ペムブロリズマブのFDA承認 | 海外がん医療情報リファレンス

ペムブロリズマブのFDA承認

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ペムブロリズマブのFDA承認

商標名:Keytruda[キートルーダ]

・切除不能あるいは転移性メラノーマでイピリムマブ投与後に疾患が進行した患者、またはBRAF V600変異が陽性で、BRAF阻害剤投与後に疾患が進行した患者に対して承認

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

切除不能あるいは転移性メラノーマで、イピリムマブで治療し、BRAF V600変異が陽性の場合はBRAF阻害剤で治療したが、その後、疾患が進行した患者の治療のために、2014年9月4日、米国食品医薬品局(FDA)はペムブロリズマブ(Keytruda、Merck Sharp&Dohme社開発)を迅速承認しました。

ペムブロリズマブは、PD-1受容体と結合して、PD-1受容体がPD-L1およびPD-L2と相互作用するのを阻害するモノクロナール抗体です。それによりPD-1経路による阻害で抑制されていた、抗腫瘍免疫応答などの免疫応答が解放されます。

第1b相多施設共同ランダム化非盲検臨床試験(KEYNOTE-001)における、用量比較、活性予測のコホート研究の結果を基に承認されました。このコホート研究において、イピリムマブの最後の投与から24週の間に疾患が進行したか、BRAF V600変異が陽性の場合、以前にBRAF阻害剤で治療を受けた後に疾患が進行した、切除不能あるいは転移性メラノーマの患者173人を、さらに疾患が進行するか忍容できない毒性が発現するまで、3週毎に1回ペムブロリズマブを2mg/kg(n=89)または10mg/kg(n=84)静注するよう無作為に割付けました。

主な除外基準は、自己免疫性疾患であったこと、免疫抑制を要する病状であったことや、イピリムマブによる治療で重大な免疫介在性有害反応の既往歴があることとしました。コルチコステロイドでの治療を必要としたあらゆる致死的な毒性作用(CTCAE(有害事象共通用語規準)グレード4)、または12週間以上、コルチコステロイド治療(10mg/日以上のプレドニゾンまたは同等の投与量)を必要とした重大な毒性作用(CTCAEグレード3)を、重大な免疫介在性有害反応と定義しました。

患者173人の年齢中央値は、61歳でした(64%は、65歳以下)。40%は女性でした。97%は白人でした。そして、66%でECOGパフォーマンスステータス(全身状態の値)が0で、34%で1でした。17%はBRAF V600変異が陽性でした。39%は乳酸脱水素酵素が高値でした。そして、82%は進行性・転移性癌(M1c)でした。さらに、9%には脳転移があり、73%にはこれまでに2種類以上の治療を受けていた進行性か転移性疾患がありました。

主要有効性評価項目は、全奏効率(固形癌の治療効果判定のためのガイドラインまたはRECISTガイドラインv1.1に基づき、盲検化独立審査委員会によって評価)および奏効期間で確認しました。2mg/kgの群では、全奏効率は24%で(95%CI: 15, 34)、完全奏効1人および部分奏効20人でした。奏効した患者21人のうち、3人(14%)はそれぞれ、最初の奏効から2.8カ月目、2.9カ月目および8.2カ月目に、疾患が進行しました。残りの患者18人(86%)は、1.4カ月以上~8.5カ月以上の範囲で、奏効しました。これらの患者のうち8人は、6カ月以上で現在も奏効しています。同程度の全奏効率が、10mg/kgの群でも認められました。

ペムブロリズマブを低用量で投与した患者で最も一般的な有害事象(患者の20%以上に発生した事象)は、疲労、咳、嘔気、皮膚そう痒、発疹、食欲減少、便秘、筋肉痛、および下痢でした。

ペムブロリズマブで認められた最も頻繁にみられた重篤な薬物有害反応(患者の2%以上に発生した反応)は、腎不全、難治性または痛みを伴う呼吸(呼吸困難)、肺炎および蜂巣炎でした。さらに臨床的に重要な免疫介在性有害反応には、甲状腺作用の変化(甲状腺機能亢進症または甲状腺機能低下症)および肺の炎症(間質性肺炎)、結腸の炎症(大腸炎)、脳下垂体の炎症(下垂体炎)、腎臓の炎症(腎炎)および、肝臓の炎症(肝炎)がありました。

この迅速承認の条件の1つとして、Merck社はペムブロリズマブの臨床的有益性を立証し説明するために、ペムブロリズマブが標準的な治療よりも優位であることを確立する多施設共同ランダム化臨床試験の実施を求められました。
Merck社により、イピリムマブ(KEYNOTE-002)難治性またはイピリムマブ の治療歴のない(KEYNOTE-006)、切除不能あるいは転移性メラノーマの患者を対象として、治療効果を確認する多施設共同対照試験が2件、現在進行中です。それぞれの共通した主要評価項目は無増悪生存期間および全生存期間です。

切除不能あるいは転移性メラノーマで、これまでイピリムマブで治療していないか、イピリムマブ難治性である患者の臨床活性から得た予備的な証拠を基に、FDAは2013年初頭に、ペムブロリズマブをこの適応症に対する画期的な治療薬として指定しました。

推奨されるペムブロリズマブの用量は、2mg/kgを3週毎に30分以上の静注投与です。

この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師またはFDA臨床試験計画・評価部門長のPatricia Keegan医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

 

原文掲載日

翻訳有田 香名美

監修 東海林 洋子(薬学博士/ 遺伝子医薬品、薬剤学、微生物学)

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