンズホプキンス・キンメルがんセンターのGypsyamber D’Souza博士は述べている。

10月7日付のJAMA誌で発表された新しい研究の著者らによると、研究チームは、HPV 16型感染は性行動とは関係なく、最近喫煙したかまたはタバコに曝露された人(受動喫煙)に多くみられることを発見した。

「タバコへの曝露により、口腔のHPV 16型感染の可能性が上昇するようである。まだ原因はわからないが、喫煙者ではウイルスがうまく体内から除去されないのかもしれない」とD’Souza氏は述べている。

 しかし、本研究はタバコとHPV 16型感染は独立した関係であることを示しているが、喫煙量の多い人がオーラルセックスをすることが増加すると、HPV 16型感染のリスクが高まるという可能性を完全には排除できないと研究者らは警告している。

 今回の研究は、受動喫煙を含めてタバコが要因となってもたらされる血中または尿中のタバコ関連化学物質が陽性の人の口腔内HPV 16型感染に注目した点でこれまでの研究を一歩前進させたものである」とジョンズホプキンス大学医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科学助教のCarole Fakhry医学博士は述べている。

 現在の研究は、喫煙およびタバコへの曝露を口腔のHPV 16型感染のリスク因子として関連づけているが、研究者らは喫煙または他の方法でタバコを使用することで、直接HPV 16型感染が引き起こされることはなく、非喫煙者でもHPV 16型に感染しうることを強調している。

本研究の参加者6,887人は国民健康栄養調査から選ばれており、米国の代表サンプル集団を構成している。本研究の時点の喫煙者2,012人とHPV 16型感染者63人を含む。

 口腔および咽喉の細胞を採取するため30秒間口をゆすいでうがいをすることによりウイルスを検出した。参加者は調査の中で喫煙状況を説明し、タバコ関連化学物質のコチニンおよびNNAL (4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanol)について血液および尿の検査を受けた。

 「血中および尿中のタバコに関連するバイオマーカーが高値の人は、検出不能であった人よりも、口腔のHPV 16型のDNAを有する傾向が高かった」とFakhry氏は述べ、「タバコへの曝露レベルの上昇が口腔のHPV 16型の高い有病率と関連していることを発見した」と加えた。

 タバコ1日3本に相当するコチニンの血中濃度が上昇するごとに、HPV 16型の有病率が31%上昇する。タバコ1日4本に相当するNNALの尿中濃度が上昇するごとに、HPV 16型の有病率が68%上昇する。このいわゆる用量反応曲線は、2つの事象の関連性の科学的に強い根拠であると考えられる。 

「これらの結果は、禁煙のさらなる動機になるかもしれないし、わずかな量の喫煙でさえ口腔のHPV有病率が高くなることを示唆している」とFakhry氏は述べた。

 D’Souza氏とFakhry氏はオハイオ州立大学のMaura L. Gillison氏の協力を得てJAMAの研究に参加した。Information Management Services Inc.のTimothy S. McNeel氏は統計解析を支援し、報酬を受けた。

 National Institute of Dental and Craniofacial Research(P50DE019032, R01DE021395, R01DE023175)、Greater Baltimore Medical CenterのMilton J. Dance Jr. Head and Neck Centerおよびメルクに資金提供を受けた。

 

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上田梨佳  訳
東海林洋子(薬学博士/ 遺伝子医薬品、薬剤学、微生物学)監修
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原文

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